連載 | #21 コミックマーケット91

【C91】夏コミ席巻した島本和彦『シン・ゴジラ』本の勢い衰えず「初のシャッターになりました」

【C91】夏コミ席巻した島本和彦『シン・ゴジラ』本の勢い衰えず「初のシャッターになりました」
【C91】夏コミ席巻した島本和彦『シン・ゴジラ』本の勢い衰えず「初のシャッターになりました」

島本和彦先生@「コミックマーケット91」の「ウラシマモト」ブースにて

年末の祭典「コミックマーケット91」(C91)が無事閉幕しました。

最終日にあたる12月31日(土)、筆者は真っ先に漫画家・島本和彦先生のサークル「ウラシマモト」を訪ねました。というのも、前回の「夏コミ」を席巻した、映画『シン・ゴジラ』の同人誌『アンノ対ホノオ』の続編が頒布されるというからです。

「ウラシマモト」は、ビッグサイトの拡張工事が完了して新設された「東7ホール」の配置。行ってみると、「夏コミ」のような、どこが列の最後尾か誰にもわからない混沌状態、ではなく、大勢のスタッフによる整然とした頒布が行われていました。

島本先生曰く、「2000年からサークル参加するようになって、はじめてシャッター前になった」とのこと。そんなブースの様子や、当日島本先生に直撃した夏の大騒動の舞台裏から続編である『ザ・ツイート・オブ アンノ対ホノオ』前後編についてのお話をお届けします。

夏コミから衰えず、「ウラシマモト」には数百人の長蛇の列

8月に開催された「夏コミ」は、『シン・ゴジラ』の上映開始直後ということもあり、庵野秀明監督の大阪芸術大学時代の同級生にして盟友である島本和彦先生による同人誌『アンノ対ホノオ』人気が爆発。東ホールが混沌のるつぼと化した、と言っても過言ではありませんでした。 さらに、コミケの翌日には、島本先生の発言が発端となって開催が決まった『シン・ゴジラ』の「発声可能上映」が開催され、そちらも大いに盛り上がりました。 そんな盛り上がりを受けてか、今回の「ウラシマモト」は初のシャッター前。「シャッター前」とは、即売会用語で、他のサークルとひとかたまりになった「島」サークルや、列ができやすいため会場の外縁に配置された「壁」サークルなどよりもさらに大手、シャッターの前に配置して会場の外に列を形成させるサークルのことを指します。

他のホールと異なり、新設された東7ホールはシャッター自体の面積が小さく、そのため1サークルにつきシャッター1箇所という形式で配置されていました(通常、大きなシャッター1箇所に2サークルのブースを配置)。

東7ホールのシャッター

会場の内側から見ると、そこまで人が多いわけではないように見えるのですが、会場の外に出て「ウラシマモト」列を覗いてみると、尋常ではない列が形成されていることがわかりました。 最後尾はどこかスタッフさんに聞くと「最後尾? ずーっと先の方にありますよ」と、不敵な笑みでコメント。確かに、その列を辿ってみると、筆者がいた11時前の時点で、目算で500メートルを優に越える長蛇の列であることがわかります。

左側が「ウラシマモト」の列。まだずっとこの先にも後ろにも続いています

もちろん、他のシャッターサークルや人気の企業ブースもそれくらいの列を形成することはコミケでは当たり前の光景ですが、『シン・ゴジラ』そして島本和彦先生の同人誌人気が、上映開始直後の夏に比べても衰えていないことがうかがえます。

最後尾のプラカードを掲げるスタッフさんも「何人並んでいるのか数えている余裕もない」とのこと。少なくとも数百人規模ではあったはずです。

「夏コミ」と同じく、この日も朝からブースには、島本和彦先生自身のお姿が。開催の数日前、ギリギリまで原稿と格闘する様子をツイートされていた先生ですが、当日はお元気な様子。タフすぎる先生に、今回も直撃取材をさせていただきました。
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1件のコメント

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nimnao

にいみなお

ようやく発売した『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』の感想を読むに、そちらにも「いかに庵野総監督が現場に出張ってきてスタッフも困惑したか」ということが克明に書かれているそうで、島本先生のこの証言とも一致する。

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