「家電は本来わくわくするものだった」Android Experiments OBJECT 授賞式レポート

「家電は本来わくわくするものだった」Android Experiments OBJECT 授賞式レポート
「家電は本来わくわくするものだった」Android Experiments OBJECT 授賞式レポート
5月よりGoogleが主催している日本中から新しいデバイスのアイデアを募集するプロジェクト「Android Experiments OBJECT」の授賞式が、9月8日、Google Japanにて行われた。

六本木にあるGoogle 東京オフィスの一部を貸し切って行われた授賞式には、150名以上もの人が参加。 「Android Experiments OBJECT」に応募した学生から社会人まで、多種多様な人が集まり、大盛況のまま幕を閉じた。今回はその模様を写真を交えつつレポート!

まず、授賞式開幕の挨拶ではGoogle 専務執行役員 マネージメントディレクター・岩村水樹さんが登壇。 岩村さんは、予想を大きく上まる200件以上ものアイデアの応募について、「多様なバックグラウンドの人がアイデアを送ってくれた」と感謝の辞を述べたほか、「その多様性こそが世界を良くするイノベーションにつながる」とコメント。

プロからアマチュア、学生、男女を問わずに多くの応募があった「Android Experiments OBJECT」というプロジェクトの成功が、AndroidというOSのコンセプトを見事に体現したことを祝した。

食べ物もおいしかった!

このパスタめちゃくちゃおいしかったです

生ハムとワインの相性も最高でした

ごちそうさまでした!

個人から社会まで、様々な問題を解決 グランプリ表彰

一般投票も含まれた最終選考を突破し、グランプリに選ばれたチームは4組。すでにWeb上で発表されていたものの、参加者たちが一堂に顔を合わせるのは初の機会となった。

ELI(エリ)

「ELI(English Learning Intelligence)」は、洋服の襟につける小型マイクデバイス。Android アプリと連携することで、装着した人が発話する日本語を記録・解析。その人に最適な英会話レッスンを自動で生成してくれるというもの。 企画したmonomのメンバーは「開発にむけて、アイデアだけではなく実際に英語がしゃべれるようになる、世の中をよくするものにしたい」とコメント。

開発、実現への強い意欲を見せた。外国語を学ぶ際、自分の生活とは乖離したような例文から学ぶことが多い。「ELI」が目指すのは、自分の生活や体験に根付いた言葉を学ぶことができる世界だ。

Chronoscape -今じゃない、何かに出逢う-

「Chronoscape」は、筒型の万華鏡のようなデバイスとなっている。有名な観光地など、一定数以上の画像がインターネット上にアップされている場所に近づくと、デバイス本体が光ってユーザーに通知。肉眼で直接見ている景色を基準に、左に回すと時系列に並べられた同地点の画像が日時情報順に次々表示されていくというアイデアとなっている。 代表の宮崎さんは「バラバラの会社の人が集まって、チームを組みました。協創していくというAndroidのテーマもある。複数人でやっているということの利点を最大限に活かして、1人でできないことをチームで達成していく」と語ってくれた。

1人でつくるには技術的にも難易度の高そうな「Chronoscape」だが、どんな仕上がりになるのか楽しみだ。

Magic Calendar

高精細のカラーEインクディスプレイを搭載したカレンダー型デバイス。見た目はふつうの紙のカレンダーだが、スマートフォンを経由して予定を入れるとBluetoothでの通信によって、「Magic Calender」も書き換えられるというもの。 リアルなものを限りなくデジタルで再現するというコンセプトを持つという「Magic Calender」。代表の坪井さんは、「これからの生活を考えるときに──携帯電話やインターネットが登場して、何にお金や時間を使うかということが一変した」と語る。それは「Android Experiments OBJECT」を参加する中で感じたわけではなく、プロダクトデザイナーとして働く普段から求められ、考えていることのようだ。

「Magic Calender」は、デジタルでもアナログでもない、中間的なデバイスの可能性を探るという。

スマートマタニティマーク

「スマート・マタニティマーク」は、電車内で立っているのがつらい妊婦と、それを助けたいと思っている人をアプリケーションを介して繋げるデバイス。マタニティマーク型のデバイスには、Beacon(Bluetooth信号の発信機)が内蔵され、アプリをインストールしているAndroid スマートフォンに通知が届くといった仕組みとなっている。 公共の場での妊婦への嫌がらせといった問題が取り沙汰されている背景から生まれ、今回グランプリに選ばれた中でも、特に社会問題の解決という点にストレートに取り組むアイデアとなっている。

代表のタキザワケイタさんもその点に対して否定はしなかったが、「目に見えている問題を解決しても、実は根本を解決しないとまた違った形で問題が起きてくる」とコメント。「今後さらにリサーチを行い、何が問題になっているのかを見極める」という。「もしかしたら開発を進める中で、まったく違うようなデバイスになっているかも」と最後にこぼしていた。

「家電は本来、わくわくするものだった」

アドバイザー総評として、二子玉川・蔦屋家電の上田元治さんと東京大学大学院情報学環教授の暦本純一さんが登壇。 上田さんは「Android Experiments OBJECT」に集まったアイデアを「楽しい、キャッチー、かわいいものが多かった」と評したうえで、それらはすごく重要な要素だと言う。「家電は本来、わくわくするものだった」と自身の体験談を交えながら、新時代を感じされるアイデアの登場を喜んだ。

また、暦本さんは「(Androidなどの)スマートフォンという装置はマスに向けるだけではく、それぞれの目的、ユースケースに当てはめることができる」として、今回応募された独自性の高いデバイスの数々を評価した。

今後、グランプリに選ばれた4チームとアイデアは、Googleが用意するプロフェッショナルたちの協力のもと、コンセプトや機能についてのブラッシュアップを行い、プロトタイプ開発へと進む。いよいよチームにとっては本格的な開発・実装がはじまるが、果たしてどのようなデバイスが生まれるのだろうか。

2017年2月には、プロトタイプがお披露目される展示会の開催を予定しているという。一般公開を楽しみにして待ちたい。
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