開発したYuji Nakada(@hikaeme)さんによると、「microUSBで充電して30分くらい動きます」とのこと。
懐かしさを感じさせるカセットテープを使いながらストリーミングで音楽が再生できる。
ツイートへのリプライには、「すごい!」「昭和と平成の技術の融合」といった称賛のほか、給電の自動化に向けたアイデアも寄せられています。
インターネットストリーミング音楽が聴けるカセットテープを作りました。microUSBで充電して30分くらい動きます。https://t.co/fgBJz9XHtY pic.twitter.com/yiIJ5eiV7e
— Yuji Nakada (@hikaeme) 2018年6月26日
カセットテープでストリーミング音楽が聴ける
気になるその仕組を、開発者であるYuji Nakadaさんに解説していただきました。まずは、そもそもの構造から。ちなみに使用したカセットテープアダプターはこちら(外部リンク)。「カセットテープアダプター」という市販の商品があります。これはカセットテープからイヤホンケーブルが出ているようなもので、そのケーブルにMP3プレーヤーなどを接続すると音声信号がカセットの磁気ヘッドから出力するものです。なのでそれを使うと、イヤホンケーブルに入力した音声信号をカセットプレーヤーで聴くことができます。
続いては、マイクロコンピュータ・ESP32に書き込まれている再生ソフトについて。今回は、このアダプターをハックして、Wi-Fi機能搭載マイコン(ESP32)とアンプとバッテリー、バッテリー充電回路を内蔵しました。アンプからの音声出力は、カセットアダプターのイヤホンケーブルの終端にある磁気ヘッドに直結してあります。これでESP32から出る音声出力を、アンプ回路と磁気ヘッドを介してカセットプレーヤーに入れています。
カセットテープにはスピーカーを有していないため、プレーヤーは必須。一方で、スマートフォンのテザリング機能を使えば、ポータブルプレーヤーやカーステレオでも聴くことができます。 さらに今回の制作意図についてもうかがいました。ESP32には、オープンソースのインターネットストリーミング再生ソフト「KaRadio32」を書き込んであります。こちらにはほとんど手を加えていません。電源を入れたら自動で設定したWi-Fiに接続して、設定しておいたインターネットラジオ局からストリーミング再生を始めます。スマホから局の変更操作などもできます。
そのため「スマホで操作、というところは意図していない」とのこと。今回の作品の制作意図は、すべてのモノがスマホアプリに置き換えられていく現代、「スマホ以外」の選択肢について思索することです。もしこの世にスマホがなかったら、ぼくらは音楽をどのように楽しんでいたのだろう? いまでもラジカセを使っていたのだろうか?
…などといった想像を元に、実際に機能するプロトタイプを提示することによって議論のきっかけとなればと思っています(専門用語ではスペキュラティブデザインといいます)。
YouTubeに投稿された動画では、カセットテープをプレーヤーにセットして、実際に音楽が流れる様子が。
もはや当たり前となったスマホですが、改めてそれ以外の選択肢を考えることで、新しいプロダクトの誕生につながる。
前述の通り、Yuji Nakadaさんへのリプライには様々なアイデアが集まっているので、それらを参考にしながら自ら開発に挑戦してみるのはもちろん、日常的に使っているデバイスがなかったケースを想定して思索にふけるのもいいかもしれません。
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