寺田てらインタビュー もう絵を描くだけじゃない、変化するイラストレーターの実情

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機材で活動が制限されるのはもったいない

──寺田てらさんがPCや機材を買う上で気にしているポイントは何でしょうか。

寺田てら 私のように仕事で使うことを考えると、やはりスペックが高いに越したことはないです

私もPCに詳しいわけではないですが、グラフィックボードとメモリ、ストレージなんかは高スペックなものを選びますね。とりあえず強ければ強いほど良い、みたいな。

特に最近はイラストレーターでも映像や3Dなど様々なデータを扱うことが増えてきていると感じるので、スペックは昔以上に重要だと思ってます
寺田てらさんが初めて発売したアバター
──実際に絵を描いていて特にPCスペックが高くて良かったと感じる部分はなんでしょうか。

寺田てら 基本的には、やっぱりブラシストロークの反応の早さ、レスポンスですね。一番使う機能ですし、これが遅いと仕事になりません。

──そういった制作上のメリットを実際に見ていただいて、「DAIV」をおすすめできそうなクリエイターはどういった方だと思いますか?

寺田てら 動画をつくっている人には是非ハイスペックなマシンで制作してほしいですね。あとはやっぱりバーチャルYouTuberさんでしょうか。

静音へのこだわりもそうですし、3Dなどスペックを要求される機会が多いクリエイターさんにおすすめだと思います。

特に最近はさえきやひろちゃんみたいに、イラストを描きながら自分で撮影から編集までやっちゃう人もいますし。

──実は今回、さえきやひろさんにも「DAIV」を体験してもらってるんです。

寺田てら え~! まさにじゃないですか!本当にピッタリだと思います。 ──マルチタスク化もそうですが、今はPCのスペックで制作の幅も大きく変わりそうですね。

寺田てら 昔の私がまさにそうで、マシンスペックが足りなくて映像がつくれないとか、機材の壁によくぶつかっていて。モチベーションがあるのにスペックが足りなくてできないって一番悲しいことだと思います

やる気があるときにそれを気軽に実践できるようなマシンがあると、制作のハードルはかなり下がると思いますね

──特に今は無料でハイクオリティな制作ソフトが多く出てきています。ソフトの自由度が相当上がってきているので、それを動かせるハードを持っているかは、今後もより重要になってきそうですね。

寺田てら そうですね。私も活動を通して周りのクリエイターさんを沢山見てきた中で、新しいジャンルに挑戦したことで才能を開花させた方が多くいらっしゃいました。

ハードルが下がっているからこそ、それを試せる、実現できる制作環境は絶対に必要だと思います

最初に少しお金はかかっちゃいますが、プロはもちろん、プロを目標にする方にとっても土台を整えていくことは大事だと思います。あとPCってしょっちゅう買いかえるものでもないので、最初にある程度良いものを買っておこうという考え方もあると思います。 ──初期投資としてしっかり良いものを揃えたいですね。

寺田てら あと、さっきは映像や3Dなどの例を出しましたが、イラストでもマシンパワーが必要なケースはあります

タイアップの案件では、掲載される場所によってはB0サイズなどの大判出力を行う必要があります。そういうケースでは数万ピクセルの解像度で描かないといけないのでかなりのマシンパワーが必要ですね

実際に私も、クライアントさんから「こういうサイズでお願いしたいんですけど、機材的に可能ですか?」と聞かれることがあるので、スペック不足でそもそも受けられない……みたいなことになるとキャリアとしてはもったいないですよね

制作のお供はコーヒー!飲み過ぎには注意

──機材以外での作業環境へのこだわりはありますか?

寺田てら できるだけデスク周りはシンプルにして、物を置かないようにしています。とにかく集中できるように、デスクもできるだけ綺麗に整理してます。だから左手デバイスなども今のところ導入しておらず、キーボードのショートカットを利用してますね。

あとは、とにかく長時間机に座って作業するので腱鞘炎などにはならないように気をつけてます。液タブも斜めに立てて使うと私の場合は身体への負荷が大きいので、ほとんど倒している状態で使ってますね。
寺田てらさんが実演付きで出演したイラストの授業
──制作ツールはPhotoshopということでした。線画系メインの方だとCLIP STUDIO PAINTを導入するケースもあるかと思いますが、こだわりなどはありますか?

寺田てら 単純に新しいことを覚えるのがめんどくさいっていうのが大きいです(笑)。Photoshopはもう10年以上使っていますし、手に馴染んでますね。

──自宅以外で制作を行う機会はありますか?

寺田てら 実際に描く作業は自宅のみで完結させてます。ただもちろん、気分転換に出かけたり、アイデア出しでノートやスマホにメモを残すこともあります。

イメージを構想する時は外を歩くことが多いかもしれません。もちろん資料探しなどはPCで行う方が便利ですが、ずっと家にいると考え込んじゃうこともあるので。

──スマホはあくまでもアイデアメモであって、絵を描くわけではないんですね。

寺田てら 出先でデジタル絵を描く方もいるとは思いますが、私は調べ物でしか使わないので、スマホで充分かなと思ってます。

──他に制作時のおともなどはありますか? お菓子や飲み物など。

寺田てら 最近はとにかくコーヒーですね! コーヒーマシンを自宅に導入したのですが、ハマってしまってずっと飲んでいます。

一時期は飲みすぎて気持ち悪くなっちゃったのですが、これがあるとモチベーションに繋がります。今も横に置いてます! ──お話を聞いていく中で、制作環境を整えていくための色々な工夫をされていることがわかりました。

寺田てら もちろん最初から今の環境をつくっていたわけではなく、その時その時に何かしらの課題があって、それを解決していったら自然と今の状況になっていきました。これからも自分の理想に近づけるために色んな試行錯誤は続くと思いますね。

イラストは見るだけでなく、体験する時代に

──寺田さんが現在のキャリアを築かれた中で重要な要素として、タイアップやグッズ展開があると思います。求められるものと描きたいものの違いなどについて、気をつけていることはありますか?

寺田てら お仕事の場合は当然期待に応えないといけないので、求められていることについてはしっかりとヒアリングを行います。私は恐らく制作速度がかなり早いので「こんなに簡単でいいのかな」みたいな葛藤を常に感じて、表現はずっと模索している状態です。

特に去年からは作風についてもっと新しい角度からのアプローチができないかを考えていて、今までとは違う層にも絵を見てもらいたいなと考えてますね。

具体的には描き込みを増やしたり、サブカル感を少し強めたり。もちろん趣味全開になるとお仕事ではハレーションも起きるので、そこは両者のバランスをどれくらい入れていくか調整しています。

寺田てらさんが自身のTwitterに投稿したイラスト/画像は寺田てらさんTwitterから

──寺田さんは最近、3Dモデルを出したりライブドローイングもされたりしていますが、それも表現方法の模索としてチャレンジされているのでしょうか。

寺田てら そうですね。どうしてもイラストって一度見てそれで終わりとなってしまうところがあるので、ライブ感のあるコンテンツへの憧れのようなものはあります

ゲーム、映像、VTuberなどが良い例ですが、時間をかけて体験するものってエンターテイメントとしての没入感が全然違いますよね。私も音楽のMVに関わっていて、特に実感しています。
寺田てらさんがイラストをてがけた「ダダダダ天使」MV
寺田てら 私自身のモチベーションもありますが、世の中の体験的なコンテンツに対する需要が高まってきている部分もあると思います。以前よりもイラストレーターのメディア露出は増えていますし、SNSの影響で「中の人」への関心も増えていますね。

──VRといえば、最近は3Dモデルを参考資料としても使っているのでしょうか?

寺田てら モデラーさんからVRMのファイルをいただいたので、動かして遊んでいますね。今は色んなモデルを入手しやすくなっているので、配置してポーズを付けたり、作画資料としても重宝します

3DのファイルはWindowsの方が触りやすいので、そういった面でも「DAIV」を使う利点はあると思います。 ──最後に、これからクリエイターを目指す方に向けて機材や制作環境についてのアドバイスなどを一言お願いできるでしょうか。

寺田てら 繰り返しになりますが、色んなことができる環境はとても大事なので、マシンスペックは良いに越したことはないです

機材は安くはないので購入に躊躇することはあると思います。実際、私も貧乏性な面はありますが、長い目でみると良い環境で作業をした方が絶対に得だと思います。

少しでも興味が出たことにどんどん挑戦していけるのが大事で、やってみたら結構上手くできちゃったなんてことも多いです。そんな風に自分の表現を拡張していく人が増えるといいなと思っています。 新しくなった「DAIV」の性能をチェックする
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