連載 | #385 ポップな画像を紹介してみた

命が宿る“廃材”アート 「もったいない」が生んだ再生師 加治聖哉の作品

命が宿る“廃材”アート 「もったいない」が生んだ再生師 加治聖哉の作品
命が宿る“廃材”アート 「もったいない」が生んだ再生師 加治聖哉の作品

廃材再生師の加治聖哉さんが制作した作品「神籬(ひもろぎ)」/画像はすべて加治聖哉さんの提供

社の中からこちらを睨みつけるような山犬。画面越しでもその威厳がひしひしと感じられる。

「神籬(ひもろぎ)」と名付けられたこの作品を制作したのは、廃材再生師の加治聖哉さん。

作品の大きさは4mほどあるのだろうか。身長174cmのご本人が背に乗れるほど頑丈でもある。 この作品の他にも、ザトウクジラやカジキマグロなどの動物を廃材から、しかも原寸大でつくり出している加治聖哉さんに、制作をはじめたきっかけやこだわりを聞いた。

【画像】廃材再生師・加治聖哉さんが生き返らせた作品たち

「もったいない」から生まれるアート

躍動感あふれるカジキマグロ。はじめて金属を取り入れたという作品。経年劣化で表情が変わるそうだ。

全長約20m、高さ3.8mのザトウクジラ。新潟県長岡市の栃尾地域巻渕二丁目、国道290号沿いの刈谷田中学校の下にある田んぼで制作された。

役目を終え、死んでしまった「廃材」たちに、もう一度、「生命」を吹き込む”をコンセプトに活動している加治聖哉さん。

廃材から作品をつくるようになったきっかけは、大学生の頃の家具製作の授業で目にした“まだ使える材料”だったいう。

「大学の頃、建築生の家具制作の授業で、完成した家具たちの裏で無造作に捨てられているまだ使える材料を見て、もったいないと感じたんです。そこからなにか出来ないかと考え始めました」(加治聖哉さん)

いまは地域の工務店や飲食店などから廃材を譲り受けて制作の材料にしているとのこと。

冒頭に紹介した山犬の作品「神籬」は、納得の行く毛並みを表現する材料を探すのに苦労したそうで一時制作を中断。最近になってお眼鏡にかなう材料「片栗粉の空箱」を手に入れることができ、完成へと漕ぎつけたそうだ。

幻獣と呼ばれる伝説上の動物もつくりだす

ここまで紹介してきたように、作品となっているモチーフの多くは加治聖哉さんの好きな動物から選ばれている。

どの作品にもかなりの迫力があるが、「最近は恐竜や幻獣、神として祀られる動物も作りたいと思い、神籬を制作しました。また、シンプルに大きいに山犬に乗ってみたいという気持ちもあってつくりました」とのこと。

コロナの終息と泰平の世を願って制作された麒麟。

過去には中国の神話に登場する伝説上の生物・麒麟も手掛けているが、今後はこうした作品も増えていくようだ。

TwitterとInstagramでは連日作品やイベントの出展情報が公開されているため、気になる方はフォローをオススメしたい。

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