じん(自然の敵P)さんによるマルチメディアプロジェクト「カゲロウプロジェクト」、通称「カゲプロ」。VOCALOIDを用いた音楽に始まり、小説、マンガと展開されてきた「カゲプロ」ですが、ついにアニメ化も決定し、2014年4月に放送されることも発表されたようです。
関連楽曲は、動画共有サイトで累計2,500万再生を突破。5月にリリースされた2ndアルバム『メカクシティレコーズ』が初登場1位(累計12万枚)、小説作品は現在4巻まで刊行されており、最新刊で3作連続の首位を獲得。いま、10代を中心に、若い世代の間で最も人気があるカルチャーと言っても過言ではないカゲプロですが、「名前は聞いたことがあるものの、イマイチよくわからない」なんて方も多いのでは?
本記事は、そんなカゲプロにこれから触れる方に向けての入門記事となります。物語の核心に触れるような、ネタバレや考察等はありません。また、もう十分カゲプロの魅力を知っているという方も、アニメ放送を前に今一度おさらいの感覚で読んでいただければ、と思います。
プロジェクトのベースとなるのは音楽。音楽にはそれぞれ「目を〜する話」というサブタイトルが付いているのが特徴で、登場人物も「目」にまつわる能力を持っていて、ストーリーの重要な要素となっています。
現在、第1話から第12話までの12曲、オープニングテーマとエンディングテーマとなる2曲、番外編として8曲、その他インスト曲が4曲、合わせて26曲がつくられました。その内15曲はMV動画がネット上に公開されていて、それ以外の楽曲はアルバムに収録されています。
第3作目である「カゲロウデイズ」以降、しづさんとわんにゃんぷーさんが動画を手がけていますが、このMVも、カゲプロの世界を理解する上で絶対に欠かせない要素です。動画の中にも謎の描写がちりばめられていて、1カットも見逃せない、目で聴く音楽とも言えます。
さらにもう一つ特徴的なのは、「初音ミク」「IA」というVOCALOIDを使っていながら、VOCALOIDキャラクターの個性が一切ストーリーに関わってこない点です。それどころか、カゲプロにおいては物語に登場するキャラクター同士の関係性や設定にファンは注目しています。VOCALOIDはあくまで物語るための手役であり、それがミクであってもGUMIであっても、何でも良いのです。歌い手に感情がないからこそ、物語が淡々と展開していくわけです。 音楽については、2013年9月に投稿した「サマータイムレコード」をもって完結していますが、小説・マンガは現在も続いています。
小説は、音楽制作と同時になんとじんさん本人が執筆。各章には楽曲と同じタイトルが付けられていて、章ごとに違う登場人物の視点で語られていきます。マンガは、じんさんの原作やしづさん・わんにゃんぷーさんのキャラクター原案をもとに、佐藤まひろさんが『月刊コミックジーン』にて連載中です。
ハイテンポなギターロックからバラードまで、楽曲の幅はかなり広く、VOCALOIDの調教もバッチリ。MVも独特のセンスでかっこよく仕上がっています。歌詞には難しい言葉はあまり登場せず、セリフが多く含まれたりと、音楽を聴いているのに小説を読んでいるような感覚も、ファンにとって中毒性があります。
そして聴けば聴くほど深まる謎も人気の秘密。音楽には「第○話」と話数が振られていますが、時系列順ではありません。これは小説やマンガも同様です。
様々な視点から語られるため、少し複雑な構造ですが、曲から曲、曲から小説、小説からマンガ、小説から曲といったように、いろんな往復を重ねるうちに、情報が整理されて、謎が少しずつ明らかになっていく快感があります。
小説を読んでいると、「あ、ここはあの曲のあの部分だな」と歌詞やMV動画が浮かんできたり、逆にMVを見ていると、「ここは小説のあの部分だ」と、違う媒体同士でリンクしていくのもおもしろいです。
音楽・小説・マンガ、それぞれがリンクして同じ世界観を持ちながら、それぞれに意図的な違いをもって描くことで、お互いの補完ではなく、お互いを増幅させ、物語全体が立体的に見えるようになっています。それが、カゲプロの魅力なのではないでしょうか。
アニメの情報は今後徐々に明かされていくようですが、アニメが一体どのようにカゲプロの世界を増幅させていくのか、期待せずにはいられません。
また、アニメは『魔法少女まどか☆マギカ』や<物語>シリーズなど大ヒット作を手がけたシャフト・新房昭之監督によって制作されるので、ほぼ間違いなくクオリティの高い作品になるでしょう。そういう意味でも、今このタイミングで触れておけば、よりアニメが楽しめるのでは?
【次のページ】カゲプロ年表で、これまでの流れをおさらい!
関連楽曲は、動画共有サイトで累計2,500万再生を突破。5月にリリースされた2ndアルバム『メカクシティレコーズ』が初登場1位(累計12万枚)、小説作品は現在4巻まで刊行されており、最新刊で3作連続の首位を獲得。いま、10代を中心に、若い世代の間で最も人気があるカルチャーと言っても過言ではないカゲプロですが、「名前は聞いたことがあるものの、イマイチよくわからない」なんて方も多いのでは?
本記事は、そんなカゲプロにこれから触れる方に向けての入門記事となります。物語の核心に触れるような、ネタバレや考察等はありません。また、もう十分カゲプロの魅力を知っているという方も、アニメ放送を前に今一度おさらいの感覚で読んでいただければ、と思います。
「カゲロウプロジェクト」とは
8月14日と8月15日の真夏日、ある街で起きた一つの事件をきっかけに、「メカクシ団」の少年少女たちが出会い、協力し合い、奮闘していく姿を描いていくストーリー。カゲプロでは、そのストーリーを音楽、小説、マンガ、そしてアニメによって構成していきます。プロジェクトのベースとなるのは音楽。音楽にはそれぞれ「目を〜する話」というサブタイトルが付いているのが特徴で、登場人物も「目」にまつわる能力を持っていて、ストーリーの重要な要素となっています。
現在、第1話から第12話までの12曲、オープニングテーマとエンディングテーマとなる2曲、番外編として8曲、その他インスト曲が4曲、合わせて26曲がつくられました。その内15曲はMV動画がネット上に公開されていて、それ以外の楽曲はアルバムに収録されています。
第3作目である「カゲロウデイズ」以降、しづさんとわんにゃんぷーさんが動画を手がけていますが、このMVも、カゲプロの世界を理解する上で絶対に欠かせない要素です。動画の中にも謎の描写がちりばめられていて、1カットも見逃せない、目で聴く音楽とも言えます。
さらにもう一つ特徴的なのは、「初音ミク」「IA」というVOCALOIDを使っていながら、VOCALOIDキャラクターの個性が一切ストーリーに関わってこない点です。それどころか、カゲプロにおいては物語に登場するキャラクター同士の関係性や設定にファンは注目しています。VOCALOIDはあくまで物語るための手役であり、それがミクであってもGUMIであっても、何でも良いのです。歌い手に感情がないからこそ、物語が淡々と展開していくわけです。 音楽については、2013年9月に投稿した「サマータイムレコード」をもって完結していますが、小説・マンガは現在も続いています。
小説は、音楽制作と同時になんとじんさん本人が執筆。各章には楽曲と同じタイトルが付けられていて、章ごとに違う登場人物の視点で語られていきます。マンガは、じんさんの原作やしづさん・わんにゃんぷーさんのキャラクター原案をもとに、佐藤まひろさんが『月刊コミックジーン』にて連載中です。
【初音ミク】カゲロウデイズ【オリジナルPV】
カゲプロの人気に火が点いたきっかけの1曲。カゲプロ楽曲の中で1番の再生数です。カゲプロの魅力とは?
カゲプロがここまでの人気を集めたのには、一番にはやはり音楽の力が大きかったのではないでしょうか。事実、じんさんがニコニコ動画に投稿した動画は、13曲がミリオン(100万)再生を突破、6曲がダブルミリオン(200万)再生を突破しています。これは、ニコニコ動画で活動するボカロPで唯一の記録なんです。ハイテンポなギターロックからバラードまで、楽曲の幅はかなり広く、VOCALOIDの調教もバッチリ。MVも独特のセンスでかっこよく仕上がっています。歌詞には難しい言葉はあまり登場せず、セリフが多く含まれたりと、音楽を聴いているのに小説を読んでいるような感覚も、ファンにとって中毒性があります。
そして聴けば聴くほど深まる謎も人気の秘密。音楽には「第○話」と話数が振られていますが、時系列順ではありません。これは小説やマンガも同様です。
様々な視点から語られるため、少し複雑な構造ですが、曲から曲、曲から小説、小説からマンガ、小説から曲といったように、いろんな往復を重ねるうちに、情報が整理されて、謎が少しずつ明らかになっていく快感があります。
小説を読んでいると、「あ、ここはあの曲のあの部分だな」と歌詞やMV動画が浮かんできたり、逆にMVを見ていると、「ここは小説のあの部分だ」と、違う媒体同士でリンクしていくのもおもしろいです。
音楽・小説・マンガ、それぞれがリンクして同じ世界観を持ちながら、それぞれに意図的な違いをもって描くことで、お互いの補完ではなく、お互いを増幅させ、物語全体が立体的に見えるようになっています。それが、カゲプロの魅力なのではないでしょうか。
アニメの情報は今後徐々に明かされていくようですが、アニメが一体どのようにカゲプロの世界を増幅させていくのか、期待せずにはいられません。
また、アニメは『魔法少女まどか☆マギカ』や<物語>シリーズなど大ヒット作を手がけたシャフト・新房昭之監督によって制作されるので、ほぼ間違いなくクオリティの高い作品になるでしょう。そういう意味でも、今このタイミングで触れておけば、よりアニメが楽しめるのでは?
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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:5058)
見ていて勉強になりました‼カゲプロにわかだったのでありがたかったです‼有難う御座いました‼