上坂すみれインタビュー「早瀬さんは私の視野をフラットに戻してくれる」
──中野はよく来られていたんですか。上坂すみれ はい。今でも休みができたら来ますねぇ。ほんとうに、ふつうの人になって。中学生で初めて来ましたけれど、その頃はあまり東京には出てこられなかったのもあって、高校生になってから通うようになりました。
──通いつめる上坂すみれさんから見て、「中野の価値」って何だと思います?
上坂すみれ 流行に左右されないところが落ち着きますね。超人墓場の店長さんが「ブロードウェイは古い宝箱をひっくり返したみたい」って表現されていましたけれど、まさにそうなんですよ。めぐっていると、自分の知らないことはいっぱいあるんだなって思えるので、すごくいいですね。
──今日は買わないようにお財布を置いてきたそうですが、もし持っていたら危なかったものはありますか?
上坂すみれ 4階で見かけた『動画少年』という資料系同人誌で、『装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー』特集号、すごく欲しかったです。ドンピシャの興味のところです。『うる星やつら』特集号もあったので、それもよかったですね。
───好きなアニメの資料、たしかにたまらないです。アニメといえば、出演作の『ポプテピピック』が話題です。実際のアフレコ現場はどんな雰囲気なんでしょう?
上坂すみれ 実は、私はぜんぜんアフレコに参加していないので、他の人がどんな様子かはわからないんですけれど、なんの説明もなくいきなり始まるので、ほんとうになんか「試される現場」というか……。
──見る側も試されている感あります。では、ラジオ『文化部』で、印象に残っているゲストはいますか?
上坂すみれ 土木系雑誌『ブルーズマガジン』編集長の柳知進さんとか、エストニアのラウル・アリキヴィさんでしょうか。ラウル・アリキヴィさん、パンチありますよね。
あまり馴染みのない分野の方がいらっしゃいますし、声優さんがいらっしゃってもアニメの話ではないことが聞けたりするので、すごく珍しい番組だなって思います。
──上坂すみれさんにとって、ラジオは「ファンとつながる発信の場所」として大きな位置を占めているのではと思いますが、どういう存在だと感じていますか。
上坂すみれ ファンの方とはイベントでもお会いすることはできるんですけれど、お便りを書いて送ってくださることで個性がわかったりとか、そうでなくてもTwitterの実況をしてくれたりと、リスナーさんが能動的に参加してくれて、ファン方の様子がわかるのがいいところです。 ──『文化部』で早瀬かなさんとタッグを組んで2年ほど経ちます。上坂さんから見て、「早瀬さんはこんなところが変わった」と感じるところや、「早瀬さんから受けた影響」で思い当たることはありますか。
上坂すみれ 早瀬さんは、どうしても狭くなりがちな私の視野をフラットなところに戻してくれるんです。「ふつうの女の子視点」でものを見てくれるので、「あっ、自分がミクロになりすぎていて気が付かなかった」という焦点のズレを直してくれるというか。
あとは、私はマニアックなものを突き詰めるのが好きなんですけど、早瀬さんは逆に「知らないこと」を面白さに変えられますよね。たとえば、『マジンガーZ』のストーリーを妄想で作り上げたりするような「瞬発力」がすごくあるので、そこは私とは違いますね。
……私は結構、いろいろ考えてものを言うタイプなんですけれど、早瀬さんはわかりやすい言葉で、瞬時に面白いことを言ってくれる。
だから、私とはちがうスパイスが番組にかかっています。一人でするラジオとは違うテンポの良さやレスポンスの速さが、すごくありがたいです。
──早瀬さんは「上坂さんがパッと話すのを見て、自分も積極的にいかないと」と話していました。お互いが引き立てあっているようですね。
上坂すみれ そうですね。早瀬さんは自分にないものがあるので、いいなって思いますね。
──今回は「ラジオクラウド」でのスマホだけで聞けるという番組ですが、ある意味で「地上波にない面白さ」を追求できるところなのかなと思います。別の機会にでも、上坂さんとしてやってみたいことや、野望ってありますか。
上坂すみれ えーっと、私自身はぜんぜんそういうのってなくて。周りの人が計画してくれるのに頑張ってついていくようなところが多いんです。今回のラジオクラウドもそうですけれど、提案してもらって「そういうのがあるんだ!」と思うタイプなので。
でも、そうですね……中野のオタク文化はだいぶ広がったと思いますけれど、その中でもレトロ系のサブカルチャーというのは、やっぱりすごく古典的で、なかなかとっつきにくいところがあると思うので、それを世の中に広めていきたいなって思いますし、いろんな企画をお待ちしています、という感じですね(笑)。
──もし、ブロードウェイを推す番組が来たとして、一発目にテーマを掲げるのなら?
上坂すみれ あの中だと「変や」さんが象徴的ですが、ブロードウェイの中では画作りも含めて、「新しいもの」と「古いもの」の融合があると思います。
その点では、自分ではなかなか買えないけれど、ブリキのおもちゃやアンティークソフビ人形は、昔からブロードウェイにずっとあるものですが、「なぜ、あのソフビ人形は高いのか?」と、プレミアがついた商品の真の価値を探っていく……なんていうのも面白そうですね。
番組を聞いて、ブロードウェイへ行くことで楽しめる追体験
番組もいよいよ終盤。ブロードウェイ2階の「まんだらけ スペシャル7」は、インディーズ・アーティスト系ソフビをはじめとした、ソフビ専門店。上坂すみれさんもソフビは未発掘ゾーンのようで、興味津々、店内を見て回ります。 上坂すみれ「この“スペル星人”かわいいー!スペル星人さんと仲良くなりたい。わかりあえる気がする…!あぁ、でも、10万円するのかぁ……」 上坂すみれ「マシュマロマンさん、いいですねぇ。(お尻を撫でながら)プリケツゥーーー!」 店員さんから「最近はバイロンやネゴラといった、女の子でも買いやすいソフビが人気ですね」と紹介されると、ふたりしてじっくりと鑑賞。
しかしその後、上坂すみれさんは「装甲騎兵ボトムズのソフビ見つけた!ボトムズのソフビなんて見たことない!!メイドインジャパンで!!!サンライズ印も入ってる!!!!」と相変わらずでした。そしてこちらをお買い上げ。 ロケ最後のお店は「まんだらけ ウィンク」。声優やアイドルのグッズを取り扱うショップです。 店頭に並ぶグッズの中で、上坂すみれさん、何かを見つけて立ち止まります。 自分のグッズだーーー!
上坂すみれ「なんだこれ!ヤラセか?!(※違います)……あっ、この手形、ライブ物販で500円で売ったのに6000円になってる!値下げしたほうがいいのでは……」
ちなみに、ウィンクでは「上坂すみれ強化買取中」とのこと。 買取表の前で本人が金サインするってどんな写真だよ、すごいな!
上坂すみれ「あ、内田真礼さんも強化買取してますよ。ライブオリジナルユニフォーム8000円!」
店長「真礼さんのは入荷したらすぐに売れてしまいますね。声優さんのグッズだと会報系は数が少ないのもあって、特に1号目が貴重ですね」
など、アイドルや声優グッズについて教わるふたり。店内には写真や雑誌のバックナンバーなどがぎっしりと詰まっています。 アイドル好きで欅坂46の平手友理奈ちゃん推しの早瀬かなさん。ブロマイドに狙いを定めます。
上坂すみれ「ブロマイド3枚で3000円するんですか?!」
早瀬かな「いや、良心的だと思います!!!!!」
上坂すみれ「あっ……(察し)」
早瀬かな「お金まだありますよね。平手さんの写真、全部買えるんじゃないですか?!」
上坂すみれ「わたしにも使わせてよ!」 ここまでのお買い物で、ラジオ大阪から支給の5万円は、残り18260円。ふたりは再び外のショーケースを物色し、水樹奈々さん2002年の写真集『Iris』をゲット。「うわーかわいいーー!!」と声をあげる上坂すみれさん。さらに、モーニング娘。の元メンバーである工藤遥さんの写真集もお買い上げ。
早瀬かなさんは欅坂46のバラエティ番組『KEYABINGO!』のブルーレイボックスに決定! そしてお決まりの必殺呪文「領収書をラジオ大阪でください!」を唱え、この日のロケは幕を閉じたのでした。 この日の戦利品を前に記念写真のふたり。
最後に、今回の「ラジオクラウド」出張版の聞きどころについて、上坂すみれさんからメッセージをもらいました。
上坂すみれ 今回は私たちがブロードウェイをめぐっている様子をお伝えしています。番組を聞いてからでも、聞きながらでもいいのですけれど、お店へ行ってみるとたぶん追体験できると思いますので、中野ブロードウェイで実際に私たちと同じ感覚を楽しんでほしいです! さらに、5万円でどんなものを買うかのチャレンジも、ぜひご自身でもやってみてもらいたいと思います。 余談ですが、ハリウッドザコシショウハンガーにTシャツかけてみたら、やっぱなんか厚がすごかった。
インターネットで全国のラジオ放送が楽しめるサービス「radiko」がスタートして、早8年弱。TwitterなどのSNSを巻き込んだり、あるいは昨年に「スマートスピーカー」が話題を呼んだりと、ラジオを取り巻く状況も変わりつつあります。
今回のラジオクラウド特別版をはじめ、音声コンテンツ、ますます面白くなっていきそうです。
上坂すみれ&早瀬かな密着取材の写真をぜんぶ見る
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