毎週火曜日、深夜1時26分からテレビ朝日で放送中の番組『フリースタイルダンジョン』3rd season Rec 5-4が、3月28日に放送された。
チャレンジャーとして出演したのは、新時代の若き侍と銘打たれた「戦極U-22選抜」チーム。メンバーは、Amaterasさん、Luizさん、9forさんの3人で、「戦極MCBATTLE」による22歳以下の若いラッパーたちの頂点を決める大会から選び抜かれた凄腕ルーキーたちだ。 結果は、1回戦の1on1(1対1で戦うルール)でAmaterasさんとT-PABLOWさんが戦い、Amaterasさんのクリティカルヒット(審査員の判定が全員一致した場合、その時点で勝利が確定)負けとなった。
Amaterasさんは、『フリースタイルダンジョン』の収録直後、あまりの落ち込みに、お酒とタバコ、そしてラップをやめた。今回はその理由と、収録後のAmaterasさんの言葉をお届けする。
慶應義塾大学に在学し、裕福で恵まれた環境に育ったAmaterasさんは、「お金持ちで高学歴」という、ヒップホップにおいては批判の的となりそうな特異なバックグラウンドを逆に武器にする。
韻を踏むことやフロウなどのテクニックではなく、高学歴自慢や相手の育ちの悪さを指摘するなど、ストレートに言葉を投げ込む今までのラッパーにいなかった個性的なスタイルは、たちまちフリースタイルラップバトル界隈で注目を浴びた。Amateras vs T-Tongue /超ライブ×戦極 U-22 MCBATTLE 2016 TOKYO
多くの期待を集め、満を持して出場した『フリースタイルダンジョン』。一体、どのような気持ちでステージに立ったのだろうか。
「ステージに立つ前はすごく余裕で落ち着いていたんですけど、実際立ってみると、今まで見てきた景色と全然違う、ステージの周りに人がいることにすごく驚きましたね。あとは照明とかカメラが向けられていたりとか、みんなから見られている気がして。賞金や般若さんと戦うことは狙っていなくて、自分というものを全面的に出す、自分のプロモーションの場としか考えてなかった。なのに自分をしっかり出し切れなかったところが、今回の本当の意味での負けだと思いますね」
「Amaterasが出ることは、普通に韻を踏んで勝つんじゃなくて、今までのバトルMCにはいなかったような新しい価値観を提示してくれる、Amaterasがダンジョンでまたおもしろいことやってくれたよ、と言われるようなことを期待されていると思うんですね。
だから僕は、その期待に絶対に応えないといけないと思ったし、何かを残さないといけないという思いがすごくありました。期待に応えようと自分を奮い立たせた結果、前のめりになってしまって、Luizと9forはもちろん、僕自身もすべてを出し切れないでおわってしまいました」 試合直前のAmaterasさんの様子は、いつもより言葉数が少なく、集中しているようにも見えた。特に作戦はないが、1on1であればAmaterasさん、2on2(2対2で戦うルール)の場合は9forさんとLuizさんのタッグで戦うことは決めていたようだ。
最初は2on2だと予想していたが、待っていたのはT-PABLOWさんとの一騎打ちだった。 「僕とT-PABLOWくんはスタイルもバックボーンも全然違う。それは好き嫌いとかではなくて、互いに認め合っているものだと思っていたので、(バトルは)しっかり噛み合っていたし、僕は全然楽しかったですね。僕がもうちょっと冷静になれば、もっと楽しい試合ができたと思います。特に2本目が全然ダメでした……。
試合が終わったあと、『お前、やっぱつえーな』ってT-PABLOWくんから言われて。僕は今までおもしろいとか、言い方がうまいとかは言われたことがあるんですけど、強いとは言われたことがなくて、なんかうれしいなって。あんまり深い意味はないかもしれないけど、僕は『そうなんだ』って素直にうれしかったですね」 AmaterasさんとT-PABLOWさんは年も近く、ほぼ同世代。T-PABLOWさんは、恵まれた環境で育ったAmaterasさんとは対照的な生活を送り、ヒップホップとの出会いによって救われたことで知られている。
その落ち込みは、意外な部分にまで及んでいた。 「『フリースタイルダンジョン』が終わったあと、一滴もお酒を飲んでないですし、タバコもやめました。負けたあとに、僕ってヒップホップにそぐわないなって思って。ヒップホップは好きですけど、本当に好きなことはもうちょっとほかにあるかなぁと、ちょっと立ち止まって考えたんです。
そしたら、ぼくがやりたいのはフリースタイルではなくて、音楽であり、芸術だと。商業的な音楽ではなく、芸術的で、新しい何かがやりたい。それはヒップホップではなくて、ラップでもない。ジャンルでいうと、ハウスなんですかね」
完璧主義者で潔癖性。何事もきちっと成し遂げたいAmaterasさんは、自分が負けたせいでうまくいかなくなってしまったと責任を感じ、しばらくその事実を受け入れるのに時間がかかったという。
新たに組んだチームは、Amateraさんがリーダーをつとめ、DJ2人、ダンサー2人、コーラス1人、写真家1人で構成されている。お酒とタバコをやめたことは、チームのメンバーと約束しているほどの強い意志があるようだ。現在は3月中にMVとして公開される楽曲「Starting Line」を引っさげてのライブ活動、そして、夏にはアルバムをリリース予定だという。
また、Creape Classicsの活動と並行して、自身が監督する映画を制作中で、カンヌを目指している。 『フリースタイルダンジョン』の敗北をきっかけに、1つの区切りがついたAmaterasさん。最後に、ヒップホップ、ラップを再開するのか聞いてみた。
「いやぁわかんないですね。いまやってる音楽(Creape Classics)は、サンプリングもせずに、チームで一から音をつくっていたり、振り付けがあったりと非常に大変なので、いまは音楽に力を注いでます。ただ、(完全に)ラップをやめるわけではないと思いますし、U-22とかの大会に誘われたら出るとは思います」
チャレンジャーとして出演したのは、新時代の若き侍と銘打たれた「戦極U-22選抜」チーム。メンバーは、Amaterasさん、Luizさん、9forさんの3人で、「戦極MCBATTLE」による22歳以下の若いラッパーたちの頂点を決める大会から選び抜かれた凄腕ルーキーたちだ。 結果は、1回戦の1on1(1対1で戦うルール)でAmaterasさんとT-PABLOWさんが戦い、Amaterasさんのクリティカルヒット(審査員の判定が全員一致した場合、その時点で勝利が確定)負けとなった。
Amaterasさんは、『フリースタイルダンジョン』の収録直後、あまりの落ち込みに、お酒とタバコ、そしてラップをやめた。今回はその理由と、収録後のAmaterasさんの言葉をお届けする。
「期待に応えようとしすぎた」
試合前、「全然いけると思います」と余裕を見せていたAmaterasさんだが、1回戦のT-PABLOWさんとの戦いで1Rを制したものの、2R(3R制で先に2Rを制したラッパーの勝利となる)でまさかのクリティカルヒット。1回戦で敗退し、同じチームのLuizさんと9forさんの出番がないまま、ステージを去ることとなった。慶應義塾大学に在学し、裕福で恵まれた環境に育ったAmaterasさんは、「お金持ちで高学歴」という、ヒップホップにおいては批判の的となりそうな特異なバックグラウンドを逆に武器にする。
韻を踏むことやフロウなどのテクニックではなく、高学歴自慢や相手の育ちの悪さを指摘するなど、ストレートに言葉を投げ込む今までのラッパーにいなかった個性的なスタイルは、たちまちフリースタイルラップバトル界隈で注目を浴びた。
「Amaterasが出ることは、普通に韻を踏んで勝つんじゃなくて、今までのバトルMCにはいなかったような新しい価値観を提示してくれる、Amaterasがダンジョンでまたおもしろいことやってくれたよ、と言われるようなことを期待されていると思うんですね。
だから僕は、その期待に絶対に応えないといけないと思ったし、何かを残さないといけないという思いがすごくありました。期待に応えようと自分を奮い立たせた結果、前のめりになってしまって、Luizと9forはもちろん、僕自身もすべてを出し切れないでおわってしまいました」 試合直前のAmaterasさんの様子は、いつもより言葉数が少なく、集中しているようにも見えた。特に作戦はないが、1on1であればAmaterasさん、2on2(2対2で戦うルール)の場合は9forさんとLuizさんのタッグで戦うことは決めていたようだ。
最初は2on2だと予想していたが、待っていたのはT-PABLOWさんとの一騎打ちだった。 「僕とT-PABLOWくんはスタイルもバックボーンも全然違う。それは好き嫌いとかではなくて、互いに認め合っているものだと思っていたので、(バトルは)しっかり噛み合っていたし、僕は全然楽しかったですね。僕がもうちょっと冷静になれば、もっと楽しい試合ができたと思います。特に2本目が全然ダメでした……。
試合が終わったあと、『お前、やっぱつえーな』ってT-PABLOWくんから言われて。僕は今までおもしろいとか、言い方がうまいとかは言われたことがあるんですけど、強いとは言われたことがなくて、なんかうれしいなって。あんまり深い意味はないかもしれないけど、僕は『そうなんだ』って素直にうれしかったですね」 AmaterasさんとT-PABLOWさんは年も近く、ほぼ同世代。T-PABLOWさんは、恵まれた環境で育ったAmaterasさんとは対照的な生活を送り、ヒップホップとの出会いによって救われたことで知られている。
「僕ってヒップホップにそぐわないなって」
実はこのAmaterasさんのコメントは、『フリースタイルダンジョン』収録終了後、2週間ほど経過してからの取材で得たものだ。収録直後の取材時は、何が起きたのか理解できず、混乱した状態で「思うようにできなかった」と小声でつぶやくしかないほど落ち込んでいた。その落ち込みは、意外な部分にまで及んでいた。 「『フリースタイルダンジョン』が終わったあと、一滴もお酒を飲んでないですし、タバコもやめました。負けたあとに、僕ってヒップホップにそぐわないなって思って。ヒップホップは好きですけど、本当に好きなことはもうちょっとほかにあるかなぁと、ちょっと立ち止まって考えたんです。
そしたら、ぼくがやりたいのはフリースタイルではなくて、音楽であり、芸術だと。商業的な音楽ではなく、芸術的で、新しい何かがやりたい。それはヒップホップではなくて、ラップでもない。ジャンルでいうと、ハウスなんですかね」
完璧主義者で潔癖性。何事もきちっと成し遂げたいAmaterasさんは、自分が負けたせいでうまくいかなくなってしまったと責任を感じ、しばらくその事実を受け入れるのに時間がかかったという。
7人の新たなチームを結成
Amaterasさんは、『フリースタイルダンジョン』の収録終了後、ヒップホップとは距離を置き、Creape Classicsというチームを組んだ。Creape Classicsは、以前からAmaterasさんが自身のブランドやYouTubeチャンネルなどにつけていた名前だ。新たに組んだチームは、Amateraさんがリーダーをつとめ、DJ2人、ダンサー2人、コーラス1人、写真家1人で構成されている。お酒とタバコをやめたことは、チームのメンバーと約束しているほどの強い意志があるようだ。現在は3月中にMVとして公開される楽曲「Starting Line」を引っさげてのライブ活動、そして、夏にはアルバムをリリース予定だという。
また、Creape Classicsの活動と並行して、自身が監督する映画を制作中で、カンヌを目指している。 『フリースタイルダンジョン』の敗北をきっかけに、1つの区切りがついたAmaterasさん。最後に、ヒップホップ、ラップを再開するのか聞いてみた。
「いやぁわかんないですね。いまやってる音楽(Creape Classics)は、サンプリングもせずに、チームで一から音をつくっていたり、振り付けがあったりと非常に大変なので、いまは音楽に力を注いでます。ただ、(完全に)ラップをやめるわけではないと思いますし、U-22とかの大会に誘われたら出るとは思います」
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番組情報
フリースタイルダンジョン
- 毎週火曜日
- 深夜1時26分〜1時56分
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