漫画『続く道 花の跡』AI時代との共時性──「仕事を機械に取られるかも」

『続く道 花の跡』/画像は「少年ジャンプ+」より

漫画家・ななせ悠さんの67ページの読切漫画『続く道 花の跡』が、Webサイト/アプリ「少年ジャンプ+」で6月16日に掲載された。

今はもうなき職業・計算手を巡る物語

『続く道 花の跡』は、電子コンピュータ(電子計算機)が実用化される前に存在した、今はなき職業・計算手たちを描いた作品。

本作の舞台は、日本で電子計算機が開発される前の日本。主人公の中村美樹子が、カメラのレンズをつくるとある会社(※)に計算手(手書きで計算をする人)として就職するところから物語は始まる。

高等女学校(旧制の女子教育機関)を卒業していた中村美樹子は、その資質を買われ、当時アメリカで先んじて実用化されていた、電子計算機(作中で中村美樹子はフリップちゃんと読んでいる)の開発実験に協力することになる。

(※)余談ではあるが、日本で初めて稼働したコンピュータは、富士写真フイルム(現・富士フイルム)の「FUJIC(フジック)」である。「FUJIC」は現在、『続く道 花の跡』の作中でも登場した、東京・上野の国立科学博物館に保存されている。

「仕事を機械に取られるかも」──AI時代との共時性

本作では、物語が進んでいく中で、計算手たちの「仕事を機械に取られるかもしれない」という不安や葛藤が描かれていく。

OpenAI社が開発するAIチャットボット「ChatGPT」や画像生成AIといった生成系AI(ジェネレーティブAI)が急速に普及し、「仕事をAIに奪われるのではないか?」という懸念も囁かれている昨今。

題材こそ違えど、『続く道 花の跡』で描かれているテーマには、このAI時代の黎明期と共時性がある。

全64ページとそこまで時間もかからず読めるので、「AIに仕事が奪われる」ことに不安に感じている人もそうでない人も、ぜひこの読切漫画を読んでみてほしい。

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