「神椿代々木決戦二〇二四」2日目ライブレポート 花譜、そして廻花が挑む新たな物語

変わっていくものと変わらないもの

「小さなころの優しい記憶に胸がキュッとなる時の曲です」

そう告げて始まったのは「スタンドバイミー」。柔らかなピアノの音色と透き通るような歌声が美しく重なり合い、聴く者全てを癒すような優しい旋律が響き渡っていく。心の隙間にそっと染み入る歌声は、どんな姿になっても変わらない彼女の魅力だ。 「タネになった時 土に埋まった時 芽になった時 蕾になった時 花として咲いた時
何度も何度も同じ空を 違う形になって見上げていること
開花のあと 咲いている間 散る間際まで ここでまわって
それに意味を見出してくれるわたし以外の誰かに会いたい
どんなに小さくても ひそやかでも できる限りながく咲き続けて
たくさんの人やものと知り合いたい

そんな気持ちで 廻る花という漢字を選びました

わたしは いつまでもたくさん歌いたい!
大切な『花譜』とは違う形のもう一人の自分 可能性
バーチャルシンガーソングライターとしてのわたし
それが廻花です」 廻花という名前に込めた想いを、自らの言葉でゆっくりと説明すると、観測者たちからも暖かな拍手が送られた。その全貌はいまだつかめずとも、今ここに生まれた新たな関係性は何と比べることもなく貴いものだ。

続いては、自分が転校生になった時を思い出して書いたという「転校生」。

「てんてん、転校生
わたしあしたから
教室の場所がわからない」

学生にとって、その世界のほとんどを占める学校という環境が大きく変わってしまう絶望をストレートに描きながらも、ふわふわとした歌唱でその悲哀を薄れさせた。

「花譜でした、そして廻花でした」

「わたしは花譜という存在と
本当に自分自身よりも近いかもしれないというくらい近くで
一緒に育ってきたと思っているし
チームの方々と大事に花譜を育ててきたと思っています
だけどそういう風に心から言えるようになったのはすごく最近です」

これまでの活動を振り返って、どのようにして今日の日までに至ったかを自らの言葉で述べていく。 「不安なのか 楽しいのか
怒ってるのか 悲しんでいるのか
よくわからない場所にいる時の曲が聴きたくて
自分で書いてみたいなと思っています
そういう時間の方が生きていて多いような気がします
廻花の自分を手に入れたことが
かなり自分の中で考え方の大きな変化に繋がりました」

目まぐるしく変化する日々の中で手に入れた新たな姿で、今日ここから新たな物語を始める。

「今までも今日もこれからも
わたしはわたし以外になることはなくて
こんなわたしに出会ってくれる人が
この先もきっといるはずだと信じて
0から1をみんなの前で始められました

今日から廻花という名前 形でも
みんなと繋がっていきたいです」 飾らない真っ直ぐな言葉で溢れる思いを口にして、ライブはいよいよ真のクライマックスへ。迷いも惑いも全てを曝け出す、苦しくも素晴らしき創作の道へ強く一歩を踏み出した覚悟の歌「かいか」。

「変わり続けてくけど ぼくはぼくだ
まわり出した花」

花譜として歌ってきた日々のすべてをルーツとして感じさせる楽曲は、花譜と廻花という存在のすべてを肯定する力強い輝きを放っていた。

最後は改めて支えてくれた全ての人々への感謝と、万感の思いを込めて、

「みんな、愛してる
花譜でした、そして廻花でした 
またね」

と告げて、激動のライブを締めくくった。
【アーカイブ】花譜と廻花の「怪歌」を映像で振り返る
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