細田守、最新作『未来のミライ』発表 家族の物語は兄妹を焦点に

細田守、最新作『未来のミライ』発表 家族の物語は兄妹を焦点に
細田守、最新作『未来のミライ』発表 家族の物語は兄妹を焦点に

『未来のミライ』

2018年7月20日(金)に公開される細田守監督の最新作『未来のミライ』の製作発表が東宝本社で行われた。

『サマーウォーズ』以降、細田監督が家族を描く理由

発表にはスタジオ地図から細田監督とプロデューサーの齋藤優一郎さんが登壇。

左から細田守監督、齋藤優一郎プロデューサー

『時をかける少女』から5作目となる『未来のミライ』について細田監督は、「4歳の男の子・くんちゃんが、生まれた妹・ミライちゃんに両親の愛を奪われたことで、愛を求めてさすらい旅立つ物語」と説明。
「未来のミライ」特報
そこに未来から成長したミライがやって来ることで「家族の歴史を巡る冒険のような物語になる」という。

制作のきっかけとなったのは、自身の子育ての経験だ。

「5歳児ともうすぐ2歳になる子供のリアクションに面白さを感じた。小さな子供の目線から世界を見たとき、新鮮な感動があるのではないか。その視点で見た世界の広がりを、見てくれた方々と共有したい」と細田監督。

主人公で兄のくんちゃんと妹であるミライちゃん。『サマーウォーズ』以降、様々な家族を描いてきた細田監督にとって次なるモチーフとなったのは兄妹。それでもまだ「(家族というモチーフを)描ききれていない」と語る。

「『サマーウォーズ』では親戚、『おおかみこどもの雨と雪』では子育てをするお母さん、『バケモノの子』では父親。そして今回は兄妹。家族は1つの作品で描ききれるものではない。時代に応じて常に変化しているので、そのぶん描く必要性を感じる」とテーマに対するスタンスを見せた。

ポスターから見える『時をかける少女』との共通項

自分自身が一人っ子だったため、兄妹の感覚はわからなかったという細田監督。しかし、下の子が生まれた瞬間に、上の子が母親の愛を奪われる姿を見て、因縁がありつつもその2人の間に愛を感じたという。 子供だけではないものの、彼らの反応には人間の本質的なものを垣間見た。それが愛おしいものになるのかどうか。そういう意味でも興味がつきないモチーフだと思う

主人公・くんちゃんの名前について、「くんなのか? ちゃんなのか?」という部分に、アイデンティティが揺れ動いている存在として「くんちゃん」という名前をつけたという。その妹であるミライは、「揺れ動く人がどのように未来を考えるのか」という意味が込められている。

未来と聞いて思い出すのは『時をかける少女』。解禁されたポスターも、『サマーウォーズ』以降続いたキャラクターが仁王立ちするものではない。

「『時をかける少女』のポスターは、女の子の生き生きとした姿が未来に直結すると思ってつくった。今回も、子供が持つダイナミズムそのものが未来だと思ったので、それを感じてもらえるようにしたかった。そういう意味で『時をかける少女』とは共通項が多い」

公開は2018年7月20日。続報を待ちたい。

家一軒と庭ひとつ。
どこにでもある
たったひとつの家族を通して、
生命の大きな循環、
人の生が織り成す巨大なループを描き出したい。
最小のモチーフを用いて、
最大のテーマを語り切りたい。
エンターテインメントの作法を用いて、
新しい家族のための、新しい表現を拓きたい。
一見穏やかに見えて、
実は、大いなる野心を秘めた作品なのです。 細田守監督のコメント

楽しみすぎる細田守監督作品

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作品情報

未来のミライ

監督/脚本/原作
細田守
作画監督
青山浩行、秦綾子
美術監督
大森崇、髙松洋平
プロデューサー
齋藤優一郎
企画/制作
スタジオ地図
公開
2018年7月20日(金)

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