ねぶたμ’sに京友禅おそ松さん！ アニメと伝統工芸が高品質なコラボ

3月25日（金）から27日（日）にかけて、東京ビッグサイトにて開催される日本最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2016」。アニメ・ゲーム関連の企業が数多くブース出展し、各種ステージも催される大規模イベントを取材しています。

メインエリアの東5ホールに設けられた「プレミアムコラボレーション」ゾーンでは、「日本の伝統工芸×アニメ」「企業×アニメ」といったコラボレーショングッズの展示・販売が行われています。

中でも、伝統工芸×アニメのガチっぷりが素晴らしい。職人たちが（きっとどこか戸惑いつつも）本気の仕事をしてくれた感にあふれた、魅力的な品々が並んでいました。その一部をご紹介しましょう。

文：松本塩梅

まず、出迎えるのは「ねぶた×ラブライブ！」のμ’ｓたち！

ブースの目印にもなるほどの大きさで見物客を迎えるのが、青森県の夏祭りの代名詞「ねぶた」と、人気アニメ『ラブライブ！』に登場するアイドルグループ・μ’ｓのメンバーがコラボした、言うなれば「ネブライブ！」の一団。

フィギュアのねんどろいどを思わせるような2等身にデフォルメされたμ’ｓたちは、劇場版『ラブライブ！The School Idol Movie』劇中歌の「Angelic Angel」のライブシーンで着用した衣装をまとっています。本編ではニューヨークのタイムズスクエアでライブをしていましたが、このまま青森ねぶたでも舞い踊れてしまいそうなクオリティ。 よく近づいて見ると、膝のカーブなどの細かなところにも技術の高さを感じさせます。

『おそ松さん』のハンカチを京友禅でつくるとこうなる！

「京友禅」は元禄時代に扇絵師・宮崎友禅斎氏によって考案された染色技法です。多色使いと奥行きのある美しさがポイントの京友禅と、人気爆発中のアニメ『おそ松さん』がコラボレーション。 デフォルメされた6つ子の原図をトレースして型を彫り、一色ずつを重ねて塗っていく丁寧な仕事。側面から見てみると、単純なプリントではないことを思わせる微妙な立体感があります。イラストの可愛さと京友禅の気品が妙にマッチした一枚。

デレマス和傘、ボトムズ徳利、Fate金ピカボールペン

現在でもほとんどが手作業でつくられるという「岐阜和傘」は、『アイドルマスター シンデレラガールズ』のキャラクター・小早川紗枝がさして似合うものをイメージした一張りを製作。 佇まいの美しさはもちろん、傘の内側にある糸かがりの部分の愛らしさも魅力です。 ほかにも、『装甲騎兵ボトムズ』をイメージした信楽焼の徳利＆お猪口のセットや…… 「TYPE-MOON」が提供するアプリゲーム「Fate/Grand Order」に登場する人気キャラ・ギルガメッシュのイメージカラーである「金」を基調にしたボールペンは、加賀百万石の文化を支えてきた金沢箔の技術が用いられた金箔仕様。

このボールペンなら、かの英雄王もお気に召すでしょうか。 日本各地の伝統工芸とアニメ作品がコラボレーションした今回の展示。その丁寧な仕事や上質さに、思わず見惚れるものが多かったです。事実、その場でオーダーできる予約注文窓口には行列ができているほど。

大好きなアニメと日本文化を一挙に味わえるとあれば、日本人のみならず、海外からのお客様にも刺さりそうですが、果たして。