ジャニーズ会見の司会、記者NGリスト「ないものとして進行」と釈明

ジャニーズ会見の司会、記者NGリスト「ないものとして進行」と釈明
ジャニーズ会見の司会、記者NGリスト「ないものとして進行」と釈明

松本和也さん/画像は松本和也さんの公式X(旧Twitter)より

ジャニーズ事務所が、故・ジャニー喜多川さんの性加害問題を巡って10月2日に実施した会見に関して、司会をつとめた松本和也さんが10月6日に声明を発表した。

現在、この記者会見において、指名する記者/指名しない記者を記載した「NGリスト」が会場に持ち込まれていたことをNHKなどが10月4日に報じ、物議を醸している(外部リンク)。

ジャニーズ事務所「NGリスト」への関与を否定

会見に「NGリスト」が存在していたとNHKが報じた翌10月5日、ジャニーズ事務所は声明を発表。

同社はリストの存在を認めたものの、作成への関与を否定。会見の運営を委託したPR会社・FTIコンサルティングが、会見の前々日に打ち合わせした際に持ってきたものとした。

加えて、打ち合わせ当日、同席していた井ノ原快彦さんは「絶対当てないとダメですよ」と対応したと説明。「弊社は誰か特定の人を当てないで欲しいなどと言うような失礼なお願いは、決してしておりません」と釈明した。

また、FTIコンサルティングも声明を発表。「NGリスト」は「会見の円滑な運営準備のために弊社が作成し、運営スタッフ間で共有したもの」としており、「ジャニーズ事務所様は作成や運営スタッフへの共有を含め一切関与しておりません」と、ジャニーズ事務所の関与を否定した。

司会・松本和也、NGリストは「ないものとして進行」

今回、元NHKアナウンサーである松本和也さんの発表した声明は、前述したジャニーズ事務所とFTIコンサルティングの声明を受けてのもの。松本和也さんも、これらの声明は「間違いはない」と断言した。

その上で、「NGリスト」を司会の際に持っていたのか、そのリストに沿って当日質疑応答の指名を行ったのかについて経緯を説明。「NGリスト」は「ないものとして進行」したと釈明した。

また、質疑応答時の松本和也さんの「顔を覚えられなくなってきました」という発言が、「NGリスト」にある記者を指名しない(あるいは指名する)ためではないかと指摘されている件について反論も行なっている。

以下に、その全文を記載する。

松本和也さんの声明全文「10月2日の記者会見での司会につきまして」

皆様

記者会見の司会をしておりました松本です。

これまで、ジャニーズ事務所さまとFTIコンサルティングさまから発表されたコメントで間違いはないのですが、その後の報道や、メールなどでお問い合わせいただくことの多い以下の三点について、私からも具体的にご説明したいと思い、コメントさせていただきます。

報道されている「記者の顔写真入りのリスト」は司会のとき持っていたのか
指名はそのリストにそって行ったのか
私が、指名の途中に「顔を覚えられなくなってきました」といったのは、リストにある人の顔を当てないようにするためではないのか

以下、お答えして参ります。

1. 報道されている「記者の顔写真入りのリスト」は司会のとき持っていたのか

FTIコンサルティングさまから発表された通り、私の手元にありました。スタッフの人から会見の30分ほど前に渡され、顔写真が載せられているうちの何人かの記者やリポーターの方の座っている場所も伝えられました。

しかしその際、この順番でこの人に聞くようにという具体的な指示はありませんでした。

2. 指名はそのリストにそって行ったのか

行っていません。理由は、会見2日前の打ち合わせのときに、この記者は指名NGというやりかたはよくないという旨の井ノ原さんたちの発言を直接聞いていたからです。どんな厳しい質問に対してもできる限りきちんと答えたいという姿勢がはっきりと見られたので、会見ではそれを尊重すべきだと思ったからです。

そこで私は、会見が始まってすぐ、リストはないものとして進行することに決めました。

私が当日の司会のときに心がけていたのは、大きく二つでした。

1つは、2時間という限られた時間で多くの人に質問していただくため、一社一問の原則を守っていただき、端的な質疑になるよう導くこと。もう1つは指名はできる限り偏りのないようにすることでした。

一社一問の制限には議論のあることは存じています。ただ、そこは司会の立場の私には関われないところであり、決められた制約の中で、最善の進行をするしかないと思っていました。

指名のしかたは、私の判断で記者席全体をおおよそですが、9つのブロック(縦に3ブロック、横に3ブロックのマトリクスのイメージです)にわけ、一ブロックに一人指名したら、別のブロックにという形を繰り返すようにしました。最初は私から見て前寄り左側、次に前寄り真ん中、そして前寄り右側に座っている方の中から一人ずつ指名するようにしました。こうすることで、座っている位置の上での指名の偏りをなくすように努めました。

またあくまで見た目ですが、同じような属性(性別、年齢層など)の方が続かないようにもしていました。あくまで見た目での判断なので、完全にできたとは思いませんが、これを最後まで続けました。

この原則に則る中で、最初のほうは、同じブロックの中でも生中継のテレビの方は、わかる範囲で、先に指名していました。そのほうがそれぞれの中継放送の時間に間に合い、質問がオンエアされやすいと思ったからです。以降はその制限を外して指名しました。

そうしているうちに前方に座っていた記者の方のお二人が「指名されないのはおかしい、茶番だ」という声が出ているのも聞こえていました。

ただ、私からはそのお二人は指名されなくても大声で質問を繰り返し、東山さんや井ノ原さん、弁護士の方がそれぞれその質問に答える場面があったのを確認したため、最初の原則に則り、二度と指名はしないことにしました。アメリカではこのような会見の方法はない、というご意見も聞こえましたが、それもあの限られた時間の場では議論すべき点ではないと思い、別の方を指名するようにしていました。

追加質問は受け付けるべきだという声があるのも存じていますし、その必要性もわかっています。実は今回も追加質問をされている方を制止しなかったことも何度かあったと思います。それは、端的な質問のあと、登壇者の回答に対し、再び端的な質問をされたため、トータルの時間は長くなっていないと判断したためです。

また、目はあっていたけれど指名されなかったという記者の方の声も、ネットニュースで読みました。こればかりは、指名できなくて申し訳ありません、と率直に申し上げます。といいますのも、先に申し上げたとおり、なんとか偏りがないよう、「前に指名した方とは違う属性の方を選ぶ」という基準でその場その場で判断していたため、そうなってしまったのだと思います。

ただ、厳しい質問をする方を避けようという思いは全くなく、どなたが厳しい質問をするのか、そもそも厳しい質問とはなにかという部分も考えないようにして、とにかく偏り無く、端的に進行していくという一点に仕事の目標を置いていました。そこはご理解いただければ幸いです。

3. 私が、指名の途中に「顔を覚えられなくなってきました」といったのは、リストにある人の顔を当てないようにするためではないのか

この私の発言は皆さんの誤解を招くものだったと反省しています。この発言は、一度指名した方を指名しないよう覚えていなければならないのに、それが判別しきれなくなったという意味でした。

というのも、会見も後半になるとお恥ずかしい話ですが集中力が切れてきたのか、既に指名した方が見分けにくくなってしまい、特にマスクをした方などは皆同じ顔に見えるような感じになってきました。そこで思わず「顔が覚えられなくなってきました」と言ってしまいました。その発言のあと、ある女性を指名しようとしたとき、「(指名は)初めてですよね」と言っていることからも、一度指名した方を指名しないようにという意図だったことはわかっていただけると思います。

決してリストに載っていた顔が覚えられないという意味で言ったのではないことは、はっきりさせておきたいと思います。

以上が私の回答です。水曜以降、電話は鳴り続け、夜中まで次々と記者の方が自宅までお越しになり、今日も家の近くで記者の方らしい人がずっと立っています。お仕事ですからしかたないとは思いますが、上記のような回答でご納得いただければ幸いです。

このコメントで、私からの情報発信は最後といたします。以後は、FTIコンサルティングさまにお問い合わせいただければ幸いです。ご協力をお願いいたします。

株式会社マツモトメソッド 松本和也 株式会社マツモトメソッドのプレスリリース

SHARE

この記事をシェアする

Post
Share
Bookmark
LINE

ジャニーズの記者会見を振り返る

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。

コメントを削除します。
よろしいですか?

コメントを受け付けました

コメントは現在承認待ちです。

コメントは、編集部の承認を経て掲載されます。

※掲載可否の基準につきましては利用規約の確認をお願いします。

POP UP !

もっと見る

もっと見る

よく読まれている記事

KAI-YOU Premium

もっと見る

もっと見る

エンタメの週間ランキング

最新のPOPをお届け!

もっと見る

もっと見る

このページは、株式会社カイユウに所属するKAI-YOU編集部が、独自に定めたコンテンツポリシーに基づき制作・配信しています。 KAI-YOU.netでは、文芸、アニメや漫画、YouTuberやVTuber、音楽や映像、イラストやアート、ゲーム、ヒップホップ、テクノロジーなどに関する最新ニュースを毎日更新しています。様々なジャンルを横断するポップカルチャーに関するインタビューやコラム、レポートといったコンテンツをお届けします。

ページトップへ