ライムベリーMIRIが師弟で挑んだ戦極MCバトル アイドルがラップで戦う理由

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ライムベリーMIRIが師弟で挑んだ戦極MCバトル アイドルがラップで戦う理由
ライムベリーMIRIが師弟で挑んだ戦極MCバトル アイドルがラップで戦う理由
これから始める話の主人公は、他でもないライムベリーのマイクロフォン1ことMC MIRIである。

2015年12月、彼女が「戦極MC BATTLE13章」にて女性アイドルとして初めてMCバトルデビューを果たしたのは記憶に新しい。 2016年05月、彼女を待ち受けていたのは「戦極MC BATTLE14章」だった。「戦極MC BATTLE14章」は個人戦ではない。ブレス式主催のタッグマッチ「AsONE」とのコラボ企画である。

タッグマッチということは相方が必要だ。そして、その相方として選ばれたのが他でもない僕(ハハノシキュウ)だった

ハハノシキュウ

僕は、彼女の先生としてずっとフリースタイルラップを教えてきた。つまり僕らは「師弟コンビ」として呼ばれたわけだ。アイドルとチームを組んで出場することを、単に大会を盛り上げるためのスパイス的なものだと思う人もいると思う。

だから、最初に言っておく。

これは僕とMIRIちゃんが優勝を目指す物語だ

文:ハハノシキュウ

戦極MCバトルの熱戦は偶然だったのか?

MCバトルに出るには、理由が必要だ。それも異なる2つの理由のうちの必ず1つが必要とされる。

1:自分が出たいから出る
2:出て欲しいと依頼があるから出る

彼女が「戦極13章」へ出演したのは、2の理由からである。そもそも、バトルを始めたのも周りの声に応えたからであって、彼女自身が声を大にして「バトルに出たい」と明言したわけではない。

「戦極MC BATTLE13章」

「戦極MCバトル」を終えて、予想していたよりも遥かに大きな反響がMIRIちゃんを取り巻いていた。彼女はその渦中「第9回高校生ラップ選手権」のオーディションを受けた。その理由が、1だったのか2だったのか。正直、僕にはわからない。

オーディションの結果は落選だった。僕は自分の指導者としての力不足を呪っていた。

そんな僕とは裏腹に、MIRIちゃんは予想だにしない行動に出ていた。ダースレイダーさんが主催する10代の子限定のMCバトル「SCHOOL OF RAP」にエントリーしてもいいですか? と、マネージャーに聞いたそうだ。

1:自分が出たいから出る
2:出て欲しいと依頼があるから出る

この時、彼女は紛れもなく1の理由を選択したのである。

アイドルがMCバトルに出るのは、「AIR JAM」にTHA BLUE HERBが出た時のような感動があるんだと個人的に思っている。だから僕は「戦極MCバトル13章」での彼女の健闘を、多少ながら「主人公補正」があったのではないかと言い出す人がいるのではないかと不安に思ったりしていた。
戦極MC BATTLE 第13章(15.12.27) K-razy vs MIRI @BEST BOUTその5
例えば、「戦極MCバトル13章」のベストバウトとしてYouTubeに上がった途端に、コメント欄でかわいそうなくらいに叩かれたりしないかとか。だから、「SCHOOL OF RAP」のように比較的小さな箱で、何の補正もなく闘っている姿を観たいという気持ちがあった。

MIRIちゃんは「SCHOOL OF RAP」で2回勝ったが、3回戦で空/間(ソラノマ)というMCに負けた。結果はベスト16だった。

だが、MIRIちゃんのMCバトル初勝利が喜ばしかった。それに加えて、彼女が1回戦の狂犬というMCとの試合で、この日1番の盛り上がりをつくったのが何よりも嬉しい事実だった。

それがどんな試合だったのかを、格闘漫画のように心理描写を交えながら、細かに書いていきたい気持ちはある。しかし試合内容が完全にド下ネタだったためこれは現場にいた人との思い出として仕舞っておく。

3回戦が終わった後のMIRIちゃんは、ライムベリーのライブが終わった時以上に疲れていた。それでも、対戦相手に挨拶をしたりしていて「幼稚園に我が子を入れて、馴染めるか不安に思ってる親の気持ちってこんな感じなのかな?」なんて思ったりした。まあ、僕自身がそもそも馴染めてないんだけど。

とにかく、僕がMIRIちゃんに感じていた「主人公補正」についての不安は、ただの杞憂に終わった。
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1件のコメント

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CKS

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普段ラップやってる人の文章 独特の淀みなさでアツい

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