竜巻で荒廃したアメリカの田舎町で暮らす若者を描いた『ガンモ』で若き才能として注目され、モノマネ俳優たちの共同生活の物語『ミスター・ロンリー』で世界的に評価されたハーモニー・コリン監督の最新作『スプリング・ブレイカーズ』。ハイテンションで好奇心旺盛な女子大生たちが、春休みにバカンスではっちゃけるためのある計画が引き金になり、これまで目にしなかった社会の裏側に入り込む、というこの作品。注目すべきは、クラブやビーチパーティーで流れる楽曲を、2012年、2013年とグラミー賞を獲得し、一躍世界的なミュージシャンとして広く知られるようになったskrillexさんが担当している点だ。冒頭から展開される、ビーチで享楽的に踊る若者たちのパーティシーンでは、人気楽曲の「Scary Monsters And Nice Sprites」が流れる。爆音効果もあいまって、ファーストシーンから一気に作品世界に没入することができるだろう。
NUMBER GIRLやゆらゆら帝国といった国内オルタナティブ・ロックバンドらと共に90年代〜00年代のロックシーンを牽引したバンド・bloodthirsty butchers。bloodthirsty butchers(ブッチャーズ)吉村秀樹、心不全により逝去の記事の通り、今年フロントマンの吉村さんを失ってしまった同バンドを追ったドキュメンタリー作品が本作だ。2010年に制作されたその内容は、ホームタウンである北海道から、台北まで彼らに同行することで、唯一無二のオルタナバンドのライブシーンや、舞台裏でメンバーが意見をぶつけあう生々しいシーンを描ききっている。孤高のロックバンドとしてもはや伝説的に語られている彼らのサウンドが、爆音で鮮やかに蘇る瞬間にはぜひ立ち会いたいものだ。
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