ギャルってアニメとかみるの？
あゆたま 昔から『銀魂』が好きです。ふざけてるけど、泣けるとこが好き。基本的にアニメは泣けるか泣けないかでみるんで。人より涙腺めちゃくちゃ弱いから。なんでここで泣くの？ みたいな。
一同 お豆腐メンタルだ（笑）
はるたむ 『セーラームーン』とか『ローゼンメイデン』とか好きです。
ぇりもっこり 子供のアニメならみます。『ぜんまいざむらい』とか。ああいうのみると心が浄化されるみたいな。
日本人は外国で流行ったものに弱い！
──今って、黒ギャルが少なくなってきてるじゃないですか？はるたむ 絶滅危惧種だから、逆に目立っていいかな？ みたいな。ポジティブに。10年前に生まれてたらここにいる全員特別扱いされてないから。10年前の黒ギャルに憧れたけど、今やってるからこそ注目されて、よかったなって。
──黒ギャルをやっていて、つらい思いしたってことありますか？
ぇりもっこり 最初は、勝手に写真撮られたりとか、「マサイ帰れ！」とか言われた。
去年も「妖怪ウォッチ」が流行ってて、うちらめっちゃ（「ようかい体操第一」）歌われたよね？ 「ヨーデル、ヨーデル」とか言って（笑）。目の前で踊られたりしたんですけど、こっちは気にしてないから「え、ウケる〜」つって一緒に踊ったりとか。
地元に1人しかいなかったから、冷たい目とかイタイ目で見られるのが最初は嫌だったけど、それはもう1、2年ぐらいでなくなりました。今は、むしろ見てくれてありがとうって思う。
──もしかしたら、これからガングロが流行っていくかもみたいな流れってありますか？
はるたむ あるとしたら、海外でブレイクして逆輸入みたいな。
このみん 日本人は外国で流行ったものに弱いから。ガングロカフェも外国人のお客さんを増やして、ロボットレストランを目指してます。オリンピックもあるし。
──クラウドファンディングでアメリカに行く渡航費を募集するときに土下座をするっていうニュースもありましたね。
プロデューサー クラウドファンディングは2回やってまして、最初はデビューシングルをつくるときに80万円集めて、でも、2回目はそんなに集まらず。結局アメリカへはほとんど自腹で行きました！
はるたむ 土下座は、チームのためならって気持ちでやりました。じゃなきゃやらないですよね……。
一番人気の定番メニュー・ガングロボールを食べてみた！
──お店は忙しいですか？このみん お客さんがあまり入ってない頃は、チラシ配りとかやってたんですが、最近は、TVの影響で日本人のお客さんが多くなって、店を回すのも大変です。
ぇりもっこり 常に満卓だから、3、4人でも回らなくって、ガングロボールっていう名物メニューがあるんですが、料理も時間かかっちゃうから。
──ガングロボール！？
これがイカスミパウダー入りのガングロボールのタネ！
2人がかりでクッキング！さすがの手さばき！
イカスミパウダーで黒く着色された生地の中には、タコが苦手な方も多い外国人向けに考案された、チーズとウインナーが！
おそるおそる……
ガングロカフェのまかないとしてもこのガングロボールが出るそうで、黒ギャルのみなさんも大好物。
ちなみに、ガングロボールの次に人気があるメニューは、各メンバーにちなんだデザートとのこと。出勤してるメンバーのサイン入りのポストカードがもらえるんだそうだ。
ほかにも外国人向けに、お団子、おせんべい、お味噌汁などが用意されている。
ガングロカフェ名物！ 定番メニューのガングロボールとは！？
インタビュー後半戦！ ガングロっていつか辞めるもの？
はるたむ それぞれ趣味とか好みとか変わると思うし、はるかも10年後は絶対やってないから。自分がやめたいタイミングでやめればいいと思う。
このみん 思うけど、黒ギャルとかギャルやってた人の方が落ち着いてからも可愛い。化粧がうまかったりとか。
はるたむ 最近16,7才で、すっごい若いのに超落ち着きミッションで、白肌で茶髪のお姉さん系とかいるけど、そういうのはもっと年取ってからもできるから。ちょっとぐらいハネてもいいと思う。
※落ち着きミッション：髪色などが落ち着いている状態
旅行サイトで渋谷区のレストラン4800軒中5位！
プロデューサー この子たちBlack Diamondの研究生のような妹サークル・Queen Sistersも、いまメンバーが400人ぐらいいるんです。Black Diamondもそろそろ3年ぐらいやってるんですけど、結婚して辞めていく子もいるので、毎月、妹サークルから昇格審査みたいなことやってます。──研究生はお店には出ないんですか？
プロデューサー 研究生は中高生がメインなので出ないですね。Black Diamondに憧れてる子が多いので、お客さんとしてよく来店してくれています。
当店は、外国人観光客の方が利用する旅行サイト「TripAdvisor」の中で、渋谷区のレストラン4800軒中5位にランクインしたこともあるんです。日本の企業さんが、海外の取引先の方をおもてなしで連れてこられたりも。
──海外展開にも、けっこう手応えはあるんですか？
プロデューサー 外国のお客様も来ればめちゃくちゃ喜んでくださって、海外のメディアさんも取材にきてくれるので、口コミで広がっていけばいいなと。
──日本人のお客さんと外国人のお客さんの違いってありますか？
はるたむ リアクションが違いますね。外国人の方だと、アイドル並みに「きゃーかわいいー」って反応してくれます。日本人だと物珍しげに、恐る恐るみたいな。
明日死んでもいいように生きる！
──今後もずっとガングロギャルを続けますか？一同 続けない絶対（笑）！
はるたむ ハタチの成人式を派手にやったんですけど、これで全部最後にしようと思ったんですよ。マジ20歳なんかクソババアだと思ってて、自分がなった時にはそろそろ落ち着こうかなってなったんですけど、ギャルサー入ってるのもあるし、周りもみんなギャルだから、まだいいかなって。自分が飽きたら辞めるかな。自然と。
一同 全然ある。
はるたむ 同じ自分でいるのがつまんないから、系統コロコロ変えたい派なんで。メイクとか服とかは毎日変えられるけど、変えれるもんなら爪も髪も肌の色も毎日変えたいんです。
このみん 服の系統とかもさまざま。思いっきりお姉さんしたい時もあるし、思いっきりギャルしたい時もある。ギャルは辞める辞めないじゃなく、好きなことしてるって感じです。
──ガングロギャルの次に、なりたいものは？
はるたむ その辺を歩いてて、どこにいるかわかんないような地味な人には絶対なりたくないです！ 30代で落ち着いても、ちょっと派手で綺麗な人。オーラがある人がいい。
──これからの夢とかありますか？
はるたむ 社長です！ 「かわいいを発信する人間」になりたいんですよ。今はギャル代表としてメディアに出させていただいてるんですけど、真似してくれる子とかいるから、憧れられて。
肩書きでいうと社長だけど、商品プロデュースだったりにも興味あって。ギャル辞めたとして美容とかファッションとかに関わりたい。
漢検1級ギャルのあゆたまさんの夢は？
あゆたま 暇だったから。
──漢字が好きとかではないんですね？
あゆたま 全っ然！
──どうやって勉強したんですか？
あゆたま まず一冊読むんですよ。で、一回閉じて。速読が得意なんで、もう一回繰り返して読んで、わかんないとこは全部書いて。
はるたむ 最近、字書くことってプリクラぐらいしかなくね？
──あゆたまさんは、夢はありますか？
あゆたま 結婚、安定！
一同 （笑）。
あゆたま 26で結婚して、27で出産してみたいな。
はるたむ わかる。はるかもそれが理想。
あゆたま 相手の経済的な問題もあるし、自分の経済的な問題もあるし。
──その頃にはギャルも辞めてますか？
あゆたま 多分やってます。見かけは落ち着いたとしてもネイルはやめてないかな。ネイルやめたら「うわああ」ってノイローゼになる（笑）
──その爪で困ることとかないんですか？
ぇりもっこり 小銭とか？ 財布斜めにしてとったり、みゆぴょんとかピンセットでとってるから。
みゆぴょん 財布の中にピンセット入れてて、ピンセットで小銭出してます。
見た目がギャルだから相手に覚えてもらえる！
みゆぴょん やっててよかったこと……ないかもしれない。なんだろう（笑）。家が厳しかったけど、親を説得させてこうなって、自分のやりたいことやれてるから、貫いてよかったなって。今、楽しいから。
はるたむ こうやってBlack Diamondとしてメディアに出れること！ 若いうちに名古屋でサークルやってた時も楽しくって、若いうちにしといてよかったなって。黒髪で真面目に生きてるより、やりたいことやってた方が楽しいじゃないですか。
はるか、めちゃくちゃ人覚え悪いんですよ。でも見た目がギャルだから相手に覚えてもらえるんですよ。覚えてなくっても相手が話しかけてもらえるから。それが一番良かったことですね。
──好きな音楽とかありますか？
昔からずっとトランス・サイケしか興味ないけど、時代の波にのまれて、EDMとか前は全拒否だったけど、まだ受け入れられるようになった。
──ガングロカフェではパラパラショーも見られるとのことですが…！
はるたむ Black Diamondが歌っている「SHIBUYA NATION」っていう曲があって、その曲でパラパラショーをやってます！
【次のページ】ガングロギャルにパラパラを習ってみた！
連載
日本が世界に誇るべき最高のポップシティ、渋谷。 あらゆるカルチャーと人種が集まるこの街で、毎日のように繰り広げられるパーティー、愛のはじまり、夢の終わり、高揚感と喧噪、その捉えがたきポップの断片をかき集める人気連続企画。 2010年代は渋谷から発信されていく、と思う。
1件のコメント
米村 智水
楽しい取材でした。またいきたいです！