AIがラッパーを超える!? チートすぎる「韻ノート」開発者インタビュー

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AIがラッパーを超える!? チートすぎる「韻ノート」開発者インタビュー
AIがラッパーを超える!? チートすぎる「韻ノート」開発者インタビュー

「韻ノート」

POPなポイントを3行で

  • 「韻ノート」の開発者インタビュー
  • 日本人の韻リテラシーを高めるために開発
  • Googleの検索ボックスで韻を調べれるようにしたい
はじめまして、アプリ「ラップバトル」(外部リンク)開発者の庭球(ていきゅう)です。

皆さんは「韻ノート」をご存知でしょうか?

韻ノートは、200万語以上の韻が検索できるサイトです。母音検索や漢字での検索もでき、気に入った韻を保存したり、韻の解説を見たりできるほか、どのラッパーが踏んだ韻かも調べられます。

また、その人気からアクセスが集中し、サーバーがダウンしたことも。

そんな、今注目を集める「韻ノート」の開発者・細川貴英さんと仲良しなので、韻ノートができた経緯や今後の展望について話を聞いてみました。

「韻ノート」を開発した経緯について

細川貴英さん

庭球 そもそも、なんで韻の検索サービスを作ったんですか?

細川 ずっと「日本人の韻リテラシーを高める」ということを目標に活動してて。

これまで、ブログや本で「韻とは何か」を解説してきたのですけど、その最終形態としてずっと考えていたのが韻の検索サイトでしたね。

リテラシーって読み書き能力だと思っていて、韻とは何か解説するだけじゃなくて「書き」のほうの手助けがしたいなと。

僕の本業はWebエンジニアなので、韻の検索サイトはタイミングを見てつくりたいなと思ってたんですけど、つくる労力の割にはあんまり使ってもらえないだろうなと思って行動には移せずにいました。

ただ、昨今のラップブームで、特に中高生や社会人でもラップをやりたいって人が増えて、そういう人たちが韻の基礎を学べるように、今が絶好のタイミングなんじゃないかと思ったんです。

一方で、これだけラップが流行ってもいまだに、韻=ダジャレとか、ラップ=ジョイマン(お笑い芸人)みたいな認識の人が多いのも事実。そういう人たちが「韻って今までバカにしてたけど意外と奥が深いな」って思ってもらえるきっかけになればと思ってます。

庭球 まわりは最初どんな反応でしたか?

細川 リリースしてすぐは、ラップ好きの人を中心に使ってもらえたような気がします。ただ、もともとラップが好きな人からは賛否両論でしたね。

「韻を考える楽しみを奪わないでください」「いますぐサービスを停止してください」みたいなメールが来たりしました。

その気持ちは理解できるんですけど、こういうAIがラップをやるみたいなことって、技術的にはそこまで難しくはないはずなので、近い将来どんどん出てくると思ってて。

ラップや韻をいまいち理解してない人たちが参入してきて、微妙な韻を踏むAIが出てきたら、またラップがバカにされるっていう未来は見えました。

それは嫌だったので、韻についてしっかり勉強してる僕に任せてほしいっていう気持ちは信念としてありましたね。

なので、クオリティも高いものを目指しました。

庭球 紹介されたツイートがバズりにバズってましたよね。 細川 サーバが落ちまくって大変でした…

そこまでラップに興味のない人たちにもこんなに楽しんでもらえるサイトだったんだと気づいた一方、やっぱり「韻ノートってジョイマンじゃん」っていうツイートが多かったことに驚きましたね。

言っときますけど、韻ノートのほうが、ジョイマンよりも圧倒的に質の高い韻を踏んでますからね(笑)。

「日本人の韻リテラシーを高める」ってのは、ちゃんとした韻とジョイマンのギャグの違いを分かってもらうことなので、そこが伝わるまで、僕は引退するわけにはいかないなぁと思いました。

庭球 Kダブさんとか、AV男優のしみけんさんとかもツイートしてましたよね。 細川 いろんな業界の人や有名なラッパーの方に使ってもらえたのは嬉しいですね。もちろん、Kダブさんぐらいの方になると、こんなツイートの内容も、「AIラッパーなんか俺のライムで蹴散らしてやるわ」みたいな感じだったと思うんですが、その通りで、韻ノートが本物のラッパーに勝つにはバイブスが必要です。間違いなく。

庭球 すごく検索されてるワードとかありますか?

細川 多いのは、推しのアイドルの名前とかですかね。

韻ノートの機能に、「この単語を他の人も検索できるようにする」ってボタンがあるんですけど、あれは、一般人の名前とかが勝手に登録されて迷惑をかけないように、全部目視でチェックしてるんです。

そうすると、僕の知らない人名とかはググって著名人かどうか調べて。そうすると、もうほとんど地下アイドルの名前ですね。びっくりしました。

庭球 細川さんのお気に入りの韻の組み合わせは?

細川 時事ネタで検索する人も多いんですけど、「コインチェック」と「貯金全部」で踏めるみたいな、意味が通ってる韻は好きです。

あとは韻ノートの特長のひとつが、漢字で単語を入力しても自動的にひらがなに変えてくれるってのがあるんですけど、やっぱりたまに読み方を間違ってしまうことがあって、「関ジャニエイト」って入力したら韻ノートは「せきじゃにえいと」って読み間違えて「エビバディセイホー」と踏めますって提案してきたりね。

たまに頭いいのか悪いのかわからないときがあります。

庭球 今後、サービスはどうなっていくんでしょうか?

細川 例えば英単語を調べるときって、Googleで調べたい単語のあとに「スペース+英語」ってのをつけて検索すると思うんです。「横断歩道 英語」みたいな。

それと同じように、韻を踏みたい言葉があったら、「横断歩道 韻」みたいな感じで、韻ノートの検索ボックスではなくて、直接Googleの検索ボックスに「◯◯ 韻」と打ち込んで検索できる世の中になればいいなって思ってます。

そしたら韻ノートが検索結果の最初に出てきて、「横断歩道は餃子の王将と踏めます」みたいな。

そうやって検索する人が増えた結果、最終的にはGoogleに「横断歩道」って入れた時点で「横断歩道 韻」ってのが予測検索で出てくるようになってほしい(笑)。

庭球 今ってどんな単語入れてもだいたい「◯◯ 英語」って出てきますよね。

細川 あれは英語に興味がある人がそれだけ多い証だと思うんですけど、それぐらい韻に興味ある人が増えて「◯◯ 韻」がナチュラルに出てくる世の中になってほしいですね。

庭球 最後に何か、読者に伝えたい事はありますか?

細川 そうですね、韻ノートもいいんですけど、最近、「MogMog」(外部リンク)というグルメサイトを作ったので、そちらも使ってください(笑)

ラップの面白さを感じる


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