にじさんじ運営、勇気ちひろを誹謗中傷した人物に120万円の損害賠償

バーチャルYouTuber（VTuber）グループ・にじさんじを運営するANYCOLOR社は2月1日、所属タレント・勇気ちひろさんに対して誹謗中傷を繰り返していた人物と示談が成立したと発表した。

示談内容は、対象の人物が約120万円の損害賠償金を支払うというもの。なお、設定した期限内に同金額が支払われなかった場合、約370万円を支払わなくてはならないという条件付きとなる。

ANYCOLORは発表で、「勇気ちひろに対する誹謗中傷に関してご心配いただいたファンの皆様に対しましては、この場を借りて日頃の感謝の気持ちをお伝えいたします」とファンへの感謝を述べた。

にじさんじ1期生としてデビュー・勇気ちひろ

勇気ちひろさんは、バーチャルライバーグループ・にじさんじに所属するVTuber。2018年2月に、月ノ美兎さん、樋口楓さんらと同じくにじさんじ1期生としてデビューした。

本来の姿は18歳だが、ぬいぐるみと魔法少女になる契約を結ぶ際に10歳の姿にされてしまったという人物だ。

YouTubeチャンネルの登録者数は63.4万人。『Minecraft』『TETRIS 99』『Apex Legends』などのゲーム実況を中心に活動している。

発信者情報開示、損害賠償請求へ

今回、ANYCOLOR側と示談が成立した人物は、Twitterおよび他のSNSにおいて、勇気ちひろさんを名指しする形で「勇気ちひろの心は壊れた方がよい」「こいつは毒だ」といった旨のツイートを行ったという（リツイートを含む）。

そのためANYCOLORでは、勇気ちひろさんを当事者として、名誉感情の侵害を理由とした発信者情報開示請求訴訟を提起。

同請求が裁判所に認められ、開示された発信者情報を基に、対象人物に対する損害賠償請求を行った結果、前述の条件で示談が成立した。

ANYCOLOR、他の誹謗中傷にも開示請求

ANYCOLOR社は発表の中で、他の所属ライバーの個人情報をインターネット掲示板に投稿した人物に対して、プライバシー権侵害を理由とする発信者情報開示請求を行い、発信者情報の開示を受けたと報告。

さらに、所属ライバーのYouTube配信中に、脈絡のないコメントを連続して投稿（いわゆる「荒らし行為」）していた人物に関しても、営業権侵害を理由とする発信者情報の開示請求を実施。

その上で、裁判所から荒らし行為について営業権侵害が認められており、人物の発信者情報の開示に向けて手続きが進行していると説明した。

ANYCOLOR社によれば、勇気ちひろさんを含めた3件の結果は、「誹謗中傷行為の抑止に向けた大変重要な成果」と述べ、今後も同種の誹謗中傷行為に対して法的な手続（刑事的な手続を含む）を講じていくとしている。

なお同日、ホロライブプロダクション運営のカバー社も、2022年における誹謗中傷行為への対応を報告（外部リンク）。両社は2022年12月、誹謗中傷に対して連携体制の構築を発表している。