『ウォーハンマー』体験レポート後編 自分で塗装したミニチュアを戦わせよう!

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『ウォーハンマー』体験レポート後編 自分で塗装したミニチュアを戦わせよう!
『ウォーハンマー』体験レポート後編 自分で塗装したミニチュアを戦わせよう!

塗って戦わせるミニチュアボードの魅力!

ミニチュアを組み立て塗装して戦わせるミニチュアゲームの世界。中でも世界的に愛されている『ウォーハンマー』を例に、この深淵な世界を覗き見ようという特集。

前編では、その成り立ちやカオスな世界観といった、基本的な部分をご紹介しました。

後半では、実際の塗装のやり方、ゲームプレイの流れを、体験レポートとしてお送りします。

作家・架神恭介が体験するミニチュアゲーム『ウォーハンマー』の世界

こんにちは、作家の架神恭介週刊少年チャンピオン『放課後ウィザード倶楽部』連載中アーススター「こころ オブ・ザ・デッド」連載中)です。ミニチュアゲーム『ウォーハンマー』を詳しく教えてもらうこの企画。前回はゲームの始め方やプレイヤーの状況、奥深く自由度の高い特徴などをご紹介いたしました。

今回は実際にミニチュアをペイントし、ゲームを体験したレポートをお送りします。

ミニチュアを塗ってみよう!

高円寺のミニチュアゲーム専門店「ジャイアントホビー」店長、竹内さんの指導を受けながら実際にミニチュアを塗ってみます。 今回はスピード最優先、特に凝ったことはせず、30分程でのペイントを目指します。 店員さんのペイントしたこちらのスケルトンを見本に塗っていくとのことですが…… 架神 ちょ、ちょっと待って下さいよ。これ、よく見たらすごいテクいことやってませんか? 骨も白一色で塗ってるわけじゃないですよね? 節々には細い黒色が入ってますし、ところどころ黄土色で塗られてるし。僕、すげえ不器用だし、こういうセンス全然ないんですけど!

竹内 大丈夫、大丈夫。できる、できる

架神 えええぇ。こんなの30分でできるのかなぁ……。

めちゃくちゃ不安ですが、ともかくスタートです!

1. まずは準備

・木の板

・キッチンペーパー

・水を入れる容器

・アルミホイル

筆と塗料、若干の工具の他に用意するものはたったのこれだけです。

木の板は要は作業スペースなので、汚れても良いものなら何でもOK。キッチンペーパーは筆の水分を吸ったり筆先を整えるために使用します。ティッシュは溶けるし埃が付くから不向き。アルミホイルはパレット代わりに使います。

2. 組み立てる

開封するとこんな感じ

パーツを切り離す

ガンプラと同じ要領です。ニッパーでライナーから切り離し、デザインナイフやヤスリでライナーの残りを削って平らにします。 凝るならパーティングライン(製造過程でできてしまう不要な出っ張り)を削ったりするけど、今回は省略します。

槍の中央に見える細いラインがパーティングライン、この出っ張りは本来は意図されていません

ポイント:簡単なミニチュアには説明書が付いてなかったりします。しかし、ライナーのどこで切り離せばいいのかよく分からない時もあるので、不安になったら多めに切りましょう。上の写真で言うと、スケルトンの足の下の横棒は実は切ってはいけないパーツです。 組み立てたらプラ用のセメントで固定します。腕の角度とかは自由に決めてオッケー。

ポイント:日本のガンプラほど親切ではありません。ハマるはずの場所がキツくてうまくハマらなかったりします。そういう時はナイフで削って緩くするなど柔軟な対処が求められます。

組み立て完了!

3. 下地をスプレーする

スプレーでフィギュアに下地剤を着けます。板に両面テープを張り、フィギュアをその上に立たせてスプレーします。家でやる場合はダンボールで囲むなどの汚れにくい工夫を!

下地の効果は、塗料の食い付きを良くする(プライマー)、表面を滑らかにする(サーフェイサー)などで、お化粧で言えばファンデーションのようなものです。 竹内さんのオススメは黒スプレー。「ミニチュアは小さいから塗り残しが出やすいけど、下地が黒なら塗り残し場所が影に見えるので初心者に特にオススメ」とのこと。 30~40cm程離して小刻みに噴き付けます。薄く、均一に、が理想。一箇所に噴き付けすぎると、その部分が水溜りのようになってしまい、せっかくの凹凸が埋まってしまいます。 ミニチュアをひっくり返したりして、いろんな角度から噴き付けます。

ポイント:どうしてもうまくスプレーが当たらない場合は、ムリに当てようとせずに下地剤を筆で塗った方が安全だったりします。筆塗り用の下地剤塗料も売ってます。

下地完了!

4. 塗ってみよう

塗装は4種類の技(「ベタ塗り」「ドライブラシ」「シェイド(ウォッシュ)」「レイヤリング」)の応用から成ります。今回は「レイヤリング」以外のテクを使っていきます。

竹内 ペイントの基本は暗い色の上から出っ張っているところに明るい色を入れていくことです。すると、影があるように見えて立体感が出ます。プラモと違って、いかんせんミニチュアは小さいので、自然の日光や蛍光灯だけでは影が足りないんです。

架神 はい! よく分かりません!

竹内 じゃあ、とりあえず骨の部分をこの茶色で塗っていってください(ベタ塗り)。はみ出ても構いません。 架神 えええ、骨だから普通は白ですよね?? こんな色で塗っちゃて大丈夫なんですか? 棒で塗料をかき混ぜてからすくい取り、パレット代わりのアルミホイルの上に取ります。少量の水で薄めてから…… ベタベタ塗ってみました。 架神 塗りましたけど……骨なのに全然白くないですよ?

竹内 では、次はこちらの塗料でシェイドをしてみましょう。 シェイドはちょっと粘性のある塗料です。塗るというより筆先に含ませて垂らす、というイメージで使います。溝に貯まると、そこがより暗くなり、溜まらなかった場所はそんなに暗くならないのでグラデーションが生まれるわけです。

べっちょり

架神 それはいいけど、さらに骨が白から遠ざかっちゃうんじゃ……。

やっぱり骨がさらに色黒に……

(((待つこと数十分)))

乾くと、陰影がよりハッキリしてきたのがわかります

竹内 では、次はこの塗料で、骨の部分にドライブラシをしていきましょう ドライブラシは乾いた塗料をこすりつけるテクニックです。筆にしっかりと塗料を含ませた後、キッチンペーパーでしっかりと拭き取ります。 筆にちょっとだけ塗料が残る状態にしてから…… 全体に筆を当てていきます。すると……骨がだんだん白くなってきた!!? さらに白の塗料で軽くドライブラシを重ねると…… 変テコな色だった骨が、見事な白骨死体に! シェイドをしたことで節々には黒い色が入り、ドライブラシの当たっていない場所はベースカラーの黄土色が残っています。なるほど~、こういうの、いちいち筆で塗ってたわけじゃなかったんですね。

ウォッシュもドライブラシも繊細な作業ではないので、不器用な僕でも問題なくできる!

ポイント:今回は「クリーム色」→「白」でドライブラシを重ねましたが、「白」のドライブラシをやりすぎると、最初に行った「クリーム色」が消えてしまいます。「白」はかるーくやるのがポイント。

5. 細かい仕上げをしたら完成!

できた!

盾と槍を塗ってシェイドを入れ、土台も塗ったら完成です! 乾燥時間を除けば実質作業時間は30分くらい。クソ不器用な僕が、たったの30分でこんなにそれっぽく塗れるだなんて!

ポイント:今回は「ベタ塗り」→「シェイド」→「ドライブラシ」の順番でやったけど、絶対にこの順番でやらなければならないということはなくケースバイケースです。

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