ミスターバトルMC晋平太が中高生に語った力強い言葉 ラップ教室レポート

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中高生にラップを教える晋平太

POPなポイントを3行で

  • MCバトルの強者として鳴らすラッパー・晋平太のラップ教室をレポート
  • 「フリースタイルダンジョン」初代覇者は、中高生に何を語るのか?
  • 晋平太「今日は言葉の力を授けに来た」
「フリースタイルダンジョン」をはじめ、数々のMCバトルで輝かしい実績を重ねてきた晋平太

日本でもっとも多くの悪口を言い、言われてきたといっても過言ではない彼は、いま中高生にラップを教える活動に取り組んでいる。

そこにあるのは「ラップを通して自分自身を好きになってほしい」という熱い思い。文京区で開かれたラップ教室の様子を紹介する。

撮影:井口裕右

「今日は言葉の力を授けに来た」でも言葉って?ラップって?

2018年9月25日、文京区の中高生向け施設「b-lab」がラップ教室を開催した。

何かと多感な年頃の中高生に、言葉を使った新しい表現を体験してもらい、自己肯定感を高めようという狙いだ。

講師として招かれたのは、晋平太。施設のスタジオには、彼にラップを教えてもらおうと、文京区に通学・在住する中高生たちが集まった。

今日はみんなに言葉の力を授けに来ました

そんな一言から、晋平太のラップ教室はスタート。

言葉ってなに? それは世界を認識するもの。人もそう。言葉を尽くさないと、世の中は君を認識してくれない。ちょっと哲学的な話を、ホワイトボードを使って晋平太はわかりやすく解説した。

そして、ラップのルーツについて。ラップはアメリカ・ニューヨークで生まれたこと。人種差別を受けていた人たちが苦しい状況に抗うためにつくったこと。

「この中で自分を知ってもらいたいと思ったことがある人、いる?」という晋平太の質問に、パラパラと手が上がった。

受験の時。自分が将来なりたいことを知って欲しかった、わかって欲しかった

ラップの歴史を知って、生徒は少し身近に感じたのかもしれない。

自分を掘り下げ表現する。そして口に出す。すると道は拓ける。

そしていよいよラップづくりの始まり。何はともあれ、まずは自分の名前にMCをつけてみる。これが簡単に始めるコツなのだそう。私の名前はMC◯◯。それをラップっぽく口ずさむと、ちゃんとラップに聞こえるから不思議だ。

さらに、自分がレペゼンしていること、好きなこと、将来の夢を手元の紙に書き出していく。名前と合わせて4行の自己紹介。練馬から来てる。テニスに夢中。将来の夢は弁護士、などなど。

夢は、不幸になる前に死ぬこと

そんな詩的なことをいう子も。うーん、素質あり。その気持ちをラップにして吐き出すと、きっと違った自分が聴こえてくるはず。

夢を口に出す人は、実現していくもの。自然と道は拓けていく。俺の夢はラッパーだった。ずっとラッパーになりたくて、口に出して、練習してた。本当に信じていることが大切

晋平太からの熱い言葉も飛び出した。

次は書いたことをラップのリズムに乗せて口ずさんでみる。晋平太が一人一人のメモをみながらアドバイスしていく。もう少し具体的に。さっきの文章に付け足して。書いて、口ずさんで、覚えてみる。みんなの飲み込みの早さに驚く晋平太。さぁ、いよいよ発表の時間。

おとなしいのは見た目だけ。ラップで発散する10代の激情

レペゼンは練馬の平和台 その名に反して治安が悪い

趣味はフリーペーパーつくること しかし部活は走ること 夢は教員になること その前に大学受かること

音楽があればそれでいい 夢は音楽史に残したいMy Name

みんなとても上手い。いざマイクを持つと、さっきまでモジモジしていたのが嘘のように、堂々としたラップを披露した。

普段は照れ臭くて語れない夢なども、ラップにすると自然に表現できる。聴く側もスッと耳に入ってくる。お互いのことをスムーズに分かり合える。晋平太いわく「これが言葉の力です」。

みんなが一通りラップを披露し終わったところで、教室も佳境に。晋平太から締め括りの一言。

まさかここまで出来ると思わなかったでしょ? たった一時間で、自分が誰なのか、自分を見つめることができたと思います。これが、一番最初に言った言葉のパワー。しかも発言までできた。このスキルは持ってて損はない

初めてラップやれって言われて、初対面の人の前でラップできたんだから、これから先、だいたいのことはクリアできると思います。それくらいハードルが高くて勇気がいることだった。でもみんなクリアできた。トライできたね

最後は特別に今日だけの特別ライブ。「主人公」を演った。

自分の人生を彩れるのは自分だけ。俺は晋平太をやる。みんなは自分の人生を責任を持って楽しんでください

みんなが一体将来何になりたい しっかり掴んだぜ Be All Right b-lab 今日も明日も いいことヤなこと いろんなことあるかも それでもちゃんと自分の夢に向かい進め

終了後、生徒のみんなからは「ラップはアツい」「スッキリした」「楽しかった」という声が。何より彼らの笑顔が充実を物語る催しとなった。
晋平太「主人公」Music Video

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