インフルエンサーは数字が全てだ。
Twitter/Instagramで人気度や求心力が可視化できる昨今、ムーブメントをつくってきたファッション雑誌ですら、読者モデルを決めるのにSNSにおけるフォロワー数をチェックするという。タレントや声優が企画に起用される際も、すでにファンがどれくらい付いているかを見られてしまう。
インスタグラマーはマーケティングの領域でも注目されており、1万フォロワーを超えれば自然と広告の依頼がくる現状、5万フォロワーを超えたらそれはもう立派なタレントだろう。
そんな中、自力で8万弱ものフォロワーを獲得し、その9割以上が海外のファンであるという特異な存在が、今回インタビューするあま津うにだ。
国内のオタク市場が踊り場に差し掛かる中、急速に拡大する海外ファンを明確なターゲットとしてコスプレをおこない、「あにめ系あーてぃすと」を自称してきた彼女。デビュー直前のタイミングで、彼女のことをひとつずつ紐解いていく。
取材・文:中山英樹 写真:山本哲也 編集:長谷川賢人
同時期に開催されたコミックマーケット92の来場者数が50万人だったことを考えると、驚異的な数値といえる(もっとも、アニメエキスポは会期が4.5日間だったため一概に比較できないが)。
筆者は海外イベントのライブに参加する機会もあるが、どこも大変な熱気だ。一糸乱れぬサイリウムの海に、完全に日本語で行われるコールアンドレスポンス。その場だけを抜き取れば、国内となんら変わらないコミュニティがそこにある。
インドネシアやタイといったアジアの国々は人口増加が今後も見込まれ、平均年齢も日本よりだいぶ若い。5年後、10年後を見据えた場合、海外ファンとのコミュニケーションはアニメビジネスに絡む上でも必然といえるだろう。
そこを、あま津うには突いた。 ──最初にInstagramに寄せられたコメントを覚えていますか?
あま津うに “cute”ってきました(笑)。最初の頃は、本当に全部海外からのコメントでした。Instagramをはじめた2015年12月にはフォロワーが10人だったんですけど、年明けの1月には800人までいきました。
──それが現在は8万弱のフォロワーになっていますね。そもそもInstagramを始めたきっかけは?
あま津うに 「あにめ系あーてぃすと」として自分を確立して、強みを持ちたかったのです。アニソンを歌うことも最初から目標にしていました。そのためには、まずファンをつけることだと考えました。
投稿をはじめた2年前、Instagramは海外のユーザー数が急上昇していて、Twitterよりも勢いがありました。それにTwitterは日本での人気がピークだと感じたので攻めるべきはここじゃないな、と。
それで、ユーザー層からいっても必然的に海外向けを目指すことになり、海外のアニメファンに向けてコスプレをはじめました。写真をアップするカルチャーは上手くはまって、「自分の活動領域はここしかない!」と思い、頑張って投稿を続けました。
──もともとアニメも好きだった?
あま津うに 好きです。『魔法少女まどか☆マギカ』の暁美ほむらちゃんは本当に大好きだし、誰よりも早くセリフを書き留めたくて劇場版を何十回も見に行きました。筋金入りです(笑)。
あま津うに 最初から言語でもコミュニケーションを取りたいとは思っていました。そのために独学で英語をひたすら勉強して、今は中国語にも挑戦中です。
あと、インドネシア語は絶対に学びたいです!
──それはまたどうして?
あま津うに 私のことをSNSで応援してくれた最初のファンがインドネシアの方々なんですよ。
「すごく可愛い子がいるからみんなフォローして!」と応援アカウントをつくってくれて、自分の周りの友達に宣伝してくれたり、学校のサークルで私を話題にしてくれたり。すごく嬉しかったです。
私も最初は0フォロワーから始めています。だからハッシュタグをたくさんつけて、1人でも多くの人に自分を知ってもらおうって。それでコメントがどんどん増えて……今もタグはけっこう使ってますね。
──必殺のタグってあるんですか?
あま津うに #animegirlですね。「アニメガール」という単語は、海外では「アニメの女の子のキャラクター」という意味で、このタグが付くのもイラストやアニメの絵がメインです。
2次元が好きな人って3次元をあんまり見ないかもしれませんが、あえて自分の写真を2次元のタグにまぎれ込せたら反響あるんじゃないかなと思ったんです。
──戦略的ですね。コメントも増えていきましたか。
あま津うに はい。そのうち長文でコメントをくれる人もいて。
すごく印象的だったのは「学校でいじめられていて行くのがすごく嫌だったけど、うにちゃんの写真や頑張っている姿を見てたら、自分も頑張らなきゃと思って学校に行けるようになったよ」という英語のメッセージが届いたときですね。
──それはうれしい!
あま津うに 私の誕生日のときも印象的で、1年目は普通に「おめでとう」という感じだったんですけど、2年目はみんなから「自分の国で歌ってほしい」とか、「今年はうにちゃんがアニソン歌手として活躍できることを本当に願ってる」と言ってもらえて。
それからは、たとえ自分がくじけそうになったとしても、みんながいる限り、立ち止まったらいけないなと思いました。「うにちゃんを見てたら元気になれたよ」という方もいますが、逆に私の方がみんなから元気をもらっているよと毎回感謝の気持ちを伝えたくなるほど、いつもパワーをもらっています。
“アニメソング界の帝王”こと水木一郎にはじまり、影山ヒロノブ、遠藤正明などのアニメ主題歌は、日本国内外のファンを掴み、イントロを聞けば「あの作品の歌だ!」と誰もが気づくような、数々の名曲が誕生した。
一方で、90年代後半からはJ-POPの人気アーティストがタイアップを組み、アニソンアーティストの領域に食い込みはじめた。最近では『アイドルマスター』や『ラブライブ!』などに見られる声優ユニットの興行的成功により、ますます活動の幅が減少している現状は否めない。
──肩書きに「あにめ系あーてぃすと」を掲げていらっしゃいますね。いわゆる「アニソンアーティスト」ではなく?
あま津うに 極論を言うと、アニメに関わる全ての領域を征服するつもりです! それも中途半端は嫌で、歌も、ステージパフォーマンスも、コスプレも、声優もちゃんとやりたいんです。
作詞も挑戦したいですし、キャラクターのデザインとかも。アニメ系のことならなんでもやっていきたいです。
──……なんでもやるとなると、いじわるな言い方をすれば、時間が足りないのでは?
あま津うに そうですね……最初に自分の軸にしたいのは「音楽」と「ファッション」です。
新しいファッションを開拓したいし、自分がファッションアイコンになりたいし、海外に自分のファッションブランドを立ち上げたいんです。例えば、猫耳がついたベレー帽とか、「2次元の子が買いたいと思える」というテーマを持ったファッションブランドをプロデュースしたいですね。
そのために、インスタで好きなユーザーのファッションを見たり、自分に似合う色や服を研究したり……2次元からは軸足をぶらさず、ひとつのファッションに固執せずに、かっこいい服を着たいときはかっこいい服を、かわいい服を着たいときはかわいい服を選びたいです。
とはいえ、まずはシンガーとして出発していきたいです。昔から音楽が好きで、日常に音楽がないと生きていけないんです。「この曲があったら絶対に何があってもくじけない」とか、そういうアーティストって自分の中にもいますし、自分も誰かにとってそうなれたらいいなという漠然とした憧れがありました。
それに、あにめ系あーてぃすととして活躍できれば、アニメと一番近い存在になれるんじゃないかなと思いました。 ──具体的にどんなジャンルの音楽をよく聴かれるんですか?
あま津うに アニソンはもちろん、アイドルも、70年代から80年代のジャズ、R&B、ロック、J-ROCK、J-POP、レゲエも……今はApple Musicで検索したら、どんなジャンルもほぼ聴けちゃうじゃないですか。
もともと洋画が好きなんですけど、作中にたくさんの音楽が使われてますよね。クラブミュージックからクラシックまでいろんな曲と出会えたのは映画のおかげです。クラシックピアノとダンスをやっていたのもあって、バッハやベートーベンは馴染みがありました。
──アニソンではなくてクラシックにルーツがあるんですね。
あま津うに はい。なのでピアノは得意です。ドラムとエレキギターもできるので、楽器で七変化するような驚きのある楽しいライブを将来はしてみたいな。
そんなふうに、ネットだけのバーチャルな世界で留まらずに、人から見られて飽きないことをずっとしていきたいです。
──その中で、デビューのパートナーとして、音楽制作会社のアップドリームと活動することを決められた理由を教えてください。
あま津うに 今までにも私と組みたいと言ってくださる方はいらっしゃったんですが、理由をお聞きすると、「Instagramのフォロワーが数万人いるから」だったり、「まずはこのジャンルにだけ専念しよう」と活動の幅を限定することが前提だったりして……。
でも、一度しかない人生、私は「あにめ系あーてぃすと」として、できることは全部チャレンジしたいんです。
そんな中、私を発掘してくださったプロデューサーの大島拓さんは、出会った瞬間に「あま津うにという新しいジャンルをつくりたいんだ」と、情熱を持っておっしゃってくださって。「この人こそ私の探していた人だ」と直感で思えました。
アップドリームには『ラブライブ!サンシャイン!!』 『弱虫ペダル』をはじめ様々なアニメ主題歌を手掛ける作曲家さんや誰もが知っている乃木坂46さんの人気曲を手掛ける作曲家さんなど、幅広いジャンルで活躍されている素晴らしい方々がたくさんいらっしゃいます。
音楽を本気でやるなら、この会社の方たちと一緒にやりたいな、と決めました。
あま津うに つい先日、1曲目が完成したんです!「これが私の求めていた曲だ」って、デモを聴いたときからすごく感動しました。
あま津うに 最終目標は、インドネシアとアジアの大きい会場で単独ライブをすることです。そうだな……2年後ぐらいに出来たらいいですね。自分が有名になって、実績をつくって、表の世界を引退した後にもやりたいことがあります。
──え……? 引退することって、すでに想定内なんですね。
あま津うに はい。
──デビューのインタビューで引退を明言するって珍しいですよ!(笑)
あま津うに 引退はそのときの状況にもよりますけど、自分の限界までいかなきゃいけないなと思います。というのも、引退後にやりたいことって、まずは自分が成功しないと出来ないことなんですよ。
大きな目標のひとつは「あにめ系あいどる」をプロデュースすること。「あにめ系あーてぃすと」として、アイドルをプロデュースする側にも回りたいんです。アーティストとしての実績がしっかりしていないと、プロデューサーとして説得力がないですから。
──目指しているアーティスト像ってありますか?
あま津うに 現実の誰にも属さない、誰系でもない、誰みたいとも言わせない……そういうアーティストになりたいと思っています。
そのためには、人に惑わされないで、自分の芯をちゃんと持っていられるかが大切だと私は思っています。『まどマギ』でも、絶望したら魔法少女は死んじゃうじゃないですか。だから私も死なないように、いつでも前に立って、希望を与える人でありたい。
だから他人がどうというよりは、良いと思ったものは尊敬しつつ、その人の良いところは盗んで、自分のオリジナルに変えていきます。誰かに勝ちたいのではなく、自分自身の限界と、自分に絶対負けないという芯をぶらさずに、このアニメ業界で魔法を使わずに頂点へ行きたいと思います。 ──あま津うにさんは、SNSやインターネットがあるからこそ、今ここにいるようにも感じます。もし、インターネットがなかったら、どうなっていたと思いますか?
あま津うに うーん……まずは人と絶対につながれていないですよね。歩いてしか人と出会うことはないし、インターネットがなかったらもっと海外に対して閉鎖的になってしまっていたと思います。
「海外の文化を何も知らないから怖い」とか、音楽も気軽に聴けないから「どんな文化なんだろう?」とか疑問には思うかもしれないんですけど、ここまで海外に行くぞとかにはならなかったと思います。
アニメもテレビだけじゃなくて、今は動画配信サービスで放送されるじゃないですか。海外のファンはそれでアニメを好きになったりもして……やっぱり、インターネットがなかったら私はこの時空に降り立ってはいなかったと思います。
──今日はありがとうございました。デビュー曲を聴けるのが楽しみです!
あま津うに 自分が今この立場にいられるのは、協力してくださっている方々や、アップドリームさん、そしてなによりも応援してくれてるファンの方々がいてこそです。日々、感謝の気持ちを忘れずに、「あま津うにをずっと応援したい」と思ってもらえるようなアーティストになれるように、これからも頑張りたいと思います。
今はグラニさんのスマホゲーム『黒騎士と白の魔王』の公式アンバサダーというお仕事もいただいているので、よかったらそちらも見てください!どんどん盛り上げていきたいと思っています!
Twitter/Instagramで人気度や求心力が可視化できる昨今、ムーブメントをつくってきたファッション雑誌ですら、読者モデルを決めるのにSNSにおけるフォロワー数をチェックするという。タレントや声優が企画に起用される際も、すでにファンがどれくらい付いているかを見られてしまう。
インスタグラマーはマーケティングの領域でも注目されており、1万フォロワーを超えれば自然と広告の依頼がくる現状、5万フォロワーを超えたらそれはもう立派なタレントだろう。
そんな中、自力で8万弱ものフォロワーを獲得し、その9割以上が海外のファンであるという特異な存在が、今回インタビューするあま津うにだ。
国内のオタク市場が踊り場に差し掛かる中、急速に拡大する海外ファンを明確なターゲットとしてコスプレをおこない、「あにめ系あーてぃすと」を自称してきた彼女。デビュー直前のタイミングで、彼女のことをひとつずつ紐解いていく。
取材・文:中山英樹 写真:山本哲也 編集:長谷川賢人
ファン第1号はインドネシア人。ツールとしてのコスプレとSNS戦略
2018年夏、アニメに関する海外イベントで大きな話題があがった。ロサンゼルスで開催された日本アニメの特化型イベント「アニメエキスポ」の来場者数が述べ35万超を記録したのだ。同時期に開催されたコミックマーケット92の来場者数が50万人だったことを考えると、驚異的な数値といえる(もっとも、アニメエキスポは会期が4.5日間だったため一概に比較できないが)。
筆者は海外イベントのライブに参加する機会もあるが、どこも大変な熱気だ。一糸乱れぬサイリウムの海に、完全に日本語で行われるコールアンドレスポンス。その場だけを抜き取れば、国内となんら変わらないコミュニティがそこにある。
インドネシアやタイといったアジアの国々は人口増加が今後も見込まれ、平均年齢も日本よりだいぶ若い。5年後、10年後を見据えた場合、海外ファンとのコミュニケーションはアニメビジネスに絡む上でも必然といえるだろう。
そこを、あま津うには突いた。 ──最初にInstagramに寄せられたコメントを覚えていますか?
あま津うに “cute”ってきました(笑)。最初の頃は、本当に全部海外からのコメントでした。Instagramをはじめた2015年12月にはフォロワーが10人だったんですけど、年明けの1月には800人までいきました。
──それが現在は8万弱のフォロワーになっていますね。そもそもInstagramを始めたきっかけは?
あま津うに 「あにめ系あーてぃすと」として自分を確立して、強みを持ちたかったのです。アニソンを歌うことも最初から目標にしていました。そのためには、まずファンをつけることだと考えました。
投稿をはじめた2年前、Instagramは海外のユーザー数が急上昇していて、Twitterよりも勢いがありました。それにTwitterは日本での人気がピークだと感じたので攻めるべきはここじゃないな、と。
それで、ユーザー層からいっても必然的に海外向けを目指すことになり、海外のアニメファンに向けてコスプレをはじめました。写真をアップするカルチャーは上手くはまって、「自分の活動領域はここしかない!」と思い、頑張って投稿を続けました。
──もともとアニメも好きだった?
あま津うに 好きです。『魔法少女まどか☆マギカ』の暁美ほむらちゃんは本当に大好きだし、誰よりも早くセリフを書き留めたくて劇場版を何十回も見に行きました。筋金入りです(笑)。
──熱量がすごい。コスプレ以外のコミュニケーションで決めていたことはありますか?
あま津うに 最初から言語でもコミュニケーションを取りたいとは思っていました。そのために独学で英語をひたすら勉強して、今は中国語にも挑戦中です。
あと、インドネシア語は絶対に学びたいです!
──それはまたどうして?
あま津うに 私のことをSNSで応援してくれた最初のファンがインドネシアの方々なんですよ。
「すごく可愛い子がいるからみんなフォローして!」と応援アカウントをつくってくれて、自分の周りの友達に宣伝してくれたり、学校のサークルで私を話題にしてくれたり。すごく嬉しかったです。
私も最初は0フォロワーから始めています。だからハッシュタグをたくさんつけて、1人でも多くの人に自分を知ってもらおうって。それでコメントがどんどん増えて……今もタグはけっこう使ってますね。
──必殺のタグってあるんですか?
あま津うに #animegirlですね。「アニメガール」という単語は、海外では「アニメの女の子のキャラクター」という意味で、このタグが付くのもイラストやアニメの絵がメインです。
2次元が好きな人って3次元をあんまり見ないかもしれませんが、あえて自分の写真を2次元のタグにまぎれ込せたら反響あるんじゃないかなと思ったんです。
──戦略的ですね。コメントも増えていきましたか。
あま津うに はい。そのうち長文でコメントをくれる人もいて。
すごく印象的だったのは「学校でいじめられていて行くのがすごく嫌だったけど、うにちゃんの写真や頑張っている姿を見てたら、自分も頑張らなきゃと思って学校に行けるようになったよ」という英語のメッセージが届いたときですね。
──それはうれしい!
あま津うに 私の誕生日のときも印象的で、1年目は普通に「おめでとう」という感じだったんですけど、2年目はみんなから「自分の国で歌ってほしい」とか、「今年はうにちゃんがアニソン歌手として活躍できることを本当に願ってる」と言ってもらえて。
それからは、たとえ自分がくじけそうになったとしても、みんながいる限り、立ち止まったらいけないなと思いました。「うにちゃんを見てたら元気になれたよ」という方もいますが、逆に私の方がみんなから元気をもらっているよと毎回感謝の気持ちを伝えたくなるほど、いつもパワーをもらっています。
「アニソンアーティスト」と「あにめ系あーてぃすと」は何が違う?
80年から90年代にかけて、アニメの主題歌を手がける歌手、現在で言う「アニソンアーティスト」が興隆した。“アニメソング界の帝王”こと水木一郎にはじまり、影山ヒロノブ、遠藤正明などのアニメ主題歌は、日本国内外のファンを掴み、イントロを聞けば「あの作品の歌だ!」と誰もが気づくような、数々の名曲が誕生した。
一方で、90年代後半からはJ-POPの人気アーティストがタイアップを組み、アニソンアーティストの領域に食い込みはじめた。最近では『アイドルマスター』や『ラブライブ!』などに見られる声優ユニットの興行的成功により、ますます活動の幅が減少している現状は否めない。
──肩書きに「あにめ系あーてぃすと」を掲げていらっしゃいますね。いわゆる「アニソンアーティスト」ではなく?
あま津うに 極論を言うと、アニメに関わる全ての領域を征服するつもりです! それも中途半端は嫌で、歌も、ステージパフォーマンスも、コスプレも、声優もちゃんとやりたいんです。
作詞も挑戦したいですし、キャラクターのデザインとかも。アニメ系のことならなんでもやっていきたいです。
──……なんでもやるとなると、いじわるな言い方をすれば、時間が足りないのでは?
あま津うに そうですね……最初に自分の軸にしたいのは「音楽」と「ファッション」です。
新しいファッションを開拓したいし、自分がファッションアイコンになりたいし、海外に自分のファッションブランドを立ち上げたいんです。例えば、猫耳がついたベレー帽とか、「2次元の子が買いたいと思える」というテーマを持ったファッションブランドをプロデュースしたいですね。
そのために、インスタで好きなユーザーのファッションを見たり、自分に似合う色や服を研究したり……2次元からは軸足をぶらさず、ひとつのファッションに固執せずに、かっこいい服を着たいときはかっこいい服を、かわいい服を着たいときはかわいい服を選びたいです。
とはいえ、まずはシンガーとして出発していきたいです。昔から音楽が好きで、日常に音楽がないと生きていけないんです。「この曲があったら絶対に何があってもくじけない」とか、そういうアーティストって自分の中にもいますし、自分も誰かにとってそうなれたらいいなという漠然とした憧れがありました。
それに、あにめ系あーてぃすととして活躍できれば、アニメと一番近い存在になれるんじゃないかなと思いました。 ──具体的にどんなジャンルの音楽をよく聴かれるんですか?
あま津うに アニソンはもちろん、アイドルも、70年代から80年代のジャズ、R&B、ロック、J-ROCK、J-POP、レゲエも……今はApple Musicで検索したら、どんなジャンルもほぼ聴けちゃうじゃないですか。
もともと洋画が好きなんですけど、作中にたくさんの音楽が使われてますよね。クラブミュージックからクラシックまでいろんな曲と出会えたのは映画のおかげです。クラシックピアノとダンスをやっていたのもあって、バッハやベートーベンは馴染みがありました。
──アニソンではなくてクラシックにルーツがあるんですね。
あま津うに はい。なのでピアノは得意です。ドラムとエレキギターもできるので、楽器で七変化するような驚きのある楽しいライブを将来はしてみたいな。
そんなふうに、ネットだけのバーチャルな世界で留まらずに、人から見られて飽きないことをずっとしていきたいです。
──その中で、デビューのパートナーとして、音楽制作会社のアップドリームと活動することを決められた理由を教えてください。
あま津うに 今までにも私と組みたいと言ってくださる方はいらっしゃったんですが、理由をお聞きすると、「Instagramのフォロワーが数万人いるから」だったり、「まずはこのジャンルにだけ専念しよう」と活動の幅を限定することが前提だったりして……。
でも、一度しかない人生、私は「あにめ系あーてぃすと」として、できることは全部チャレンジしたいんです。
そんな中、私を発掘してくださったプロデューサーの大島拓さんは、出会った瞬間に「あま津うにという新しいジャンルをつくりたいんだ」と、情熱を持っておっしゃってくださって。「この人こそ私の探していた人だ」と直感で思えました。
アップドリームには『ラブライブ!サンシャイン!!』 『弱虫ペダル』をはじめ様々なアニメ主題歌を手掛ける作曲家さんや誰もが知っている乃木坂46さんの人気曲を手掛ける作曲家さんなど、幅広いジャンルで活躍されている素晴らしい方々がたくさんいらっしゃいます。
音楽を本気でやるなら、この会社の方たちと一緒にやりたいな、と決めました。
インターネット・ジェニック世代のアーティスト像
──デビュー曲の打ち合わせは、もうはじまってるんですか?あま津うに つい先日、1曲目が完成したんです!「これが私の求めていた曲だ」って、デモを聴いたときからすごく感動しました。
──自分名義の曲ですもんね。それらの曲を引っさげて、出演したいイベントなどはありますか?
あま津うに 最終目標は、インドネシアとアジアの大きい会場で単独ライブをすることです。そうだな……2年後ぐらいに出来たらいいですね。自分が有名になって、実績をつくって、表の世界を引退した後にもやりたいことがあります。
──え……? 引退することって、すでに想定内なんですね。
あま津うに はい。
──デビューのインタビューで引退を明言するって珍しいですよ!(笑)
あま津うに 引退はそのときの状況にもよりますけど、自分の限界までいかなきゃいけないなと思います。というのも、引退後にやりたいことって、まずは自分が成功しないと出来ないことなんですよ。
大きな目標のひとつは「あにめ系あいどる」をプロデュースすること。「あにめ系あーてぃすと」として、アイドルをプロデュースする側にも回りたいんです。アーティストとしての実績がしっかりしていないと、プロデューサーとして説得力がないですから。
──目指しているアーティスト像ってありますか?
あま津うに 現実の誰にも属さない、誰系でもない、誰みたいとも言わせない……そういうアーティストになりたいと思っています。
そのためには、人に惑わされないで、自分の芯をちゃんと持っていられるかが大切だと私は思っています。『まどマギ』でも、絶望したら魔法少女は死んじゃうじゃないですか。だから私も死なないように、いつでも前に立って、希望を与える人でありたい。
だから他人がどうというよりは、良いと思ったものは尊敬しつつ、その人の良いところは盗んで、自分のオリジナルに変えていきます。誰かに勝ちたいのではなく、自分自身の限界と、自分に絶対負けないという芯をぶらさずに、このアニメ業界で魔法を使わずに頂点へ行きたいと思います。 ──あま津うにさんは、SNSやインターネットがあるからこそ、今ここにいるようにも感じます。もし、インターネットがなかったら、どうなっていたと思いますか?
あま津うに うーん……まずは人と絶対につながれていないですよね。歩いてしか人と出会うことはないし、インターネットがなかったらもっと海外に対して閉鎖的になってしまっていたと思います。
「海外の文化を何も知らないから怖い」とか、音楽も気軽に聴けないから「どんな文化なんだろう?」とか疑問には思うかもしれないんですけど、ここまで海外に行くぞとかにはならなかったと思います。
アニメもテレビだけじゃなくて、今は動画配信サービスで放送されるじゃないですか。海外のファンはそれでアニメを好きになったりもして……やっぱり、インターネットがなかったら私はこの時空に降り立ってはいなかったと思います。
──今日はありがとうございました。デビュー曲を聴けるのが楽しみです!
あま津うに 自分が今この立場にいられるのは、協力してくださっている方々や、アップドリームさん、そしてなによりも応援してくれてるファンの方々がいてこそです。日々、感謝の気持ちを忘れずに、「あま津うにをずっと応援したい」と思ってもらえるようなアーティストになれるように、これからも頑張りたいと思います。
今はグラニさんのスマホゲーム『黒騎士と白の魔王』の公式アンバサダーというお仕事もいただいているので、よかったらそちらも見てください!どんどん盛り上げていきたいと思っています!
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5件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:1721)
ラインライブ今日なにかな
匿名ハッコウくん(ID:1276)
可愛い
匿名ハッコウくん(ID:1265)
水色似合うーーー