中国SF『三体』ガチ勢のVRクリエイターたちが実写ドラマ版を語り尽くす

中国SF『三体』ガチ勢のVRクリエイターたちが実写ドラマ版を語り尽くす
中国SF『三体』ガチ勢のVRクリエイターたちが実写ドラマ版を語り尽くす

(C)TENCENT TECHNOLOGY BEIJING CO., LTD.

中国発の世界的ベストセラーSF小説『三体』が近年、文学界に大きな話題をもたらした。

劉慈欣(リュウ・ジキン)さんによるSF小説で、権威あるヒューゴー賞の長編部門をアジア圏の作品として初受賞。全3部の世界累計発行部数は2900万部を超え、20カ国以上の言語で翻訳されている。

そんなSFスペクタクル小説である『三体』の実写ドラマが、10月からWOWOWでの独占放送・配信が開始された。

舞台となるのは2007年、北京オリンピック開催間近の中国──研究者の汪淼(ワン・ミャオ)は世界各地で相次ぐ科学者の自殺、そして知り合いの女性物理学者の死を知らされる。一連の自殺の謎を追って、汪淼は、地球ではない星が舞台のVRゲーム「3body.com」の世界に入る……というのがドラマの筋書きだ。

VRゲームが大きな鍵となる『三体』はSF好きはもちろん、実はVRクリエイターからの支持が厚い。そこで、『三体』好きのVR有識者が集結して座談会を実施。

BUSSAN
「VRChat」で、VRを活用した映像制作やデザインなどをメインに活動。現在は、VRゲームを開発するMyDearest株式会社にて「VRコミュニケーター」(広報担当)としても活躍中。

三日坊主さん
自身のバーチャル音楽ライブやVRワールド制作のほか、サンリオの音楽ライブ「SANRIO Virtual Festival」でのTORIENAのVR特化型ライブの制作・演出、VJとしても活躍。VRアーティスト・0b4k3さんの「voices feat. kinu」のMVなどを手がけたことでも知られる。

zenさん
株式会社ポリゴンテーラーコンサルティングのCOO。フリーランスとしても、3Dアバター制作を行なう。VRChatでアバターをつくりたい&いじりたいと思った初心者がまず辿り着く「ワニでもできるモデリング講座」動画で有名。なお、『三体』に関する同人誌も出すほどのガチ勢。

有識者から見た作中のVRゲーム描写、原作ファンが映像化で驚いた部分とは? そして、『三体』でも重要な鍵を握る“VRを通した他者理解”という点について話を掘り下げる。

熱量の溢れた座談会から、ネタバレに配慮しながら記事を配信。『三体』にちょっと興味あるけど小説は長そうで……という方も、この機会にその魅力に触れてほしい。

目次

解釈の不一致なし! ドラマ版は『三体』の入り口としてオススメ

──今回、皆さんにはドラマ『三体』を第10話まで視聴いただきました。率直なご感想はいかがでしょうか?

めっちゃ良くできてませんか? 正直『三体』の映像化って言われたとき、まずみんな「できるの?」って思うはず。

映像化を知ったときは、もう衝撃でした。「これはすごい!」って思ったんですけど、周りの『三体』を知らない人はシーンとしてるんですよ! 「絶対読んだ方がいいよ」ってめちゃくちゃ布教をしました。

もちろん文字でしか表現できない領域はあると思うんです。けど、実際にドラマを観ると、本を読んでたときに頭の中に浮かんでいたイメージや空気感がそのまま再現されていると感じました。

だから原作の日本語訳も良くできてたんだと、改めて感じて嬉しかったですね。予告の最後にも少し登場している、第1部のクライマックスシーンも楽しみです。

【先行配信!】「いよいよ日本上陸!「三体」完全ガイド」 みどころ編

でもドラマ10話だと、話が盛り上がるのはまだこれから。未来人や宇宙人のビジュアルとかどうするんだろ。第3部から登場する私の一番の推しであるトマス・ウェイドが映像になるのが楽しみなんですけど……(笑)。

今回のドラマ全30話で原作第1部にあたるストーリーが描かれると、その先の物語は宇宙規模で展開されます。第2部の1000隻規模の宇宙艦隊の戦闘シーンとか、めちゃくちゃ見てみたい。

4次元空間とかも登場するんですが、どう表現するんだろ?

次元が折りたたまれていくところはどう映像化してるんだろう……。個人的にその部分が一番気になります。ここまでの映像化を見ていても、解釈の不一致がなかったので、全力でSFしている部分を楽しみにしていますね。

原作では序盤、中国の文化革命の描写から始まって「SFはまだか!?」となってしんどかったんですよね。けど、ドラマではそこのパートを少し後ろに持っていっている。

わかります! 友だちに勧めるときも、1巻の1章が一番しんどいから、そこは後で読んでもいい!って言いますもん。最近は前日譚の『三体0【ゼロ】 球状閃電』から読むのもオススメって言ってます。

あそこで脱落する人、結構いると思うんですよね。僕も何人かに勧めると、大体あそこで1回止まるんですよ。

──その点、ドラマは老若男女向けに、のめり込みやすい構成になっていましたね。

もちろん気になるのはこれから先のSF描写なんですけど、視聴した第10話まではそうした編集も込みでめちゃめちゃ良かったです。

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