ドラマ『この世界の片隅に』騒動、原作者が“消火“コメント「ゴッドマーズに食いつきすぎ!」

ドラマ『この世界の片隅に』騒動、原作者が“消火“コメント「ゴッドマーズに食いつきすぎ!」
ドラマ『この世界の片隅に』騒動、原作者が“消火“コメント「ゴッドマーズに食いつきすぎ!」

『この世界の片隅に』上巻/画像はAmazonより

POPなポイントを3行で

  • ドラマ『この世界の片隅に』ゴッドマーズ騒動について、こうの史代が再び投稿
  • 「みんな、『六神合体ゴッドマーズ』に食いつきすぎ!!!」とツッコミ
  • 「食わず嫌いせず見ておくれ」というコメントの真意を改めて説明した
2018年7月から放送されている、漫画『この世界の片隅に』を原作にしたTBS系のドラマ。

ファンが運営する掲示板での、原作者・こうの史代さんによる「『六神合体ゴッドマーズ』よりは原作に近いんじゃないかな!?」というコメントが話題を呼び、Twitterでは「#ゴッドマーズよりも原作に遠い選手権」というハッシュタグが大盛り上がりしてトレンド入りを果たした。

この件について、8月9日、再びこうの史代さんが掲示板で発言。大きな反響を呼んだことを受けて、釈明コメントを投稿している。

あのー、なんか騒ぎになっているらしいので、消火活動に来ました…。」と冒頭から核心に切り込む。

ドラマについては「映像化が、新しい解釈を足して『別物』になるのはむしろ心強いし有難いです。」と改めて様々なメディアミックスについて原作者としての立場を表明。

その上で「みんな、『六神合体ゴッドマーズ』に食いつきすぎ!!!」と全力でツッコミ。ドラマをけなすつもりなら自分の世代には人気作品の『六神合体ゴッドマーズ』をわざわざ例に挙げるわけがなく、改めて先日の言及について「食わず嫌いせず見ておくれ、と言いたかったのですが…。」とその真意を強調した。

もともと、精緻な作品とは裏腹にエッセイ漫画などでは持ち前のユーモアを如何なく発揮しファンから愛されているこうの史代さん。

今回の投稿でも、大きな反響に戸惑いつつも、ドラマへの懐疑的なスタンスと受け取られた部分はきっぱり否定。その上で「ここまで騒ぐんなら、みんな原作買って読んでくれるんだろうね!? 来週日曜21:00から、ちゃんとドラマ見てくれるんだろうね!!??」と怒涛の告知で読者を煽る。

さらに、ユーモラスな筆致で「見んかったら、ロプロスに食わすぞ!! ポセイドンに踏ますぞ!!! あっ、作品間違えた す み ま せ ん ………謹 ん で お 詫 び 申 し 上 げ ま す。」と畳みかけるこうの史代さん。

なお、ロプロスとポセイドンとは、『六神合体ゴッドマーズ』の漫画を手がけた横山光輝さんの代表作『バビル2世』に登場する巨大ロボットのことだ。

最後は「これ『原作者が何度もお詫び』で拡散して貰えると嬉しいな!」というコメントで、ドラマへの言及をアクロバティックに締めている。

『この世界の片隅に』ドラマ版を巡る騒動の経緯

2008年から2009年にかけて上・中・下の3冊で刊行された、こうの史代さんによる漫画『この世界の片隅に』。

第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、激化する世の中で大切なものを失いながらも、前を向いて日々を大切に生きていく女性・すずを描いた漫画は国内外で高く評価された。

その後、片渕須直監督のさらなる時代考証と丁寧な描写で構成された2016年公開のアニメ映画『この世界の片隅に』も、アニメ映画史に残る傑作となった。

一方、漫画を原作にした現在放送中のドラマ版を巡って、アニメ映画版の『この世界の片隅に』製作委員会をスペシャルサンクスとしてクレジットしたところ、アニメ映画版の公式Twitterで「当該ドラマの内容・表現等につき、映画に関する設定の提供を含め、一切関知しておりません」という否定が表明され、不穏な騒動として注目を集める結果に。

画像はTBSドラマ版『この世界の片隅に』公式サイトより

そうした状況の中で、原作者のこうの史代さんが「わたしはいちおう毎回、脚本を見せて貰ってチェックしているのですが、直してもらえるとは限らないみたいです。まあ、脚本の岡田さんがどう展開させたいかはわからないので、あんまり強くは言っていません」と、ドラマ版との距離を明らかに。

同時に、原作からの改変について「でも大丈夫…『六神合体ゴッドマーズ』よりは原作に近いんじゃないかな!?」と、原作漫画から大幅な改変がなされたアニメとして知られる『六神合体ゴッドマーズ』を例に挙げて皮肉ともとらえられるコメントが広く拡散された。

そうした状況から、原作ファンやアニメ映画版のファンからは懸念の声も挙がっているが、ドラマ版『この世界の片隅に』自体は、原作にはなかった現代パートには賛否が寄せられているものの、全体としては丁寧につくりこまれた展開で、原作を踏みにじるようなつくりではない。

アニメ映画の製作委員会と行き違いがあったことは事実だろうが、騒動が収束し、作品としての純粋な評価がなされるのを願うばかりだ。

まだまだ終わらない『この世界の片隅に』

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