──気づいたら俺たちはこんなところまで来てしまったね……。天使は過去の自分を夢のように思い出していた。自分の歌が牧草地を支えたこと。自分の刃が闇を追い返したこと。自分の翼がずっと自分を運んでいたことを。 《セラの天使/Serra Angel》 フレーバーテキストより
こんにちは、KAI-YOUのわいがちゃんよねやこと米村です。上のフレーバーテキスト、素晴らしくないですか? 誇張とか比喩とかでは一切なく、人生を振り返るきっかけになりました。
このテキストが書かれているカードは、9月11日(火)から17日(月・祝)にかけて新宿ルミネゼロにて開催されている「25th Anniversary マジック:ザ・ギャザリング展」(MTG展)に行ったらもらうことができました。 「MTG展」は、世界最初のトレーディングカードゲームとして知られる「Magic: The Gathering」(マジック:ザ・ギャザリング)が誕生から25年をかけて積み重ねてきた文化と歴史を一望できるという展覧会です。 実はKAI-YOU編集部でも2年ほど前から「マジック:ザ・ギャザリング」がブームに。おかげで戦術的ゲームに取り組む「ストラテジー部」まで発足され、競技系ゲームに没頭する日々を送っている人たちがいます。
今回の「MTG展」ですが、実は世界初。連日長蛇の列ができ、そのあまりの来場者の多さは運営すらも予測していなかったとのこと。世の中には様々なゲームが存在しますが、25年間も人々の心を掴んで離さない理由とはなんなのでしょうか。
歴史、感情、記録が流れ込んでくる
「MTG展」で特に印象的だったのは、今はやっていないけど昔やっていた、少しだけど遊んだことがある、という人も多く足を運んでいたことです。いま現在熱中していなくても、自分の人生を構成する要素にMTGがある……そういう人は少なくないと思います。展示の中でなによりも素晴らしかったのが、最初のセット「アルファ」から「ドミナリア」までのストーリーと、その時代を彩った代表的なカードの説明/紹介でした。 25年間、ずっとプレイし続けている人は少ないけれど、一度でも遊んだことがある人は、その時代のセットに対して特別な思い入れがあるもの。丁寧な解説と膨大な資料、企画者の努力がうかがえます。
さらに、デッキビルダー/強豪プレイヤーとして有名な浅原晃さんのセレクトによる「不滅のデッキベスト5」も現物で展示。
歴代最強デッキとして謳われ、全構築環境を崩壊させた悪名高いコンボデッキ「MoMa」や、一世を風靡した赤緑の高速大型ビートダウン「ファイアーズ」などベスト5に恥じないラインナップになっています。 自分が中学1年生のころ、地元・仙台のゲームショップで大学生相手にフリープレイを申し込んだらMoMaに1ターンキルされた記憶が蘇りました。その後、禁止カードが吹き荒れた通称「MoMaの冬」が起こります。
そのほかにも、「マジック:ザ・ギャザリング」の大会の歴史や出来事が網羅された年表、プロツアー京都で実際に使用されたフィーチャーテーブル(実際に座ってプロプレイヤー気分で撮影することも可能)、伝説のTCG専門雑誌『ゲームぎゃざ』のカバーガール展なども行われ、25年の間に蓄積された歴史、感情、願い、祈り、記録などが凄まじい情報量となって流れこんできます。
全部しっかり読んだら3時間くらいかかるんじゃないかな、と思います。
「Magic: The Gathering」の見方が変わる
さらに奥に進むと、「マジック:ザ・ギャザリング」の長い歴史の中でも特に強力だとされる9枚のカード「パワー9」の展示も。 「パワー9」とは、《Black Lotus》《Ancestral Recall》《Time Walk》《Timetwister》《Mox Pearl》《Mox Sapphire》《Mox Jet》《Mox Ruby》《Mox Emerald》の9枚の総称。1枚数十万円から数百万円で取引される貴重な一品です。取材班でも近くでの撮影を禁止されていたので、遠くからの写真になっていますが、オーラが尋常じゃなくありました。
また、かつて渋谷に存在し、多くのプレイヤーが腕を磨いた聖地「DCIトーナメントセンター」に所蔵されていた世界に1枚しかないカード《Shichifukujin Dragon》も展示されています。これは、もう次はどこで見れるかわからないカード。一見の価値ありです。
そして目玉のひとつ、多くのプレイヤーからも好評なのが、「マジック:ザ・ギャザリング」のカード原画の展示です。 これが本当に凄まじい美しさ、迫力でした。小さなカードで見る絵と、まったく印象が異なります。往年の名カードから、初期の物語のキーとなるウェザーライト号の乗組員たちのイラスト、そして世界中のコレクターから人気が高い《末裔の道/Descendants' Path》の原画も。
「マジック:ザ・ギャザリング」のカードデザインは、マーベル・コミックやDCコミックスの作品等でも実績を残す数々のアーティストによって描かれています。
そのほかにも、森本晃司さんやコバヤシオサムさんによるオリジナルアニメーション作品や、極秘情報だらけのメイキング資料も展示。
いずれも食い入るようにして見るお客さんが多く、ゲームや競技としての面白さだけでない、綿密な世界観を持つ「マジック:ザ・ギャザリング」の新たな魅力に気付かされます。
サテライト会場、サイン会も開催
さらに、サテライト会場として用意されている「サナギ 新宿」では、アート集団「MIRRORBOWLER」の手による、《Black Lotus》の作者クリストファー・ラッシュに捧げるインスタレーション作品が展示されているほか、デュエルスペースも用意。「MTG展」を見たあとは、実際にデッキを持ってプレイできたり、初心者講習会も開催されているようです。
また、冒頭に貼った《セラの天使/Serra Angel》のイラストを描いたアーティスト・Scott M. Fischerさんも来日し、9月15日から17日限定でサイン会を開催。会場でもらったカードにそのままサインしてもらえます。素晴らしいですね。 そんなこんなで、入場料が500円なのが信じられないほどに凄まじい密度と情報量のある展覧会となっています。ぜひ遊びにいってくださいね。
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イベント情報
25th Anniversaryマジック:ザ・ギャザリング展
- 開催日程
- 2018年9月11日(火)から9月17日(月・祝)
- 開催時間
- 11:00から21:00 ※最終入場時間は閉館の30分前まで
- 開催会場
- ルミネ ゼロ(JR新宿駅新南口直結 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-55 NEWoMan Shinjuku5F)
- 展示内容
- 生誕25周年を記念した貴重なカードコレクション・原画や、クリエイターコラボ作品など
- 入場料
- ¥500/1名(中学生以下、無料)※来場特典付
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1件のコメント
CKS
MTGやったことないけどスゲー気になる