「内向の世代」後藤明生の集大成 『後藤明生コレクション』刊行

「内向の世代」後藤明生の集大成 『後藤明生コレクション』刊行
「内向の世代」後藤明生の集大成 『後藤明生コレクション』刊行

『 後藤明生コレクション 1 ゼンキイチ 前期Ⅰ』

日本の作家・後藤明生さんによる著作を選りすぐった集大成『後藤明生コレクション』(全5巻)が、国書刊行会より刊行される。

10月20日(木)に第1巻が「前期Ⅰ」として発売されるほか、11月5日(土)には、編集委員をつとめるいとうせいこうさん、奥泉光さん、島田雅彦さん、渡部直己さんによる刊行記念トークセッションも青山ブックセンター本店にて開催される。

「内向の世代」の旗手

後藤明生さんは、近代日本文学における「内向の世代」と評される作家を代表する一人。

「政治的イデオロギーから距離をおきはじめた」として当時は批判的な意味合いで用いられた言葉だが、後藤明生さんは事物や人間の関係性にその意識を向け、カフカやゴーゴリといった海外作家に影響を受けた批評的かつユーモラスな作品を残した。

しかし、その多くが現在では絶版となっており、古書や電子書籍以外で読むことは難しい作家の一人とされ、文学史上での高い評価とは裏腹に、コアな文芸好き以外からは忘れられた存在になっている。

そんな知られざる作家の集大成が『後藤明生コレクション』として現代に蘇る。
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