TVアニメ『6HP』後半は村上隆の謝罪 線画状態で12月30日に放送

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TVアニメ『6HP』後半は村上隆の謝罪 線画状態で12月30日に放送
TVアニメ『6HP』後半は村上隆の謝罪 線画状態で12月30日に放送

©2015 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved./TOKYO MX「6HP_シックスハートプリンセス _ アニメ _ 年末年始特番 2016~2017」より

現代美術家の村上隆さんが総監督をつとめる制作中のTVアニメ『6HP/シックスハートプリンセス』が、12月30日(金)19時〜20時よりTOKYO MXにて放送されることがわかった。

3日前に投稿された村上隆さんのInstagramによると、1時間枠のうち未完成の第1話を22分、残りは同作の制作経緯や村上さんの謝罪といったドキュメンタリーの構成になることも明かされた。

今年10月、村上隆さんが自身のFacebook上で「本当に紆余曲折がありあれこれの事情の満身創痍の雪だるま状態」と、制作の苦しい状況を吐露し、注目を集めていた。

Instagramでは、「動画も7分間のCGフュージョンカット、全部間に合わない。でも、線画、背景レイアウト状態で、放映します。納品のその瞬間まで、皆で頑張って、ギリギリまでやりますが、それでも間に合いません」とも綴られており、現在も苦しい状況にあることが読み取れる。

アニメ制作は村上隆の夢

©2015 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

『6HP/シックスハートプリンセス』は、2010年にヴェルサイユ宮殿で開催された村上隆さんの個展で上映された短編映像『Six♡Princess』にはじまり、コスメブランド・shu uemuraとのコラボ商品発売やコスプレパフォーマンスステージに至るまで、さまざまな媒体で展開されてきた。
短編映像『Six♡Princess』
Shu Uemuraとのコラボレーション時の映像
2015年には、村上さんが代表をつとめるアートカンパニー・カイカイキキ、及びアニメスタジオ・PONCOTAN、そしてGENSHIMON(カイカイキキ現代視覚聴覚芸術制作部門)の制作するプロジェクトとして、TVアニメとして放映されることが正式に発表。

その後、続報がないまま、2016年10月に未完成ながら今年の年末に放映することが村上さんから明かされた。

Instagramでは、「この作品は僕の夢でもあったアニメ制作であるとともに、25年を経て、自分が現代美術作家としてデヴューした時に言ったことへの自分への返答なのです」と今作への強い思いを語るとともに、「その実態は未完成なモノを放映せざるを得ないという、関わってくれているスタッフに、申し訳ない想いです」と無念の思いを綴っている。

12月30日に30年間の想いを遂げる放映、、、自分的には大イベント、があります。TOKYO MXで1時間、放映する「6HP」がそれです。呼び方「シックスハートプリンセス」というアニメーション作品。でも、全く出来ていません。背景の出来ていないカット140カット。背景のウチへの納品日、一応22日。しかし局への納品日、25日。動画も7分間のCGフュージョンカット、全部間に合わない。でも、線画、背景レイアウト状態で、放映します。納品のその瞬間まで、皆で頑張って、ギリギリまでやりますが、それでも間に合いません。アニメファンであれこれ作品見てきて、ああだのこうだの、思ったりしてきましたが、正直、アニメ制作って、ビルを建てるのに一級建築士の免許が必要なように、そういう特殊な経験、データ、学習が必要なんだ、と今回痛感しています。この作品は僕の夢でもあったアニメ制作であるとともに、25年を経て、自分が現代美術作家としてデヴューした時に言ったことへの自分への返答なのです。だから、アニメであるのとともに、芸術とはなんぞや?特に自分は日本に住み暮らしていて、現代美術の文脈でやることは何が必要なのか、を正直にやるとなると、TVシリーズ形式のアニメを造るしかないのです。 だが、その実態は未完成なモノを放映せざるを得ないという、関わってくれているスタッフに、申し訳ない想いです。 未完成の第一話は(1時間枠で22分が第一話分で、残りは、この作品がココに至るまでの経緯と、僕の謝罪&言い訳ドキュメンタリーという構成なのです。。。)いつの日か、完成版をリリースしたいし、2017年は、2話、3話も放映したいですが、どこまで持つのか、色んな意味での綱渡りです。10月に発売された美術手帖の広告ページに掲載した文面をココに流し込みます。 □■□■□■□■□■□■□■□■□■ 1992年3月号の美術手帖にて、中原浩大、ヤノベケンジ、僕の3人で鼎談し、僕は日本の現代美術業界に 正式にデヴューしました。そこで僕が話したことは、アートの未来はオタクの真髄を突貫しないとダメなんだということ。その後数年間に渡って、日本のオタク文化とアート、、、ここで言うアートとは西欧式のアートなんですけれども、その橋渡しを、アートの本場アメリカとヨーロッパで行いました。しかし、真摯にオタク文化をアートに翻訳し、それがアメリカのアートシーンで受け入れられると、日本のオタクの人々が、一斉に大反発をし始めました。オタク界の頂点の1人「機動戦士ガンダム」の富野由悠季監督が数年前、芸術新潮で特集された僕の五百羅漢図の記事を見て、対談を申し込んできてくれて、そ の時もハッキリ言われました。「あなたはアニメのパクリをやっているわけでしょう。大変な反発を感じた」 と言われました。 オタク文化のパクリの何処がアートなんだ!この商売人が!と言う内容の村上批判が人気漫画で展開したりもしました。20年以上そのしこりは根強くあって、太くて深い溝と線引をされています。<おまえはこっち(オタクの世界)に来てくれるな!>と。そういう反発を食らってもオタク的な文脈とアートとの橋渡しの作品制作への熱は冷めず、それを映像でも行って15年間ほど、続けてきました。ルイ・ヴィトンとのコラボ記念のアニメは、細田守さんに制作してもらったり、 カニエ・ウエストやファレル・ウィリアムスのPVやらを監督したりもしました。「めめめのくらげ」といって実写とCGを合成した長編映画を監督し、2013年に東宝系劇場で公開。散々な興行状態で、配給してくれたGAGAにおけるその年の興行収入の最下位になったりしました。…ですが、とにかく映像制作を 諦められない。で、このアニメーション作品「6HP」は、TVシリーズを前提にして制作している作品です。2010年のヴェルサイユ宮殿の展覧会で発表した短編アニメーション「シックスハートプリンセス」を出発点にもう6年間も、ずうっと制作し続けています。短編制作時に出会ったmebaeというエロ系 のイラストレーターと、一緒に創っていこうと彼の住み暮らす北海道札幌にCGアニメーションスタジオを作り、スタッフを50名ほど集めて、1年かけて22分のCGアニメーションを制作してみたものの、何かが違う!気に入らない!と、完成したにも拘らず、発表もせずに仕切り直し。その後も、紆余曲折、いろいろほんとうにいろいろあって、今に至っています。スタッフも何度も変わり、その中でも数名のスタッフは粘り強くついてきてくれて、で、結局、2015年の秋に、自社のスタジオ内にて手描きのアニメーション部門も導入することを決意し、 仕切り直しました。何度も造ったシナリオも、諸般の事情もあって全部書き換えて、絵コンテも何もかも全部組み立て直して、現在に至っています。その第一回目のお披露目を、いよいよ地上波でやることになりました。2016年の年末、東京圏のTOKYOMX系での放送。不完全な形での放送になるかもしれません。今回もまた、オタクの皆さんからは、ネガティヴなリアクションになってしまうかもしれませんが、兎に 角、10月の今!絶賛制作中です。 総監督 村上隆

Takashi Murakamiさん(@takashipom)が投稿した写真 -

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文:いとうてつや
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放送情報

6HP/シックスハートプリンセス

放送局
TOKYO MX
放映日時
2016年12月30日(金) 19:00~20:00

「6HP」という物語、とは何か?
戦後の日本の文化に芽生えた、魔女モノの番組は、アメリカの実写コメディ番組、「奥様は魔女」あたりに端を発する。
そのムードを模倣しつつも、どこか貧しさの陰影がつきまとう形で、女性主人公の魔女モノのアニメは誕生し、それらは絶大な人気を博し、時代を超えて日本アニメの大きなジャンルになっている。
アーティスト村上隆の求めるテーマはデヴュー以降一貫して<戦後の日本の文化の奇怪な姿>の描写である。
アメリカからの輸入文化であったはずの魔女モノのアニメの日本での発展育成を批評的に眺め、その中でお話に落とし所がつけられるのか否か。
そういう挑戦が、この作品の中心にある。(TOKYO MXより)

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