ネットに動画を投稿して話題を集めていたシンガー・EVO+が、1月17日(水)に2ndアルバム『Methuselah(メトシェラ)』をリリースする。
先行シングルの「彼女」に続いて12月20日には「Get Up feat.Jinmenusagi」が配信となった。一部楽曲のみからでもカバーアルバムだった1stアルバム『EVOLUTION』とは作風がまた異なり、EVO+の新たな魅力が引き出されていることがうかがえる。
今回はまだまだ謎のベールに包まれている彼女の音楽性についてインタビューを敢行。音楽的なバックグラウンドや今回のアルバムの制作秘話など、ここでしか得られない情報が盛り沢山。ぜひお読みください。
ボカロ出身のプロデューサーたちの一方で、ヒップホップシーンで躍進中のビートメイカー・Michael Jamesなども制作に起用していますよね。ラッパーも迎えている点なども含めてシンガーEVO+としての幅広い音楽性を感じましたが、これまでどんな音楽を聴いてこられたのですか?
EVO+ 自分の音楽的なバックグラウンドを想い返してみると3つの時期に区切ることができます。
まず幼少期なんですが、実家が芸妓置屋を営んでいたこともあって、母方の家系が代々芸者だったんですね。そのため、端唄や民謡などの音楽に触れることが非常に多くてその影響を受けました。
お婆ちゃんが営んでいた旅館の帳場に預けられることも多く、旅館の地下のクラブからは歌謡曲がカラオケで常時流れているという環境でした。民謡、そして島倉千代子さんや都はるみさんなどの歌謡曲に囲まれて育ちました。今考えてみると美空ひばりさんの映画や『嵐を呼ぶ男』を自ら選んで観るような渋い子供でした。
小学生になると家庭の事情で渡米します。ニューヨークやフロリダなどを転々とするんですが、アメリカでは当時からテレビで音楽専門チャンネルがあって、そこで初めて洋楽というものに出会ったんですが、特に当時流行っていたマライア・キャリーの「Vision Of Love」、そしてSealの「Kiss From A Rose」に衝撃を受けました。Mariah Carey - Vision Of Love
EVO+ 流行歌には常時囲まれていたのですが、他にもTLC、アリーヤなどを好んで聴いていました。R&Bの影響は強く受けていると思います。
他にはアジア人コミュニティの影響でK-POPを聴くこともありました。まだその頃はカラオケ文化がアメリカには無かったんですが、コリアンタウンのノレバン(韓国のカラオケ)で、イーグルスの「Desperado」などを歌ったこともありました。
18歳で帰国してその時に改めて邦楽に再会したんですが、その頃の音楽シーンがとても面白くて夢中になってCDを買い集めました。
特に影響を受けたのが宇多田ヒカルさんと椎名林檎さん。あとm-floさんやDOUBLEさんといったJ-R&Bでした。宇多田ヒカル - Automatic
EVO+ それまで洋楽ばかり聞いていたので「遂に日本のR&Bもここまで来たのか」と感動して、当時はアルバイト代の半分はCD代に費やしていたと思います。友達と結託して担当を決めて、それぞれのCDを買って貸し借りもしていました。
この3つの時期が自分の音楽性において重要な形成期になっているんじゃないかなと思いますね。
──確かに90年代後期のJ-R&Bシーンを継承している点は今作からも感じ取ることができました。しかし、そのJ-R&Bのみに囚われない音楽性の幅広さは幼少期の体験なども活かされているように思えました。
EVO+ 前作はカバーアルバムというコンセプトの元、ボカロの既存の曲を歌ってるんですが、あまり制作者と触れ合うことは少なかったんですね。データをいただいて歌って終了、みたいな。
ただ、「[A]ddiction」など数曲書き下ろし曲もあったのですが、GigaReolさんと打ち合わせもできてそれはとても貴重な体験になったんですね。とっても楽しくて遣り甲斐も感じられたんですが、今回のアルバムは更に制作でも関わることができました。[A]ddiction / GigaReol×EVO+
EVO+ 打ち合わせはもちろんなんですが、レコーディングに作曲者の方がいらしたりとか、スタジオでmixに立ち会ったりとか。今まで経験することがなかったんですが、そういう人とのつながりを感じることができたのが大きな違いだと思いました。
──なるほど。アーティストとしても一皮むけることができたんですね。その際に「こうつくってほしい」というような要望を伝えることはありましたか?
EVO+ 実は私、作曲者さんの感性を尊重したいタイプなのであまりそういうことはないんです。逆に自分では思いつかないようなタイプの曲を提案してくれたりするのが面白いなと感じることが多かったです。
「[A]ddiction」が特にそうだったんですが、GigaReolさんが「これがEVO+さんが歌ったらかっこいいと思う曲です」と推してくれたんですね。まさかこんなに激しめの曲が来るなんて思ってはなかったんですが、結果的に満足の行く出来になって。
そういった経験もあって、彼らのセンスを信じたいなと思うようになりましたし、そういう化学反応を経た方が面白いものがつくれると今でも思っています。
──今回のアルバムで苦労した点はありますか?
EVO+ 今回は作詞にも挑戦したんですが、今までは歌うことだけに重点を置いていたのでやっぱり慣れずにギリギリになってしまいました。でもいざ始めてみたらこれがまあ楽しくて。
これまで本当に歌うことが好きで、ひたすら歌い続けてきたんです。本当に楽しくてそれが生きがいで。どうしたらもっと上手く歌えるのかなと常に考えてきました。でもそれはあくまで自分のための行為でしかなかったんですよね。
今回のアルバム制作では歌唱力の向上はもちろんなんですが、作詞も含めて総合的に曲のクオリティを上げていきたいという新たな目標を見つけることができました。
──EVO+さんはアメリカで8年間過ごした帰国子女ですが、今作は英語をバランスよくリリックに組み込んでいるのが特徴的でした。英語と日本語の歌い分けはどういうときにしているのですか? また、アメリカで過ごした時の経験は今の作品づくりに影響していますか?
EVO+ 英語と日本語の使い分けはあまり意識してはなかったんですが、どちらかというと耳触りの良さを求めて英語詞にすることが多いです。特に今回シングルにもなった「Get Up feat.Jinmenusagi」に関してはトラックを聴いて英語詞が合いそうだなと直感的に思ったんです。EVO+ - Get Up feat. Jinmenusagi
EVO+ 日本語はスパイス的に用いたんですが、これがしっくりきました。特にこの曲に関してはアメリカでの学生時代を思い出しながら歌詞をつけたんです。わりとこれまでの道のりがハードだったんですね。
学生時代は特に、アメリカが母国じゃないし、家庭環境も多少複雑だったっていうのもあって。だから「I don't need no drama」って歌ってるんですが、「そんな暇もないし、ドラマなんてもう要らないよ」という意味を込めています。
JinmenusagiさんはHyperJuiceさんの「City Lights feat.EVO+,Jinmenusagi」以来2度目の共作なんですが、元々ネット出身のラッパーってことで出身が同じなこともあり、「今はフィールドやジャンルが違うけど、俺たちそれぞれがんばってるよな」って感覚を共有しながらつくりました。HyperJuice “City Lights (Original Mix)“
──ありがとうございます。本当に「Get Up feat.Jinmenusagi」は名曲だと思うのですが、そんな制作秘話があったんですね。今回、人気プロデューサーの亀田誠治を迎えて制作された「輪舞曲」。ポップながらもとても綺麗な曲に仕上がりましたが、制作過程で彼から学んだことなどはありましたか?
EVO+ 実際に亀田さんと打ち合わせする機会があったんですが、打ち合わせを通して曲の完成イメージを膨らませることの大切さというものを学びました。制作者の意図をいかにうまく汲み取って歌で表現できるかが大切になるので。EVO+「輪舞曲」
EVO+ 亀田さんにも歌詞の意図などを説明したら「じゃあアーバンなAOR(ここでは大人向けのゆったりしたロックサウンドのこと。Adult-Oriented Rock。)をつくろう」と提案していただけて。打ち合わせ、話し合いが大切だという基本的なことを改めて学びました。
──アーバンなAOR!とってもしっくりきますね。今回のアルバムで他に思い入れの強い曲は他にありますか?
EVO+ 実は私、杉貫十械さんというシンガーソングライターの大ファンなんですよ。ネットに楽曲も投稿しているんですが、寡作な方なんです。前作EPの『PANDORA』に引き続いて今回も「芽吹く予感」というインタールード(間奏曲)と「群像の人」という曲を手掛けてもらえて。この2曲は特に思い入れが強いです。
EVO+ 自分自身も「[A]ddiction」でラップに挑戦している身なんですけど、アメリカから帰国したばかりのころは日本語でのラップにどうしても慣れなかったんですよ。でも鎮座DOPENESSさんのラップはすんなり入ってきたんです。フロウも良いし、言葉選びも面白くて衝撃を受けました。
Jinmenusagiさんも実はそう。今後もそういう方たちとコラボができたらとは思います。ただ、まだ音楽活動歴も浅い身なのでまずは自分がしっかりとやりたい音楽を作っていって、そういう方々と肩を並べることができるようになるというのが目標ですね。
──ボカロ勢で制作陣を固めていながらも、クラブ色の強いリミックスを発表していますよね。今回もTOWER RECORDS特典用に「Get Up feat.Jinmenusagi Batsu Remix」を発表しています。クラブサウンドで敢えてアプローチする理由はなんでしょうか。
EVO+ 特に理由というのはなくて、単純に音楽に対して雑食なんですよ。好きなものと好きな物を繋げただけというか。
アメリカでは黒人がR&Bやヒップホップだけを聴いていたし、白人がロックやポップスを聴いていたというのも身を以って体験したんです。でも良いものは良いんだからそうやって境界線を張ってしまうのってもったいないと思うんですよね。だから色んなコラボに挑戦したいという想いはあります。
また、HyperJuiceさんの「City Lights feat.EVO+,Jinmenusagi」が実際にクラブで流れていたという経験が本当に嬉しかったんです。昔は自分もクラブに通ってた時期もあったんですが、ああいうフロアで自分の歌声が流れるのは本当に感動しました。その体験からクラブで流れるような曲をつくりたいと思いました。
──アルバムを通して聴いて改めて歌の上手さを実感しました。ぜひ生で聴いてみたいと思いますが、今後ライブで歌声を披露したり、ネットでリアルタイム配信していく予定はありますか?
EVO+ 実はライブ経験があまりないんですよ。一度はあるんですけど、本当に難しかったです。それ以上に楽しかったという感想もあったんですが、まだまだ勉強が必要だなと。
やってみたい気持ちはあるんですよ。でも自分がライブを見に行くとやっぱりアーティストからパワーをもらえたりするじゃないですか。それが自分にできるかというとまだあまり自信がないんです。
やるからには皆が納得できるレベルまで持っていけるようにしたいし、まだまだ勉強が必要で。でもいつか自分でもライブ活動がきるようにがんばりたいと思います。
──ありがとうございました。EVO+の新作アルバム『Methuselah』はR&Bが好き、ボカロが好き、両方のリスナーにおすすめできる秀作だと思います。EVO+の新たな魅力が詰まった『Methuselah』。ぜひ多くの方々に聴いてもらいたいですね。
先行シングルの「彼女」に続いて12月20日には「Get Up feat.Jinmenusagi」が配信となった。一部楽曲のみからでもカバーアルバムだった1stアルバム『EVOLUTION』とは作風がまた異なり、EVO+の新たな魅力が引き出されていることがうかがえる。
今回はまだまだ謎のベールに包まれている彼女の音楽性についてインタビューを敢行。音楽的なバックグラウンドや今回のアルバムの制作秘話など、ここでしか得られない情報が盛り沢山。ぜひお読みください。
民謡とR&Bがルーツ
──ニューアルバム『Methuselah』を聴かせていただきました。先行シングルの「彼女」はPOPな印象が強かったのですが、アルバムを通して聴くと12月20日配信のシングル「Get Up feat.Jinmenusagi」など、R&B色が強い面もあるように感じました。ボカロ出身のプロデューサーたちの一方で、ヒップホップシーンで躍進中のビートメイカー・Michael Jamesなども制作に起用していますよね。ラッパーも迎えている点なども含めてシンガーEVO+としての幅広い音楽性を感じましたが、これまでどんな音楽を聴いてこられたのですか?
EVO+ 自分の音楽的なバックグラウンドを想い返してみると3つの時期に区切ることができます。
まず幼少期なんですが、実家が芸妓置屋を営んでいたこともあって、母方の家系が代々芸者だったんですね。そのため、端唄や民謡などの音楽に触れることが非常に多くてその影響を受けました。
お婆ちゃんが営んでいた旅館の帳場に預けられることも多く、旅館の地下のクラブからは歌謡曲がカラオケで常時流れているという環境でした。民謡、そして島倉千代子さんや都はるみさんなどの歌謡曲に囲まれて育ちました。今考えてみると美空ひばりさんの映画や『嵐を呼ぶ男』を自ら選んで観るような渋い子供でした。
小学生になると家庭の事情で渡米します。ニューヨークやフロリダなどを転々とするんですが、アメリカでは当時からテレビで音楽専門チャンネルがあって、そこで初めて洋楽というものに出会ったんですが、特に当時流行っていたマライア・キャリーの「Vision Of Love」、そしてSealの「Kiss From A Rose」に衝撃を受けました。
他にはアジア人コミュニティの影響でK-POPを聴くこともありました。まだその頃はカラオケ文化がアメリカには無かったんですが、コリアンタウンのノレバン(韓国のカラオケ)で、イーグルスの「Desperado」などを歌ったこともありました。
18歳で帰国してその時に改めて邦楽に再会したんですが、その頃の音楽シーンがとても面白くて夢中になってCDを買い集めました。
特に影響を受けたのが宇多田ヒカルさんと椎名林檎さん。あとm-floさんやDOUBLEさんといったJ-R&Bでした。
この3つの時期が自分の音楽性において重要な形成期になっているんじゃないかなと思いますね。
──確かに90年代後期のJ-R&Bシーンを継承している点は今作からも感じ取ることができました。しかし、そのJ-R&Bのみに囚われない音楽性の幅広さは幼少期の体験なども活かされているように思えました。
初のオリジナルアルバム『Methuselah』
──デビュー前はネットに作品を投稿し続けたというEVO+さんですが、その流れでボカロのカバーアルバムである前作『EVOLUTION』を発表して人気を博しました。今回は初めてフルでオリジナルアルバムを制作されたとのことですが、制作過程において前作とは大きく違うと感じたことはありましたか?EVO+ 前作はカバーアルバムというコンセプトの元、ボカロの既存の曲を歌ってるんですが、あまり制作者と触れ合うことは少なかったんですね。データをいただいて歌って終了、みたいな。
ただ、「[A]ddiction」など数曲書き下ろし曲もあったのですが、GigaReolさんと打ち合わせもできてそれはとても貴重な体験になったんですね。とっても楽しくて遣り甲斐も感じられたんですが、今回のアルバムは更に制作でも関わることができました。
──なるほど。アーティストとしても一皮むけることができたんですね。その際に「こうつくってほしい」というような要望を伝えることはありましたか?
EVO+ 実は私、作曲者さんの感性を尊重したいタイプなのであまりそういうことはないんです。逆に自分では思いつかないようなタイプの曲を提案してくれたりするのが面白いなと感じることが多かったです。
「[A]ddiction」が特にそうだったんですが、GigaReolさんが「これがEVO+さんが歌ったらかっこいいと思う曲です」と推してくれたんですね。まさかこんなに激しめの曲が来るなんて思ってはなかったんですが、結果的に満足の行く出来になって。
そういった経験もあって、彼らのセンスを信じたいなと思うようになりましたし、そういう化学反応を経た方が面白いものがつくれると今でも思っています。
──今回のアルバムで苦労した点はありますか?
EVO+ 今回は作詞にも挑戦したんですが、今までは歌うことだけに重点を置いていたのでやっぱり慣れずにギリギリになってしまいました。でもいざ始めてみたらこれがまあ楽しくて。
これまで本当に歌うことが好きで、ひたすら歌い続けてきたんです。本当に楽しくてそれが生きがいで。どうしたらもっと上手く歌えるのかなと常に考えてきました。でもそれはあくまで自分のための行為でしかなかったんですよね。
今回のアルバム制作では歌唱力の向上はもちろんなんですが、作詞も含めて総合的に曲のクオリティを上げていきたいという新たな目標を見つけることができました。
──EVO+さんはアメリカで8年間過ごした帰国子女ですが、今作は英語をバランスよくリリックに組み込んでいるのが特徴的でした。英語と日本語の歌い分けはどういうときにしているのですか? また、アメリカで過ごした時の経験は今の作品づくりに影響していますか?
EVO+ 英語と日本語の使い分けはあまり意識してはなかったんですが、どちらかというと耳触りの良さを求めて英語詞にすることが多いです。特に今回シングルにもなった「Get Up feat.Jinmenusagi」に関してはトラックを聴いて英語詞が合いそうだなと直感的に思ったんです。
学生時代は特に、アメリカが母国じゃないし、家庭環境も多少複雑だったっていうのもあって。だから「I don't need no drama」って歌ってるんですが、「そんな暇もないし、ドラマなんてもう要らないよ」という意味を込めています。
JinmenusagiさんはHyperJuiceさんの「City Lights feat.EVO+,Jinmenusagi」以来2度目の共作なんですが、元々ネット出身のラッパーってことで出身が同じなこともあり、「今はフィールドやジャンルが違うけど、俺たちそれぞれがんばってるよな」って感覚を共有しながらつくりました。
EVO+ 実際に亀田さんと打ち合わせする機会があったんですが、打ち合わせを通して曲の完成イメージを膨らませることの大切さというものを学びました。制作者の意図をいかにうまく汲み取って歌で表現できるかが大切になるので。
──アーバンなAOR!とってもしっくりきますね。今回のアルバムで他に思い入れの強い曲は他にありますか?
EVO+ 実は私、杉貫十械さんというシンガーソングライターの大ファンなんですよ。ネットに楽曲も投稿しているんですが、寡作な方なんです。前作EPの『PANDORA』に引き続いて今回も「芽吹く予感」というインタールード(間奏曲)と「群像の人」という曲を手掛けてもらえて。この2曲は特に思い入れが強いです。
色んなコラボに挑戦したい
──他に李 セラなど注目度の高いMCをゲストに迎えていますが、今後はどんな人たちと共演してみたいですか?EVO+ 自分自身も「[A]ddiction」でラップに挑戦している身なんですけど、アメリカから帰国したばかりのころは日本語でのラップにどうしても慣れなかったんですよ。でも鎮座DOPENESSさんのラップはすんなり入ってきたんです。フロウも良いし、言葉選びも面白くて衝撃を受けました。
Jinmenusagiさんも実はそう。今後もそういう方たちとコラボができたらとは思います。ただ、まだ音楽活動歴も浅い身なのでまずは自分がしっかりとやりたい音楽を作っていって、そういう方々と肩を並べることができるようになるというのが目標ですね。
──ボカロ勢で制作陣を固めていながらも、クラブ色の強いリミックスを発表していますよね。今回もTOWER RECORDS特典用に「Get Up feat.Jinmenusagi Batsu Remix」を発表しています。クラブサウンドで敢えてアプローチする理由はなんでしょうか。
EVO+ 特に理由というのはなくて、単純に音楽に対して雑食なんですよ。好きなものと好きな物を繋げただけというか。
アメリカでは黒人がR&Bやヒップホップだけを聴いていたし、白人がロックやポップスを聴いていたというのも身を以って体験したんです。でも良いものは良いんだからそうやって境界線を張ってしまうのってもったいないと思うんですよね。だから色んなコラボに挑戦したいという想いはあります。
また、HyperJuiceさんの「City Lights feat.EVO+,Jinmenusagi」が実際にクラブで流れていたという経験が本当に嬉しかったんです。昔は自分もクラブに通ってた時期もあったんですが、ああいうフロアで自分の歌声が流れるのは本当に感動しました。その体験からクラブで流れるような曲をつくりたいと思いました。
──アルバムを通して聴いて改めて歌の上手さを実感しました。ぜひ生で聴いてみたいと思いますが、今後ライブで歌声を披露したり、ネットでリアルタイム配信していく予定はありますか?
EVO+ 実はライブ経験があまりないんですよ。一度はあるんですけど、本当に難しかったです。それ以上に楽しかったという感想もあったんですが、まだまだ勉強が必要だなと。
やってみたい気持ちはあるんですよ。でも自分がライブを見に行くとやっぱりアーティストからパワーをもらえたりするじゃないですか。それが自分にできるかというとまだあまり自信がないんです。
やるからには皆が納得できるレベルまで持っていけるようにしたいし、まだまだ勉強が必要で。でもいつか自分でもライブ活動がきるようにがんばりたいと思います。
──ありがとうございました。EVO+の新作アルバム『Methuselah』はR&Bが好き、ボカロが好き、両方のリスナーにおすすめできる秀作だと思います。EVO+の新たな魅力が詰まった『Methuselah』。ぜひ多くの方々に聴いてもらいたいですね。
EVO+
ネットシーン発の本格派シンガー。素顔やプロフィールなどの一切がベールに包まれている。動画サイトではR&Bやジャズ、エレクトロなどを歌い上げ、総再生数は2,000万回を超えており圧倒的な歌唱力で支持を集めている。
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イベント情報
EVO+「Methuselah」リリース記念配信限定ライブ
- 配信日時
- 2018年1月17日18:00〜
- 番組URL
- https://live.line.me/channels/73/upcoming/6903553(外部リンク)
- 出演
- EVO+/にお/gomez/めいくめりー
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鼎
ジャパニーズHIP HOPが好きなゲイライター
これまでの記事はこちら
http://mosthigh.tokyo/2018/04/07/profile/
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