写真家のクリスティーン・ヴァラダさんが自身のTwitterで、ハリスンさんの妻から依頼され、「眠りながら息を引き取った」ことを明かしている。
多くの著作を刊行してきた早川書房公式サイトでは追悼文を掲載している。Susan Ellison has asked me to announce the passing of writer Harlan Ellison, in his sleep, earlier today. “For a brief time I was here, and for a brief time, I mattered.”—HE, 1934-2018. Arrangements for a celebration of his life are pending.
— Christine Valada (@mcvalada) 2018年6月28日
SF界の巨匠、ハーラン・エリスン亡くなる
ハーラン・エリスンさん、1934年オハイオ州クリーブランド生まれ。1949年に初の短篇小説『The Gloconda』と『The Sword of Parmagon』をクリーブランド・ニュースに発表した。オハイオ州立大学中退後、1955年にニューヨークに移り、雑誌を中心に小説を発表。小説の執筆と並行して、『宇宙大作戦(スター・トレック)』『アウターリミッツ』『ヒッチコック劇場』などTVドラマの脚本も手がけている。
しばしば指摘されている通り、華麗な文体はエリスンさんの特徴のひとつ。84年の生涯で遺した作品は1000以上。複数の賞を受賞した「『悔い改めよ、ハーレクィン!』とチクタクマンはいった」(1965年)をはじめ、1960年代から1970年代にかけて、「死の鳥」「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」「少年と犬」などの数多くの傑作短篇を発表した。
また、全作書き下ろしの巨大アンソロジー『危険なヴィジョン』(1967年)を編纂し、SF界を牽引する存在に。その後も精力的に作品を発表し、半世紀以上にわたり、アメリカSF界を代表する短篇作家として活躍した。
聞き覚えのある人も多いであろう「世界の中心で愛を叫んだけもの」は、TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の最終話サブタイトルの元ネタとしても有名だ。
多作、かつ世界的に名だたるSF作家であることを考えると、意外にも日本訳されて現在も流通している書籍は少ないと言える。
スティーヴン・キング「あの世でも活躍するはず」
Twitterでは交流のあった作家や出版関係者らが哀悼の意を表している。小説家のスティーヴン・キングさんは「ハーラン・エリスンのような人間はアメリカの文学界にはいなかった。彼は激しく、面白く、雄弁で、とてつもない才能の持ち主だった。もし死後の世界があるなら、すでに彼は誰にもできないようようなことを成し遂げているはずだ」とコメントした。
映画批評家のスコット・マンツさんも、エリスンさんが脚本を担当した『宇宙大作戦(スター・トレック)』のエピソード「危険な過去への旅(The City on the Edge of Forever)」を振り返るとともに、「RIP(安らかに眠れ)」とのメッセージを送っている。Harlan Ellison: There was no one quite like him in American letters, and never will be. Angry, funny, eloquent, hugely talented. If there's an afterlife, Harlan is already kicking ass and taking down names.
— Stephen King (@StephenKing) 2018年6月28日
RIP Harlan Ellison, writer of “The City on the Edge of Forever,” the greatest #StarTrek episode of them all — Ellison died in his sleep at the age of 84. pic.twitter.com/IG3WjFti1Y
— Scott Mantz (@MovieMantz) 2018年6月28日
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