【世界の性事情調査】最も早熟で最も性教育に消極的な日本

【世界の性事情調査】最も早熟で最も性教育に消極的な日本
【世界の性事情調査】最も早熟で最も性教育に消極的な日本
アダルトグッズブランドのTENGAが、全18カ国を対象にした、マスターベーション(自慰)に関する大規模調査結果を発表した。

ヨーロッパ、北米、南米、アフリカ、アジアといった世界の文化圏にて、18歳から74歳までの13,039人に行ったネット上でのアンケート(実施は2018年2月20日〜2018年3月22日)。

TENGAは、マスターベーションについてこの規模の人数・国を対象に行った大規模なグローバル調査は「世界初」としている。

日本に注目しても興味深い調査結果となっているので、「マスターベーション世界調査」(TENGA Global Self-Pleasure Report)の一部を紹介しよう。

日本は世界一の早熟国?

まず、日本が唯一、全18カ国中トップだった数字。それは、マスターベーションの初体験年齢だ。

日本人1000人のうち、マスターベーションをすると回答した766名を対象に初体験年齢を聞いたところ、平均は14.6歳となった。これは18カ国中最も若い年齢で、最も遅いのはケニアの18.4歳。

国別でのマスターベーション初体験年齢

アンケートを実施した18カ国に限って言えば、世界一の早熟国と言うこともできる。

国内の地域別で見てみると、もっとも早熟な地域は平均13.3歳の九州。逆に、最も晩成型なのは、15.1歳の関西という結果に。

国内の地域別でのマスターベーション初体験年齢

関西地方の次に晩成型なのが関東地方(15.0歳)となっていることから、東京・大阪などの主要都市を含む地域よりも、地方エリアの方がマスターベーション経験が早い傾向にあります。「マスターベーション世界調査」結果発表よりコメント抜粋

興味深いのが、年々、日本での早熟化が進んでいるという点だ。日本人の年齢別でのマスターベーション初体験年齢は、55歳以上の平均が15.6歳なのに対し、34歳以下の平均が13.37歳となっている。

国内の年齢別でのマスターベーション初体験年齢

また、日本人が1回のマスターベーションに費やすおよその時間は、男性は平均15.76分、女性は12.84分。

年齢別では34歳以下が平均18.19分、55歳以上の人は11.12分となり、年を重ねるほど早く済ませる傾向にあることもわかっている。

日本の性教育は世界一…

逆に、日本が最も低い数値となった調査は、「マスターベーションに関する性教育の受講経験」の有無だった。

自身が子どもまたは10代の頃に教育現場で性教育を受けたことがあるかの調査では、日本人の約半数にあたる53%が「受けたことがある」と回答。この結果は上から10番目で、ほぼ平均と言える。

国別での性教育受講経験

ただし、さらに「性教育として取り上げられたトピック」を調べると、「マスターベーションについて習った」と回答した人の割合はいずれの国も半分以下。日本ではわずか12%に留まり、ロシアと並んで最低水準という結果を示した。

国別でのマスターベーション性教育受講経験

つまり、日本人のマスターベーション初体験年齢は世界で最も若いにも関わらず、教育現場ではマスターベーションに対する性教育が世界一消極的、ということになる。

早熟だが独学。そんな日本人の性事情が見えてくる。

日本は不満大国?

もう一つ、日本が最下位を示した数字がある。それは、調査を行ったTENGAの定める性生活満足度において。

自身の性生活満足度のアンケートでは、18カ国中、日本の平均満足度は37.9ptと最下位になっている。

性生活満足度

なお、1位はインドの85.6ptは、2位はメキシコの82.3pt、3位はブラジルの81.2ptと、最下位の日本と比べると倍以上の差を示している。

アジア圏の満足度は低い傾向にあるが、中でも日本は世界的に見て不満大国であると言うこともできる。

その理由や背景を推し量ることは難しいが、調査を行ったTENGAは「性的満足度の高い男性像」として5つの項目を上げている(上記の結果は男性限定のアンケートではないが)。

1.自分の感情や、周囲の人たちの感情に敏感な男性である。
2.自分の気持ち、またはプライベートな問題について話すことに抵抗がない男性である。
3.あらゆる性的指向の人たちと交流するのに抵抗のない男性である。
4.新たな性体験を試すことにオープンな男性である。
5.「職場で男女とも平等な役割を持つべきだ」と信じる男性である。「マスターベーション世界調査」結果発表よりコメント抜粋

個々人の趣味嗜好があり、5項目を実現することが必ずしも是ではないが、性生活を満たしたいという方には一つの指標になるかもしれない。

ハラスメントへの世界的な関心を明らかに

このほか、性にまつわる様々なレポートがあがっているので、興味のある人は全3本あるレポートを参照してほしい(外部リンク)が、最後に一つだけ挙げておきたい。

現在、性教育においてもっと習うべきトピックスと世界的に考えられている項目は、「性的暴行およびハラスメント」だった。

レポートでは明示されていないが、これまで告白できなかった性的被害や嫌がらせを告発する「#metoo」運動が世界的な広がりを見せていることがその背景にあると考えることができるだろう。

言うまでもないが、日本でも前事務次官がセクハラ問題で辞任したことを受けて財務省でセクハラ研修が行われるなど、ハラスメントへの関心が社会的に高まっている。

自分で自分を労わることの大切さ

高いデザイン性と機能性からまたたく間に普及した、日本を代表するアダルトグッズブランドのTENGA。

これまで秘匿されがちだった性に関する話題を、より健全にオープン化するため様々な取り組みを行ってきたことでも知られている。

例えば、2016年に設立されたTENGAヘルスケアでは、精子や精液を調べて男性の不妊治療に役立てる簡易検査キット「メンズルーペ」を開発・販売している。

今回の調査も「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」を企業理念としたTENGA独自の試みと言える。

本調査は、私たちに示唆的なものを提供している。調査結果からは国ごとの傾向や世界的な潮流をいくつも読み取ることもできる。

恋愛至上主義的な傾向が強い現在、とかくモテ・非モテの二元論で語られがちだが、自分で自分を労わることが人生の幸福に繋がる場合もある

アダルトグッズを製造するTENGAのレポートなので当然と言えば当然だが、今回の調査では、アダルトグッズ使用者は非使用者に比べて、全ての項目で性生活の満足度が高い結果となったことも示されている。

アダルトグッズ使用者と非使用者の性生活満足度。その差は平均16.4%としている

日本のアダルトグッズ使用経験者は25.9%で、約4人に1人という割合を示しているが、例えば18カ国中1位のアメリカは41.58%にまで上っている

にも関わらず、先進国である日本での性教育において、マスターベーションの話題が今もって秘匿され続けている現状に目を向けていきたい。

なお、TENGAは現在、毎夏の定番商品としてCOOLTENGAシリーズを期間限定で発売しているとのことだ。

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