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Kindleニュースサイト きんどうが語る出版の未来 「電子書籍は大きな市場にならない」

ダンボールのキャラクターは、Kindleニュースサイト「きんどう」の管理人こときんどうさん

本屋さんで購入して読むのではなく、ネット上で購入して、スマートフォンやタブレットで気軽に読むことができる「電子書籍」。

今では数多くの配信サービスが存在するが、とりわけ、Amazonが運営する電子書籍サービス「Kindleストア」では、大幅な値引きセールが頻繁に行われ、紙よりも断然お得に購入できる機会が多い。KAI-YOU.netでも「Kindleストア」におけるセール情報は取り上げる頻度が高く、読者からの反響もある。

今年4月には、TVアニメ新シリーズが放送中の漫画『ぼのぼの』が99%オフの価格で販売されるという大規模なセールが行われ、もちろん、KAI-YOU.netでも取り上げた。「Kindleストア」のセール情報は、事前の告知やいわゆるプレスリリースなどがないため、編集部でも毎日細かくチェックしており、『ぼのぼの』のセール情報もそこそこに早くニュースとして伝えることができた。

その一方で、『ぼのぼの』のセール情報を取り上げた晩、Twitterで下記のツイートを目にした。

たしかに、KAI-YOU.netでは「Kindleストア」以外のセール情報を取り上げたことは過去に1度もない。ただ、情報を無視しているのではなく、単純なリサーチ不足が正直な理由だ。

ツイート主は、Kindleを中心とした電子書籍に関する情報を毎日配信するニュースメディア「きんどう」を運営するきんどうさん。Kindleストアのセール情報や、無料、新刊などの情報をいち早く伝え、Twitter、Facebook、LINEなど、さまざまなSNSを運用しながら情報を拡散、電子書籍ユーザーにはおなじみのサイトだ。

また、作家本人や担当編集者による寄稿(ゲストポスト)も無料で受け付けており、単なる販売情報だけでなく、当事者たちの作品に対する思いを読むことができるのも特徴的。

そんなきんどうさんに痛いところを突かれてしまったKAI-YOU.net。繰り返しになるが、ただただ「Kindleストア」しか見てなかったことが原因。

そこで今回は、思いきって上記ツイートの真意、そして、我々よりも遥かに電子書籍について詳しいであろうきんどうさんに電子書籍に関するあれこれをうかがってみることにしたところ、快く快諾していただいたので、電子書籍に関するお話をしていきたいと思う。

Kindleユーザー向けメディア「きんどう」とは?

Kindleニュースサイト「きんどう」

Kindleニュースサイト「きんどう」

ツイートの真意を聞く前に、まずはきんどうさんが運営するKinleユーザー向けメディア「きんどう」について紹介していきたい。

2012年11月に開設した「きんどう」には、今現在、どのくらいの電子書籍愛好家たちが訪れているのだろうか。

「直近30日以内が83万PV(ページビュー)、UU(ユニークユーザー)は9万2千ですね。リリース以来、82%から87%がリピーターという状態が続いていて、じわじわと新規読者が増え続けているようです」

続いて男女比については、「男性が85%、年齢は34〜44歳が46%、25〜34歳が34%となっています。サイトでよく売れているジャンルや作品の傾向を予測して紹介していますが、人力で選んでいるので、私の趣味に引っ張られるためか、どんどん男性寄りになっていくんでしょうね」との答え。

「きんどう」では、単純にきんどうさんが面白いと思ったもの、売れる傾向のあるものを取り上げている。また、実写化やアニメ化、受賞作、ネットで話題になっている作品など、時事性の強い作品なども優先的に取り上げているという。

クリエイターの生の声や編集者の声を届ける

「きんどう」では、前述したようにきんどうさんが選んだ新刊やセール情報などのほかに、クリエイターや出版社との連携を積極的に行っているのが特徴的。冒頭で述べたように、作家本人や出版社による寄稿(ゲストポスト)を無料で受け付けているのだ。

ゲストポストを始めたのは、2014年1月、サイトを開設してから25ヶ月目に販売傾向を振り返った際、あまりにセール作品ばかりが売れていることに気づき、価格以外で読者が本を選ぶ理由を提供する必要があると考えたからだ。

そのために、クリエイター本人や出版社からPRとなる原稿や描き下ろしのイラストなどを寄稿として受け付けている。

ゲストポストには、主に新刊やセール情報を中心に、さまざまな出版社の社員が書いた原稿を画像とともに紹介しており、時に「きんどう」用に作家が書き下ろしたイラストなども掲載されている。

「ゲストポストで最も売り上げに貢献できたのは、エンターブレインさんからいただいた、九井諒子さんの『ダンジョン飯』1巻の告知ですね。新刊が1週間で400冊以上でています。セールを組み合わせたものでは、作者の迂闊さん自身からいただいた『のみじょし』2巻の告知ですね。発売にあわせた1巻セールが50円だったので、1巻が1,100冊以上、2巻は発売直後に半額セールがはじまり、400冊ほどでました

一方で、掲載すればなんでもかんでも売れるというわけではないので難しいですね。きんどうユーザーにウケそうな作品であること、紹介方法がマッチすれば売り上げが爆発するようなんですが。

原稿料などのお支払いはできませんが、無料で引き受けてますし、普通に申し込んでくれればたいていは掲載します。ただ、ユーザーにどう選んでもらうか・興味をもってもらうかという視点で検討いただかないと、上手くいかないと感じています」

大きな視点で見てほしい Kindleストア以外の特徴とは?

「Kindleストア」スクリーンショット

「Kindleストア」スクリーンショット

メディア「きんどう」について紹介したところで、きんどうさんに、件のツイートについて聞いてみた。

特に「Kindleのセールしか書かない」という点について、「私たちのように偏った(きんどうはKindle中心のメディア)メディアは個人運営ならではで、カイユウさんのようにカルチャー全体を取り扱うメディアは、大きな視点で電子書籍を見てもらいたいと思った次第です」とのことだった。

実は私自身、「Kindleストア」以外の配信サービスはほとんど利用したことがない。セール以外でも、新刊が出れば「Kindleストア」で買ってしまうし、セール情報は「Kindleストア」しかチェックしていない。これは編集部全体に共通していることでもあり、自ずと取り上げる幅が「Kindleストア」のみになってしまっていた。大きな広い視野は間違いなく持てていなかった。

とはいえ、きんどうさんもその名の通り「Kindleストア」を中心としたサイトを運営しており、Kindleに関する情報を日々発信している。逆にきんどうさんは、他のストアをチェックしているのか……?

「Kindleだけを見ていると、セールとして紹介している作品が実は他ストアと較べて割高という場合があります。その情報を隠してユーザーに接するのは誠実ではないので、主な国内ストアの情報やプレスリリースのほとんどに目を通しています。

ストアごとの特徴として、例えば楽天Koboは、常時使える20〜30%ポイント還元クーポンを配布したり、各出版社や取次が実施しているセール複数をまとめて『スペシャルセール』と大きく銘打ってますね。電子書籍サービスの中で一番オトクなのはKoboだと思います」

電子書籍を読むのに特化したデバイス「kobo」シリーズも展開する、楽天の子会社である楽天Kobo。サイトを覗いてみると、初めての方限定の450円分のクーポンや新刊にも使えるクーポンの配布、さらに定期的に行われるメンズ・レディースデーなど、かなりの数のセールやキャンペーンが同時に行われていた。

その数があまりに多いため、自分にハマる作品が何かしらのセールやキャンペーン対象に含まれていてもおかしくない。

「国内の老舗・eBookJapanは出版社と組んだ特集に強い印象ですね。中のスタッフからのコメントなど人間味を感じるキャンペーンが目立ちます。

凸版印刷系のBookLive!さんはここ数ヶ月、アダルトのセールに半端なく力をいれてることが目につきます。

また、たまに実施する全商品に繰り返しつかえるクーポンが面白いです。角川直営のBook☆Walkerはセールはあまりしませんが、作家のサインキャンペーンなど、出版社としての強みを活かした取り組みが興味深いですね」

6月9日にヤフーが子会社化したイーブックイニシアティブジャパンが運営する「eBookJapan」は、アニメ『おそ松さん』で注目の原案漫画『おそ松くん』の全巻セットが50%オフで買えるキャンペーンを3月まで実施していたりと、きんどうさんが言うように出版社と連携した施策に強い。

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また、「BookLive!」のアダルトコーナーでは、父の日にちなんだ「チチの日感謝祭 おっぱいマンガ&雑誌が半額」や、最も射精回数の多い作品を決める「S-1グランプリ」といった、とてもユニークなセールや特集が多数展開されていた。これは買ってしまいそうだ。

我々が知らないだけで、それぞれ特徴のある電子書籍サービス。調べていくうちに、Kindle以外にもチェックしなければならなかったと痛感するばかりだった。

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