同作の海外での上映を盛り上げるため、クラウドファンディングサービス・Makuakeで、片渕須直監督を現地に送り出すことを目的とした資金募集が行われていたが、11月22日15時の開始からわずか11時間で、目標金額の1,080万円に到達。
そして、23日には当初の目標達成しても支援金は増え続け1,500万円を突破したため、「これ以上額を積み増しても使途が設定出来ていません。」と、同作の片渕須直監督が支援を控えるように呼びかけるという異例の事態に発展。
それを受けて、24日(木)、「各コース支援者数に上限を設ける」「実行内容の強化」という2点が新たに追加決定され、何とか作品を支援したいと願うファンからは喜びの声が挙がっている。
口コミで動員を伸ばす『この世界の片隅に』
『この世界の片隅に』は、劇場アニメ『マイマイ新子と千年の魔法』などで知られる片渕須直監督が、およそ6年もの年月をかけてつくりあげたアニメーション作品。女優・のんさんが主人公の声を担当し、声優デビューすることでも注目を集めていたが、実際に公開されてからも、ネット上には視聴した人の作品を賞賛するコメントが日々寄せられ、2週目の11月21日には、全68館という小規模ながら、累計動員は11万名、累計興収は1億6,289万円を超えた。
とんでも速度で集まる支援金に公式が追加発表
たくさんご協力いただいて、ありがとうございます。でも、もう十分な感じです。ここまででもう結構です。 https://t.co/jnxgckor1J
— 片渕須直 この世界の片隅に 上映中 (@katabuchi_sunao) 2016年11月23日
イギリス、フランス、ドイツ、アメリカなど世界15カ国での配給がすでに決定しており、片渕監督の渡航・滞在費用の支援を目的にスタートした今回のクラウドファンディング。驚異的なスピードで集まる支援金に、監督自身も感謝を述べつつ「もう十分な感じです。」とツイートする展開に。@megatenhongo 月へ飛ばされるかも。
— 片渕須直 この世界の片隅に 上映中 (@katabuchi_sunao) 2016年11月23日
そんな最中、11月24日(木)、プロジェクト実行者である製作委員会によって、支援者へのコメントが新たに公式発表。支援について2点が追加で設けられた。「このプロジェクトについて」の中に【追加情報】として公式コメントがでました。#この世界の片隅に
— 片渕須直 この世界の片隅に 上映中 (@katabuchi_sunao) 2016年11月24日
映画『この世界の片隅に』の海外上映を盛り上げるため、片渕監督を現地に送り出したい https://t.co/jh1HnUi9hD #Makuake @makuake_caさんから
1点目は、5,400円コースが1,500人まで、10,800円コースが1,500人までというように、各コース支援者の人数に上限を設けること。上限に達した時点で、そのコースの募集は終了となる。
2点目は、実行内容の強化。目標金額を超えた余剰分は「海外渡航報告会イベント」の開催場所と開催回数を当初想定より増やすことに充てられるという。
また、海外でのプロモーション活動の充実につとめ、支援者に送られる海外渡航報告レポートのページ数などの仕様にも反映されるという。
なお、資金の募集自体は予定どおり2017年1月30日まで継続される。
もともと、制作段階でクラウドファンディングを利用して4,000万円近くの資金を集めた『この世界の片隅に』だったが、作品を鑑賞してからも何とか作品を支援したいというファンが後を絶たず、今回の追加支援プロジェクトの異例の盛り上がりは、まだまだ続きそうだ。
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作品情報
『この世界の片隅に』
- 声の出演
- のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 / 澁谷天外
- 監督・脚本
- 片渕須直
- 原作
- こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
- 企画
- 丸山正雄
- 監督補・画面構成
- 浦谷千恵
- キャラクターデザイン・作画監督
- 松原秀典
- 音楽
- コトリンゴ
- プロデューサー
- 真木太郎
- 製作統括
- GENCO
- アニメーション制作
- MAPPA
- 配給
- 東京テアトル
<ストーリー>
どこにでもある 毎日の くらし。昭和20年、広島・呉。わたしは ここで 生きている。
すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた――。
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