本展は、戸田真琴さんが写真家の福島裕二さんとタッグを組み、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で出資を募った写真集プロジェクトとの連動企画だ。 主な撮影地はアメリカのメンフィス。戸田真琴さんがお気に入りの一本に挙げる映画、ジム・ジャームッシュ監督作『ミステリー・トレイン』の舞台になった街で撮影は行われた。
700枚の戸田真琴さん、写真は全てレタッチなし
ギャラリー・ルデコの4階、5階フロアにまたがり、およそ650枚から700枚にも及ぶ写真が飾られる。4階ではポラロイドをはじめとした大小さまざまな写真が並び、5階ではさらに選抜された写真が最大B0版のサイズで観客を迎える。 ロケ期間となった1週間は「すべての時間を撮影可」にしたという試みにより、いわゆる「オフショット」の無防備な姿を含め、さまざまな表情がとらえられている。そして、「展示されているすべての写真は、一切のレタッチを加えずにそのまま出力」したとのこと。そのため、化粧のヨレや、肩にわずかに散るデキモノなど、一般的なモデル写真であれば「修正」されるであろう箇所も、そのまま写し出されている。それらを眺めていると、写真展で「うつくしく縁取られたモデルを見る」という思いよりも、まるで「戸田真琴という女性と旅に出た」ような気持ちが強く湧いてくる。
その想起は、本展の狙いのひとつでもあるようだ。
表に出る仕事をしている人というのは、私のような末端の人間ですら、カテゴライズされ、キャラクター化され、求められる姿だけにくりぬかれることがほとんどです。
だけれど、ここには、生身の人間としての私がいます。
そして、刺したら痛むこの胸で、ほんとうは愛は目でしか伝えられないという当たり前のルールの中で、出会えたみなさん、今わたしを動かすすべての愛や優しさに対する本当のありがとうを形にしようとしたら、こういう空間になりました。
(略)
あわよくば、隣に並んで一緒に旅をした日々のこととして、勘違いして記憶に納めてもらえますように。 ──写真展入り口に掲示された戸田真琴さん挨拶文より
写真集の先行発売、プリント版の購入も
会場では1月29日に発売予定の写真集『The light always says.』が先行発売。写真集には書き下ろしのコラムも収められている。また、Tシャツなどのグッズ販売だけでなく、展示写真をB5からA0まで好きなサイズに指定したプリント版も購入できる。プリント版は、額装やアクリル加工も依頼できる。これは、幸福な写真集です。私とあなたの間の愛と真心です。あなたが光だということの証左であり、私があなたをどんな風に見ているかということのとても恥ずかしい告白です。
永遠とは、永遠が今ここにあるのだと信じたその瞬間のことを言うそうです。
ですから、私たちは永遠を手作りしました。 ──写真集『The light always says.』より
戸田真琴×福島裕二写真展「The Light always says.」の会期は、2018年1月25日(木)から1月28日(日)まで。時間は11時から19時までで、最終日のみ17時クローズ。
25日、26日には戸田真琴さんと福島裕二さんによるトークイベントも行われる。前売券は完売したが、当日券も若干数販売される。詳細はこちら(外部リンク)より。
写真展に一歩入りこむと、戸田真琴さんがKAI-YOUでの映画コラム連載でも繰り返し綴った、「あなた」と「愛」についての物語が写真というかたちで表れてくるようだった。この空間は、コラムを愛読してくれた読者にも、きっと感ずるところのある時間となることだろう。
戸田真琴さんのコラム連載
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イベント情報
戸田真琴×福島裕二写真展「The Light always says.」
- 【会期】
- 2018年1月25日(木)〜28日(日)
- 11:00-19:00(最終日は17:00まで)
- 【場所】
- ギャラリールデコ 4F/5F
- 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3丁目16−3 髙桑ビル
- http://ledeco.net/
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