草食系ライター2人が相席屋に放り込まれたら？ 検証してみた

黙々と食べる女性にどう切り込もうかと。逆に相手の精神にダメージを与えて、泥仕合をするしかないと思ったんだよね。
菊池　戦闘的だなぁ。
ボイ　それぐらい、もう相席居酒屋へのコミュニケーションにネガティブなイメージを持っていたから。女性と戦う前提だったの。

これは余裕がある人向けだ

菊池　店の内装もすごかったね。
ボイ　バブルだった。バブルへGO。店に入った瞬間さ、レジにMacBookが3台横並びで置いてあって。意識が高いな、って思った。 菊池　あれ、何だったんだろうね。こういう店、他に行ったことないから比べられないけど、お金がいっぱいかかっていたね。
ボイ　各テーブルにゆったりとしたソファーがあって。
菊池　システムとしては相席を頼んだら女性のいるテーブルに店員が案内してくれるんだよね。どういう人がいいのか、リクエストはできた。それで僕らも女性のいるテーブルに行ったんだけど、必ず女性と横並びで座らされるのね。
ボイ　そうそう！　あれは予想外だった。

■ ■
　■
　■

菊池　こういう風にソファーがあって、

女 女
　　■
　　■

菊池　女性はこう座っていたわけ。だから、

女 女
　　男
　　男

菊池　こんな感じで座らされるのかな、って思ったら、

女 男
　　女
　　男

菊池　こうされたんだよね！　わざわざ、女性を移動させて。店員はそっちの方が良いだろうってしてくれたんだけど。僕らには逆効果だね。
ボイ　もうそれだけでテンパっちゃって、事前の作戦をぜんぶ忘れちゃったね。いろいろ考えていたんだけどね、どんな話題を振るかとか。
菊池　そう。真横の女性とどうコミュニケーション取ろうかって頭がいっぱいになっちゃって、4人で話すことなく……。 ボイ　余裕がなくなったね。そういう空気に慣れてなかったし。
菊池　1対1でずっと喋っていたよね。実際に話してみてどうだった？
ボイ　喋れば喋るほど、相手が白けていくのがわかった。まず「ボイ」って名前に引かれて。

※「ボイ」は本人が自分でつけたペンネームです

ボイ　それで空白を埋めるために、わけわからないことを言っちゃって、さらに引かれた。
菊池　そう？　けっこう盛り上がっているように感じたけど。LINEを交換してたでしょ？
ボイ　それは、ミッションとして決まっていたから！　その子がテレビ好きってことで「じゃあテレビ情報発信するメルマガかbotだと思ってください！　ブロック前提でいいんで！」って感じで。

※事前にKAI-YOU編集部に「LINE交換を目標にしよう」と言われていました

コミュニケーションできないとつらい

ボイ　店員さんと相談していたからさ、おとなしそうな人と相席してもらったわけだけど、これが裏目に出た。相手がおとなしいと、自分で話さなきゃいけないんだよ！
菊池　ほんと、そうだったね……。あれは辛かった。相手も困っただろうけど。
ボイ　だから、僕らみたいなタイプは相手が陽気にしゃべってくれる方がいいんだよね。
菊池　2組目はそんな感じで助かったね。向こうがガンガンしゃべってくれて、僕らみたいなタイプをいじってくれて。
ボイ　そうそう。同じ会社で働く、僕らよりちょい年上ぐらいのOLさんたち。
菊池　席についた瞬間に「私たちのテーブルの食べ物目当てに来たんでしょ」って、まずそういうジャブがあって、あとはもう……。
ボイ　殴られるがまま。 菊池　話してみて気づいたんだけど、無理やりにでも笑った方がいいね。場が和むっていうのもあるけど、笑った方が間が持つ。

相手の発言
↓
自分の発言

菊池　よりも

相手の発言
↓
笑う
↓
自分の発言

菊池　この方が一つの話題で長く話せる。相手が冗談めいたことを言ったら、とりあえず笑った方がいい。「あっはっは」じゃなくて、「えー？　あっはっは」って。「えー？」ってリアクションをつけるとさらに時間を引き伸ばせる。
ボイ　そういう考えの人は「そもそも相席屋行くなよ」って感じだろうけどね。

※あいにく、場所柄なのか撮影OKな女性はいませんでした

まとめ

菊池　まぁ、結果から言うと、3組と話したんだけど、僕らみたいなタイプでも楽しめる方法みたいなのはわかりました。
ボイ　いるのかはわからないけど、インドアでコミュニケーションが苦手な人でも行きたければ、って話ね。
菊池　まず、「相席居酒屋に行くから」って気合入れて行ったらダメだね！
ボイ　勝負服で行ったり、リア充のふりをしようとしたりね。
菊池　引きこもりだったら、引きこもり丸出しで行った方がいい。そしたら、店員の慈悲心が引き出されて、「トラウマにならないにしないと」って優しくしてくれるから。
ボイ　女性客の前でもそう。正直にぶるぶる震えていた方が、温かく接してくれる。
菊池　そうそう。それで出会いが発展するかはわからないけど。 ボイ　うん……たぶん発展しないだろうね。でも、緊急事態的に行かなきゃいけなくなったときは、そうした方が精神をすり減らさずにしのげる。場の雰囲気に合わせようと無理した方が、大ダメージだよ。
菊池　致命傷になりかねない。あとあんまり深い時間に行かないほうが良い。3組目の人たち、夜の11時ぐらいだったんだけど、もうさんざん飲んでいてベロベロだった。
ボイ　片方の人、寝てたからね。はっ、と起きたかと思ったら「終電、終電……」ってつぶやいて、また寝ていた。
菊池　もう片方の人は、僕たちのこと笑いながらボロクソに言っていたからね。引きこもりっぽいとか。
ボイ　逆にベロベロの人としゃべりたかったら夜遅くに行くと良いかもしれない。
菊池　それはもう、僕らとは縁のない世界の話だな。EXILEの世界でしょ、それは。
ボイ　その例えはよくわからないけど。

※どういう偏見を持っているんでしょう

ボイ　きみはプライベートでもう一回行ったりする？
菊池　誘われたら行くかな……。誘った人のおごりだったら。
ボイ　いやしいな。
菊池　そういえばボイくんは、LINE交換した人からは返事あったの？ ボイ　友人になるのは恐れ多いから、テレビ情報発信基地として関係性を紡いでいこうとしたけど、既読スルーされたよ。というか、きみも3組目の人とLINE交換してたでしょ？
菊池　いや……まぁ、返事はこないよね。

ここまでの撮影はカメラ：ニコンD5 、レンズ：AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
http://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d5/