『地獄楽』『ペンギン・ハイウェイ』などで知られるアニメ企画制作会社・ツインエンジンは3月18日、新たに「スタジオクロマト」「くるせる」という2つのスタジオの設立を発表した。
スタジオクロマトは、TVアニメ『呪術廻戦』第1期OP映像や、『ポケットモンスター ソード・シールド』のオリジナルアニメ「薄明の翼」を手がけたクリエイター・山下清悟さんが中心となって設立された。
くるせるは、長年数多くの映像制作会社でキャリアを積み、アニメーションプロデューサーとして制作現場を統括してきた江波和樹さんを代表とし発足した。
くるせる
山下清悟が新たな表現を目指す「スタジオクロマト」
スタジオクロマトの代表をつとめる山下清悟さんは、前述した通り、話題作への参加で大きく注目を集めているクリエイターだ。
アニメーターとして、演出、作画、3D、撮影など幅広い技術に強みを持つ。制作における様々なセクションを横断することで、総合的なシーンづくりを特徴としている。
近年、そのクリエイティブはTVアニメのOPやEDで発揮されることが多い。『チェンソーマン』や『うる星やつら』（1期）、『盾の勇者の成り上がり』（3期）などのOP映像で、作品性を踏まえながら視聴者に新たな体験を提供している。
新たに設立されたスタジオクロマトでは、アニメ制作のジェネラリストたちが集結し、今までに誰も見たことのない映像表現を目指す。
加えて、設立にあたって山下清悟さんは「アニメーションが本来持っている多彩で魅力的な（もしくは忘れ去られた）色を最大限引き出すためのオリジナルIPを開発していきたい」とコメントしている
株式会社スタジオクロマト
代表取締役・山下清悟さんコメント
借り物ではない、魅力的なオリジナルアニメを作りたい。そして視聴者に感動してほしい。アニメって面白い表現なんだ、と子供のころのように興奮してほしい。
現代の娯楽のあふれる時代において、それはとても難しいことだとわかっています。不可能ともいえる的を掲げ射抜くために、株式会社スタジオクロマトを立ち上げました。
スタジオクロマトはアニメーション監督である山下清悟を中心に、作画だけにとらわれないジェネラリストたちが集まった会社です。
「手描きアニメーションのための 3D」をチームとして練り上げ、今まで見たことのない映像表現を目指します。
また、アニメーションが本来持っている多彩で魅力的な（もしくは忘れ去られた）色を最大限引き出すためのオリジナルIPを開発していきたいと思います。
プロデューサー江波和樹が代表をつとめる「くるせる」
もう一つの新スタジオ・くるせるの江波和樹さんは、多くの映像制作会社を経験し、包括的な制作体制の構築に長ける人物。
2016年に株式会社レヴォルトを設立して以降、プロデューサーとして数々の作品、制作現場を担当してきた。
代表作には『バビロン』『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』『転生賢者の異世界ライフ 〜第二の職業を得て、世界最強になりました〜』などを持つ。
くるせるでは、「つくる・みせる」をスローガンにさらなる「新しい視聴体験」を追求。「『絵が動いて音と共に物語を伝える』根源的なメディアとしてのアニメーションを解体・再構築し映像全盛のこの時代でも最先端を狙い続け、視聴者の心にわくわくや感動を届ける」としている。
株式会社くるせる
代表取締役・江波和樹さんコメント
「つくる・みせる」をスローガンにさらなる「新しい視聴体験」を追求し皆さんの心に印象づく、そんな時代の転換点となる映像を制作していくことを目標として、私どもはこの度、株式会社くるせるを設立させていただく運びとなりました。
日々進化を続けているデジタルデバイスやツール、ネットワークの発展に合わせたアニメーションワークフローの開発や、スタジオ内製率を高める事による人材育成を強みとして、“つくる”ことをより自然に、“みせる”映像表現を意識したアニメーションづくりを行うことが、私どもの存在意義と考えています。
誰もがスマートフォンやパソコンを持ち、何処でもコンテンツに触れることができる現代において、「絵が動いて音と共に物語を伝える」根源的なメディアとしてのアニメーションを解体・再構築し映像全盛のこの時代でも最先端を狙い続け、視聴者の心にわくわくや感動を届けるべく。
常にアップデートを心がけ、新しい物語を新鮮な感動と共にお届けすることを約束します。
アニメスタジオ17社が所属するツインエンジン
ツインエンジンは、フジテレビのアニメ枠「ノイタミナ」を長年率いた山本幸治さんが2014年に設立。
アニメ企画の立案、オリジナルIPの開発、宣伝戦略やビジネススキームの構築を行うほか、スタジオコロリドやジェノスタジオ、スタジオカフカなど、グループ内に複数のスタジオを有しているのも特徴だ。
同社は1月にも、新スタジオとして株式会社NAGOMI（ナゴミ）の設立を発表。今回の2社の設立で、合計17社のアニメスタジオが所属するグループとなった。
ツインエンジングループ
株式会社ツインエンジン
代表取締役・山本幸治さんコメント
年明けの新スタジオ「NAGOMI」の立ち上げに続き、さらに２つのスタジオの旗揚げをすることになりました。
ツインエンジンは節目となる創業10年を迎え、未来に向けた新しいうねりを作って行きたいと思います。
スタジオと共に丁寧な作品作りと発信を続け、信頼を得られるよう精進して参ります。
0件のコメント