動画には実力派のラッパーたちが登場。「フリースタイルダンジョン」の2代目モンスター・裂固さんやMCバトル「戦慄 MCBATTLE」Vol.15などで優勝を飾ったTKda黒ぶちさん。
さらに、YouTuberとしても精力的に活動するFRANKENさん、現役中学1年生のMC LIMEさんと、バトルの内容が気になるメンバーが揃っています。
4人は世の中に溢れるさまざまな「喧嘩あるある」をテーマにMCバトルで対決。トーナメントを勝ち抜いた1人には、驚愕のラスボスとの一戦が。 ちなみに、司会者はMCバトルで日本一を決める大会「KINGS OF KINGS」でも司会をつとめるMASTAさんです(本格的ですね)。
果たして、最後のひとりとしてボスと対決するのは誰か、そして予想外のボスの正体とは?
文:山下智也
いい試合ばっかりで、マジでそうさ!
裂固 vs TKda黒ぶち
1試合目では、裂固さんとTKda黒ぶちさんが「夫婦喧嘩あるある」をお題に対決。 まずは、先行・裂固さんが夫婦喧嘩の際に「過去の話を引っ張ってきて超いやらしい」とラップ。一方のTKda黒ぶちさんは、口喧嘩後の展開として「物投げたりする」と主張。持ち味のリズミカルなフロウが炸裂しています。
2ターン目で裂固さんは、「何で喧嘩していたのか忘れる、最後 エスカレートすりゃ皿を割る、腹を割る 事できずモヤモヤしたまま終わる」と見事な韻を畳み掛けます(筆者は、思わず両親の喧嘩を思い出してしまいました)。 TKda黒ぶちさんのアンサーではさらにエスカレートした情景を描写。「ビールに危ない薬入れるやつとかもいる」とサグい内容を歌い勝利。1回戦を突破します。
MC LIME vs FRANKEN
2試合目は、MC LIMEさんとFRANKENさんが「いきった中学生喧嘩あるある」をテーマに激突します。 先手をきったMC LIMEさんは、「いきなり懐からナイフを取り出す 鉄パイプとガスガン持って踊り出す」と見た目からは想像もつかない危ないワードを連発。高速フロウの「マジでそうさ(だ)」がおなじみになっているFRANKENさんも、はじめからギア全開。
年の差がある相手に「マジでそうさ メンチ奢って仲直りすればいいじゃないかよ」と提案します。 しかし、止まらないMC LIMEさんは「裏で教師と親が繋がってる 大体ボス的存在がいる」など客観的な視点のラップも披露。
FRANKENさんはさらに早い高速ラップでアンサーしますが、現役中学生ならではのリアリティーを活かしたMC LIMEさんに軍配が上がりました。
MC LIME vs TKda黒ぶち、ボスの正体も判明
ボスとの対決を賭けた一戦は、「MCバトル喧嘩あるある」をテーマにMC LIMEさんとTKda黒ぶちさんが対決。序盤からMC LIMEさんが脚韻を畳み掛けます。 TKda黒ぶちさんは、「めちゃ傷つくディスした後なのに バトル終わった瞬間ピースになりすぎ」と、MCバトルファンならだれもが思ったことがありそうな内容をラップ。
次のターンでMC LIMEさんが「早口でもビートに乗れる自慢 でも結局 下手うち乗れずじまい」と気持ちいいライムを吐き出します。
TKda黒ぶちさんは、バトルのビートとしてもお馴染みの名曲「蜂と蝶」あるあるを挙げつつ、「賞金が五万円だと『五万円でご満悦』ってみんな踏みすぎ」というあるある韻で応酬。 見事に優勝を納めたのはTKda黒ぶちさんですが、最後に正体不明のボスとの対戦が待っていました。 「ヒヨッコが、来よったな」と開口一番高圧的なボスのラップに対して、姿を見せないボスに「一体誰だ?」と詰め寄りながら、不敵な笑みを浮かべて韻をぶつけるTKda黒ぶちさん。お互い一歩も引かずにバースが終了。
と思いきや、ここでボスに異変が起き、正体が明らかとなります。その正体はなんと日本ヒップホップのレジェンド・Zeebraさんだったのです。
普段は司会者、オーガナイザーとして活躍しているZeebraさんがフリースタイルラップバトルに挑むのは、なんと9年ぶりのこと。
「本当の喧嘩、俺が教えてやる」と豪語して現れたZeebraさん。まさか…でも納得なボスの登場にTKda黒ぶちさんは生き生きした様子。 Zeebraさんは、圧巻の立ち振る舞いで「Hey Yo TK、よく聴け!」というラップから切り出す。TKda黒ぶちさんは、1990年代の伝説のヒップホップイベント「さんピンCAMP」に魅せられた思い出とともに、Zeebraさんへのリスペクトを歌います。
しかし、2ターン目にZeebraさんは「TKって言ったら小室 だからニセモノは葬ろう」とクールに締めくくりました。今では滅多にお目にかかることができないZeebraさんのバトルでした。
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