電子書籍元年とか言われてはや4年くらい経っても、目に見えた変化が起こったわけではないながら、緩やかに市場は拡大し利用者も増加している昨今。いくつかあるターニングポイントのうちの一つに数えられる可能性を秘めていると言っても過言ではないのがこの漫画雑誌アプリ「少年ジャンプ＋」だ。

「ジャンプ本誌を超える」と啖呵を切って始まったこの試みは、過去の名作やここでしか読めない新作などはもちろん、熱烈なジャンプ読者には嬉しい本誌の電子書籍版の販売もかねている。あのジャンプ作家と同列に並ぶことのできるユーザーの作品投稿機能ふくめ、常に少年漫画誌の覇者として君臨してきた「ジャンプ」を冠するからには攻めないわけがない。中でも最もヤバいのは間違いなく、電子書籍ならではの、読むだけではない参加型の漫画体験を、誰よりもラジカルな形で提供している矢吹神だろう。過激すぎて毎回すぐに配信停止されても懲りずに挑戦を続ける神の姿勢に、何人の読者が励まされているかわからない。（にいみなお）