映画館「吉祥寺プラザ」2024年1月で閉館 改修に当てる収益確保が見込めず

映画館「吉祥寺プラザ」2024年1月で閉館 改修に当てる収益確保が見込めず
映画館「吉祥寺プラザ」2024年1月で閉館 改修に当てる収益確保が見込めず

2024年1月末で閉館する吉祥寺プラザ/画像は「映画の時間」同館情報ページより

吉祥寺の老舗映画館・吉祥寺プラザが、2024年1月31日(水)をもって閉館することが明らかになった。上映は閉館日まで通常通り行われる。

9月12日、運営会社・東興映画の代表取締役社長・友寄憲二さんは発表で、「館内設備老朽化による大規模改修に充当する収益の確保を見込めず」閉館を決定したと説明。

近年の設備面の不備にも触れつつ「それでも当館のご利用を楽しみにして下さるお客様に支えられて幸せな<映画館としての>晩年を走り抜かせていただきました」と感謝を述べた。

最後は「かつては東京中に存在した1スクリーン単独館で見る新作映画をぜひお楽しみ下さい」と呼びかけている。

1スクリーン全席自由席の映画館「吉祥寺プラザ」

閉館のお知らせ/画像は吉祥寺プラザ公式サイトより

吉祥寺プラザは1978年開館(※)。吉祥寺駅北口から徒歩7分、サンロード商店街を抜けた先、五日市街道沿いにある。現在は珍しい1スクリーン・全席自由席(216席)の映画館だ。

ファミリー向け作品を中心に、幅広いジャンルの映画を上映。筆者も2023年4月、この劇場で『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』を観たばかり。

吉祥寺プラザで筆者が撮影した『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の宣伝パネル

開館当初は「吉祥寺東映」という名の東映系の劇場だったが、スタジオジブリ制作の宮﨑駿監督による東宝系劇場アニメ『もののけ姫』(1997年)を上映するため、現在の「吉祥寺プラザ」へと館名を変更した。

日本映画映像文化振興センターの吉祥寺プラザ・専務へのインタビューによれば、当時は前日まで東映の映画『失楽園』で満員御礼だったため、同館の決断は業界を驚かせたという(外部リンク)。

また、最近ではTVアニメ『呪術廻戦』にモデルとなった映画館が登場している。

※「吉祥寺東映劇場」時代も含めると1950年代に開館との情報もある(外部リンク)。

オデヲンとアップリンク、吉祥寺の映画館は2つに

吉祥寺の映画館としては、吉祥寺オデヲン、吉祥寺バウスシアターと並び、多くの映画ファンや地域住民に愛されてきた吉祥寺プラザ。

閉館の発表でも「開館以来、地域の方々、取引先各位の厚いご支援の元、皆様に喜ばれる作品の上映を心掛けて参りました」と振り返っている。 なお、ライブハウスの音響システムで映画を上映する「爆音上映会」など、独自の試みで知られた吉祥寺バウスシアターは2014年5月に閉館。

そのため、吉祥寺プラザの閉館に伴い、2024年2月以降、吉祥寺の映画館は吉祥寺オデヲンとアップリンク吉祥寺となる。

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