小説投稿サイト「小説家になろう」を運営する株式会社ヒナプロジェクトが、作品創作におけるAI利用状況の開示を必須化すると発表した。
6月9日(火)から新規作品投稿時にAI利用状況の設定が必須に。
既存作品についても9月1日(火)以降、設定を行っていない場合はエピソード投稿や作品情報編集などができなくなる。
AI利用を開示しない場合「不慮のトラブルに見舞われる恐れ」
株式会社ヒナプロジェクトは発表で、今回の決定の背景を説明している。
その中で「昨今、創作活動におけるAI利用については、作者や読者の皆様だけでなく、出版社といったコンテンツにかかわる関係者全体が強い関心を寄せる内容となっています」と言及。
Web小説においても「作品本文創作におけるAI利用を開示していないことは、関係者間で誤解や認識のずれを発生させ、結果として作品への不信につながってしまうリスクを持つと考えています」と述べた。
加えて「特に作品の商業化においては、AI利用状況が認知されずに進行してしまった場合、作者や企業の皆様が不慮のトラブルに見舞われる恐れもございます」と、昨今の生成AIと創作を巡る状況に触れている。
実際、近年は映画やアニメ、イラスト、ゲームなど、多くのエンターテインメントで生成AIを巡る議論が巻き起こっており、個人から企業までトラブルに巻き込まれる事例は少なくない。
「AI直接使用」「AI補助的利用」など4区分を設定
今回「小説家になろう」導入されるAI利用状況は、「AI直接使用」「AI間接利用」「AI補助的利用」「AI不使用」の4種類。
「AI直接使用」は、AIが生成した文章を本文へ直接使用しているケース。「AI間接利用」は、AI生成文を下書き/素材として利用しつつ、作者自身が大幅に表現を変更している場合を指す。
「AI補助的利用」は、誤字脱字チェックやアイデア出し、資料調査など補助用途に限定した利用を想定。「AI不使用」は、その名の通りAIを利用していない作品となる。
作品創作におけるAI利用状況の設定
商業化時にAI利用状況を企業へ共有する場合も
株式会社ヒナプロジェクトは6月9日からの利用規約改定も発表。
その中で、禁止事項として「本サイトの作品投稿機能を使用して本文として掲載されるテキスト等の情報であって、その全文がAIによって生成されたもの」を追加する。
また、実際の利用状況と異なる設定や、AI利用方法の変更後に設定を更新しない行為も禁止対象となる。
加えて、コンテスト応募や商業化/メディア化の打診時に、AI利用状況を出版社や企業へ共有できる規定も追加。
「小説家になろう」発のアニメ化、累計200作品を突破
発表では「小説家になろう」発のアニメ化作品が、累計200作品を突破したことも明らかになった。
「小説家になろう」から誕生するアニメが累計200作品を突破
『Re:ゼロから始める異世界生活』『転生したらスライムだった件』『無職転生』『本好きの下剋上』など、2010年代以降のアニメ市場を代表するヒット作の多くが、同サイトから誕生している。
株式会社ヒナプロジェクトによれば「小説家になろう」は現在、登録ユーザー数約290万人、掲載作品数約129万作品を抱える国内最大級の小説投稿サイトへ成長している。
なろうパートナープログラム
この他にも、6月後半に開始の「なろうパートナープログラム」では、商業化/メディア化の相談や企業との初期対応などを運営側が支援することも発表されている。
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