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  • 日本動画協会が政府の「海賊版サイトに対する緊急対策」に声明
  • 決定を歓迎するとともに「状況が好転する機会」と肯定
  • サイトブロッキングは「十分な配慮がされたもの」という考え

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Anitube、Miomioら海賊版動画サイト繋がらなくなる 動画協会は政府要請を支持
アニメ関連企業からなる業界団体・日本動画協会は4月16日、知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議における 「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」に関する声明を発表。

同会議で「『インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策』が決定されたことを歓迎しますとともに、深く御礼申し上げます」と言及。
日本動画協会

日本動画協会公式サイトのスクリーンショット

声明ではサイト名には言及されていないものの、今回「漫画村」とともに対策が呼びかけられたと報道されているのは、「Anitube」(アニチューブ)、「Miomio」(ミオミオ)といったアニメの海賊版動画サイトだ。

その後、Anitubeはサイトに繋がらなくなり、Miomioからは動画の再生画面が消えるなど、状況の変化も見られる。

日本動画協会では、そうした違法アップロードの蔓延は「アニメ製作全般に対するモチベーションの低下にもつながりかねないと考えられる」ため、「今回の決定は状況が好転する機会であると考えております」と、肯定的な捉え方を示した。

一方で、賛否が分かれている特定サイトへのアクセスを遮断するブロッキングについては、「慎重な意見があることも事実ですが、今回の閣議決定ではその点についても十分な配慮がなされたものと考えております」としている(外部リンク)。

政府決定を受け、講談社や集英社も緊急声明

4月13日に総理大臣官邸で行われた知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議で、安倍晋三総理大臣は海賊版サイトに対して緊急対策を決定。

安倍総理は「国としても早急な対応が必要」とした上で、「著作権制度、コンテンツ産業、電気通信事業などに関連する府省を中心に政府一体となって中長期も含めた対応方策を直ちに取りまとめ、可能なものから一刻も早く実施するようお願いします」と対策を呼びかけた。 決定を受けて、大手出版社である講談社は緊急声明を発表。

「現状を放置すれば、日本のコンテンツ産業を根底から破壊し、すぐれた才能を枯渇させることは明らかです。日本が誇るコンテンツ・ビジネスを未来に亘って発展させていくためには、ISPや流通事業者等のご協力も不可欠です」と呼びかけるとともに、海賊版サイトをはじめとする権利侵害行為については断固たる姿勢で臨んでいくと、継続的な対策の意思を示した(外部リンク)。

同日には集英社も声明を発表して、政府の緊急対策を「大きな前進」と受け止め、「実効性のある対策が整備されることを強く望みます」と、今後の対策についても期待を込めた(外部リンク)。

アニメビジネスへの長年の影響を懸念

日本動画協会の声明は、講談社や集英社に続き、政府の決定を肯定的に捉えたものだ。

その背景として、作品の映像を違法にアップロードする海賊版サイトが、アニメビジネスに与える影響の大きさを指摘している。

・海外ビジネスを進めるうえでの大きな阻害要因になっている
・違法アップロードの継続的な監視・削除を行う各権利者は中小企業が多いため過度の負担になっている
・アニメ製作全般に対するモチベーションの低下にもつながりかねない日本動画協会の声明より抜粋

加えて、アニメは海外における認知度と収益性に大きな乖離があること、さらに違法アップロードの数の多さや仕組みの巧妙さにも、触れている。

一部で「イタチごっこ」「『通信の秘密』に抵触して憲法違反になりかねない」と指摘されるサイトブロッキングに肯定的な理由は、そうした悪影響が長年続いていた事実もあるだろう。

声明の最後は、「私どもアニメ製作者は、今後も、より良い作品を製作し、また、関係各社と協力して、ユーザーの皆様がより正規版コンテンツにアクセスしやすい環境の整備を進めることで、アニメ産業、ひいてはコンテンツ産業全体の健全な発展のため取り組みを進めて参ります」と結んだ。

ただし、政府の海賊版サイトに対する緊急対策で呼びかけられたのは、あくまでも国内のブロッキングについて。仮に国内のプロバイダーが政府からの要請に従ったとしても、在日でもない限り、海外ユーザーには影響しない。

こうした国内での動きが、日本動画協会の声明で触れられている海外にも波及するかどうかは未知数だ。

それは「漫画村」のアクセス障害からはじまった

日本漫画家協会による異例の声明文、政府によるブロッキングの検討と、社会問題化した海賊版サイト「漫画村」が11日、突如アクセスできなくなったことに端を発した一連の動き。

当初は「前日に登場したバーチャルYouTuberの存在が関与しているのでは?」と、冗談交じりに噂になっていた。 そうかと思えば、同日にはGoogleで「漫画村」と検索すると、サイトの一部を検索結果から除外したと表示されることが明らかに。いわゆるDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づくクレームにGoogleが対応した形だ。

一方、コンテンツ文化研究会、情報法制研究所、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構、インターネットコンテンツセーフティ協会、インターネットユーザー協会などからは、政府が検討しているというブロッキングに対して、反対声明が続々と発表されたのも11日だ。 そんな中、12日には「漫画タウン」なる海賊版サイトが登場。断定はできないものの「漫画村」との関係性も指摘されている。

そして13日には、前述の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議における安倍総理の声明、それに続く形で講談社と集英社からも声明が発表された。

同日、議論・関心の高まりを受けてか、メディアドゥホールディングスは「海賊版サイトの影響について」と題した資料を発表。

インターネット上のマンガ等に関する海賊版サイトの影響と思われるマンガ出版事業、電子書籍流通事業に関する被害状況」として、海賊版サイトの利用者数が増加して以降の影響などが、具体的な売り上げの減少とともに言及され反響を呼んだ(外部リンク)。

今週に入っても余波は続いており、16日には電子書店5社が発起人となって、「読者への正規版購入と著者への収益還流を推進」する日本電子書店連合を発足(外部リンク)。さらには日本動画協会の声明と、関連する企業や団体、個人と、今後もまだまだ動きが続きそうな状況だ。

熱を帯びる海賊版サイトへの関心

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