賄賂や交渉で環境(と自国の利益)を守れ! ブラックなボドゲ『京都議定書』

賄賂や交渉で環境(と自国の利益)を守れ! ブラックなボドゲ『京都議定書』
賄賂や交渉で環境(と自国の利益)を守れ! ブラックなボドゲ『京都議定書』

『京都議定書』/画像はホビージャパン商品ページから

POPなポイントを3行で

  • ブラックなボードゲーム『京都議定書』
  • 交渉と賄賂で環境問題を解決
  • 優先するのは地球か自国の利益か…
海外ボードゲームの販売/開発を手がけるホビージャパンが先日、とあるゲームを発表した。

その名も『京都議定書』。

プレイヤーたちは6つの大国の代表となり、「世界は環境崩壊の危機に瀕している」と主張する、いくつかの極めて不吉な論文について討論していくという。

ドイツのゲームメーカー・DEEP PRINT GAMESが『KYOTO』というタイトルで制作したゲームの日本語翻訳版となる。

環境問題への対策を約束した「京都議定書」をモチーフにしたボドゲ

「京都議定書」は、1997年に京都で開催された国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で採択された、温暖化に対する国際的な取り組みのための国際条約。

その会議や条約をテーマにしたボードゲーム『京都議定書』の概要は、ホビージャパンの商品ページに書かれた内容を見ると、なかなかに煽り性能が高い。

世界を救うことには大賛成だが、誰か他の者がやることはできないだろうか? 第一に考えるべきは自国の繁栄では? 他の国々を説得して、共通の環境目標を達成することもできるのでは? 結局のところ、地球は少々の気温の上昇には耐えられるのでは?
いずれにせよ、交渉の席についたときに大切なのは勝つことだけだ。しかし未来の話となると、勝利とは何を意味するのだろうか?

ゲームのコンセプトはかなりブラックな地球に優しくない内容のようだ。

言い換えれば、みんながゲームとしての勝ちを捨て、環境を保護しようと動くことができれば、それが本当の勝ちになる……かもしれない。

賄賂と交渉で環境問題を解決、優先するのは地球か自国か…

Kyoto - Teaser (English)
DEEP PRINT GAMESの公式サイトでは、すでに英語版のルールが公開されている(外部リンク)。

『京都議定書』では、最終的に最も豊かな国(=ポイントを稼いだプレイヤー)が勝利する。

しかし、その過程で環境へのダメージが限界に達してしまうと、たとえ貪欲に自国の富を優先して1位になったとしても、ランキングから除外されてしまう(明らかな過ちは、誰かが責任を取らなければならない)。

つまりは貪欲に利益を追い求めたことで、地球の環境が悪くなってしまい、その結果、得るはずだった富すらも手放すことになる、というのが基本ルールだ。

有力者の声にも耳を傾けないと

ボード/画像はホビージャパン商品ページから

そういった大枠を踏まえた上で、ゲームの進め方を説明すると、『京都議定書』では決められた回数の「交渉ラウンド」で、研究(討論)すべき環境問題(研究カード)を選択。

制限時間内に環境問題を解決すべく、各国は賄賂を贈ったり、自国の「豊かさカード」や資金を出し合いながら交渉を進めていく。

研究カード(上)、豊かさカード(下)/画像はホビージャパン商品ページから

交渉時に重要なのが、ゲーム開始時に配られる「アジェンダカード」だ。自国の有力者の声が書かれたこのカードに従わなければ、環境問題が解決したとしても、得られるポイント(=豊かさ)が少なくなってしまう。

アジェンダカード/画像はホビージャパン商品ページから

また、地球環境へのダメージが致命的な領域に達してしまった場合も、最終的に一番ポイントが高かった人(=最も自分の利益を優先した人)はランキングから除外される。

自国の利益と環境問題、どちらをどれだけ優先するのか、そのバランスが重要だがうまく立ち回ることができれば、地球の環境がめちゃくちゃになったとしても、他人に責任をなすりつけ自分は利益を得ることができるかもしれない。

詳細・正確なルールはホビージャパンの続報が待たれるが、このブラックなゲームをどうプレイするかで、その人の人間性が色濃く出てきそうだ。

※なおカードの名称などは、英語版ルールから訳したもののため、日本で発売される商品とは名称が違う可能性がある。

©2020 Deep Print Games GmbH.

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