中盤戦では選手が失神!そしてプロレスラー・今成夢人選手が登場!
大会も中盤に差し掛かってくると、2階席であるスタンド席にも多くの観客が集まってきていた。そんな中、17試合目では誠哉選手が2ダウンを奪い、鮮やかなTKO勝利を披露した。 しかし、その後対戦相手の大塚一樹選手はしばらくの間リングから動けず、リングドクターが駆けつける事態に。無事に大塚選手は立ち上がったものの、アマチュアとはいえ格闘技という命を賭けた勝負事であると再認識させられた。 第20試合には、大会前から格闘技シーン、プロレス界の両方から注目されていた、プロレス団体・DDTの映像班であり、ガンバレ☆プロレスのレスラー・今成夢人選手が登場。 総合格闘技における殴打戦の名勝負としてしられる「高山善廣 VS ドン・フライ」を思わせるような、熾烈な打撃戦を展開した。 結果は今成選手の判定負けに終わったが、山口選手と互いに清々しい表情で握手を交わした。
不良の格闘技というイメージとは裏腹に、スポーツマンシップに溢れる場面をアウトサイダーのリングでは非常に多く見かけた。
アウトサイダーの会場に集まった人々!
アウトサイダーの会場には、格闘技ファンはもちろんのこと、出場する選手を応援するために、選手の知人・友人のかたが多く押しかけていた。 タトゥーの入ったオラオラ系と呼ばれるような男子や女子のお客さんが多いが、それもアウトサイダーならではの光景だ。会場には屈強なセキュリティが立っていたり、手荷物検査には金属探知機まで用意されているなど、ものものしい雰囲気からも、アウトサイダーに対して「イリーガルな地下格闘技」というイメージをもっている人も多いかもしれないが、あくまで不良や暴走族といったバックボーンをもつ選手が多いというだけである。
もちろん、これまでにも乱闘騒ぎが起きるなど、一般的な格闘技団体のイベントと比べるとリング外にも独特の緊張感が漂うが、そうした中で観戦するアウトサイダーたちの試合はしびれるほどに刺激的だ。
女子シングルマッチ!流血から脱臼まで壮絶な女子の闘い
第22試合からは女子シングルマッチが3試合行われた。初戦には、悪羅悪羅系ギャルとしてモデルなどの活動で知られる塚本波彩さんが登場。勝利を挙げた初戦に続き、これで2回目の参戦だ。 塚本選手の健闘虚しく、キックボクシングの経験を持つ華麗DATE選手が判定勝ちを収めた。塚本選手の流血跡からも分かるとおり、男子の試合に比べても引けを取らないほど女子アウトサイダーも全力の格闘技を行う。 次の池田聖奈選手と真理DATE選手の試合では、池田選手がマウントポジションを取り果敢にパウンドを繰り出すも、真理DATE選手のキックに苦戦し結果はドロー。 続いて、アウトサイダーでの戦績は3戦2勝1敗と、女子アウトサイダーとして奮闘している山崎桃子選手が登場。対する華DATE選手は18歳という若さながらも、すでにアウトサイダーでは1勝をあげている。 女子シングルマッチの最終戦となった24試合目。開始早々、激しい攻防を繰り返す中で山崎選手の肩がまさかの脱臼。山崎選手の講義も虚しく、レフリーストップにより華DATE選手が勝利を収めるかたちとなった。大会のラストを飾る!アウトサイダーの名選手・黒石高大の引退試合
本大会の最終試合、そしてメインイベントとして黒石高大選手の引退試合が行われた。黒石選手はアウトサイダーの第1回大会から参戦。キャリアのはじめは鳴り物で参戦するも負けがこんだ上、仲間が立て続けに乱闘を起こすなど、何かと騒動を呼んだ黒石選手だが、その後は着実に実力とともに戦績も伸ばしていった。現在はテレビドラマや映画など俳優としてもキャリアを積んでおり、今回の引退は俳優業に専念するためだという。 その活躍は不良がアウトサイダーという格闘技の場を通じて、華やかな夢を掴み取るという、まさにアウトサイダードリームの象徴でもあった。そんな黒石選手の引退試合に、集まったファンはこの日一番の盛り上がりをもって迎えた。
対戦相手を務めるのは、戦友・啓之輔
対戦相手の啓之輔選手も、当日までのアウトサイダーの戦績は、26戦18勝8敗(プロ戦含む)と、アウトサイダーの歴史を示す闘いの数とともに、圧倒的な勝ち星を誇る人気選手だ。黒石選手が「最後の相手はこの人しかいない」と語ったことに対し、啓之輔選手も「俺もそう思っていた」と返したという。そんなアウトサイダーを象徴する2人の試合は意外な展開を迎える。
黒石高大引退試合のゴングが鳴らされる!
試合開始早々から、激しい攻防を展開。ほぼ同時に蹴りを繰り出し、激しくぶつかり合う両者。黒石選手の右ハイが入り、啓之輔選手が倒れるも有効な追撃ができずに終わる。 啓之輔選手の猛打から両者がもつれ気味に一気にグランドの攻防へ。すぐさま、啓之輔選手が黒石選手の首を掴み取る。一瞬のスキを見逃さず、一気にフロントチョークを決めにかかる。結果、1ラウンド1分ちょうど、フロントチョークにより、失神寸前まで粘るも、ついに啓之輔選手が勝ちを収める。
黒石高大の男泣き! 格闘技ならではのドラマがある
勝利者に与えられるメダルを受け取ったのち、啓之輔選手が黒石高大選手の健闘、そしてこれまでの活躍を讃えた。「こいつがアウトサイダーを引っ張ってきたんです!!」という啓之輔選手の言葉に、異を唱える者がいるはずもない。あっけない幕切れにも見える試合だったが、黒石選手は、必ずしもその強さでファンを魅了してきたわけではない。アウトサイダーのリングでは、5回目の参戦でやっと白星を勝ち取った黒石選手。憎めない人柄と、喧嘩屋だった彼が格闘技を学びアウトサイダーのリングで成長しながら生み出してきた数々のドラマがあった。
互いにアウトサイダーの歴史を象徴する存在であり、格闘家として拳を交わす本人たちにしかわからない深い絆で結ばれた戦友・啓之輔選手自ら、格闘家としての「黒石高大」に引導を渡した鮮烈な瞬間だった。 涙を浮かべながらも凛としてリングに立っている黒石選手の姿は、アウトサイダーとしてだけでなく、俳優としてこれからの将来をしっかりと見据えているように感じられた。
母への感謝を述べ、最後までファンや関係者に挨拶をして回る黒石選手の姿がそこにはあった。
黒石のお母さんはシングルマザーで、離婚直前に子供を家の外に置いて夫婦ゲンカして、黒石は妹を抱いて泣きながら外で待ってて、最後は結局刑務所に入って黒石はおばちゃんに育てられるんだけど、それでも黒石の引退にあたっての最後の言葉は。「俺を育ててくれてありがと♡」なんだよね…。
— tatsuyakay (@tatsuyakay) 2015, 12月 13
アウトサイダーは現代版「明日のジョー」を探すという前田日明さんの思いもあり旗揚げされたイベントだ。格闘技経験がない者でも才能と努力次第では拳ひとつで成り上がることができるという、漫画のようなサクセスストーリーを叶えられるのがアウトサイダーのリングの魅力である。
すでにアウトサイダー本大会は2016年3月27日(日)に東京・ディファ有明にて開催されることが決定している。観戦はもちろん、2016年1月4日(月)より選手募集が開始されるので腕に覚えのある猛者はぜひとも応募してみてほしい。
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イベント情報
THE OUTSIDER 次回本大会
- 開催日時
- 2016年3月27日(日) 15時予定
- 場所
- ディファ有明
- 選手募集期間
- 2016年1月4日(月)〜同年1月22日(金)必着
- 応募資格
- 年齢16歳〜35歳までの男女(プロでの試合経験が3試合以上の者は不可)
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