最後に上原亜衣とSEXしたい 一般男性のドキュメンタリー『青春100キロ』が最高だった

最後に上原亜衣とSEXしたい 一般男性のドキュメンタリー『青春100キロ』が最高だった
最後に上原亜衣とSEXしたい 一般男性のドキュメンタリー『青春100キロ』が最高だった

最後に上原亜衣とSEXしたい 一般男性のドキュメンタリー『青春100キロ』が最高だった

こんにちは、はせ おやさいです。

突然ですが、『青春100キロ』という作品をご存知でしょうか。

この作品は、人気AV女優である上原亜衣さんの引退作品プロジェクトの1つであり、「100キロ走り切ったら、上原亜衣と中出しセックスができる」というミッションを課せられた、ある一般青年と彼を取り巻く大人たち、そして、上原亜衣という1人の女性の姿を追った、とても素敵な青春映画です。

『青春100キロ』

1週間だけのお試し上映だったにも関わらず、公開されるや否や、全日満員御礼に! わたしも苦労しつつなんとかチケットを確保して、劇場まで足を運んだのですが、これがすごかった! 観終えた後に自然と笑いが出て、全身にエネルギーがみなぎってくるような、本当に最高の青春映画でした!

大反響につき、4月30日(土)から追加上映が決定した『青春100キロ』。

今回はそんな『青春100キロ』のレビューをお届けします! 文/はせ おやさい

※一部映画の内容に言及しているため、ネタバレを含んでいます

1番をとって、目標がなくなった

イベントで引退を発表した上原亜衣さん

2015年11月「1番をとって、目標がなくなった」という理由で引退を発表した、AV女優の上原亜衣さん。 恵比寿★マスカッツのメンバーとしての活動、そして劇団ひとりさん主演の映画『キス我慢選手権 THE MOVIE2』への出演など、幅広く活躍中の名実ともにナンバーワンAV女優である彼女の引退。その一大イベントに際し、複数の記念作品がリリースされるのですが、その中でもひときわ異彩を放っているのが、『青春100キロ』です。 なんと本作、撮影が決まったのは撮影日の4日前というのだから驚きです。

面白いが、抜けないAV監督

映画『監督失格』予告編

 
一方、監督をつとめるのは、「面白いが、抜けないAV監督」として様々な傑作を発表してきた平野勝之さん。

1984年『狂った触覚』を皮切りにぴあフィルムフェスティバルに3年連続で入選し、映像の世界へ入ったあとAVへ。2011年には、庵野秀明氏をプロデューサーに迎え、自分の元恋人であり伝説的なAV女優であった林由美香さんの死と、その後を描いた『監督失格』は全国で劇場公開され、話題を呼びました。

『青春100キロ』は、その『監督失格』から5年、ファンが待ちわびていた最新作でもあります。

100キロ走り切ったら、上原亜衣と中出しセックスできる

プロデューサーから「光るものがある」と見出された、『青春100キロ』の主人公であるケイくん

上原亜衣さんの引退スペシャル作品『100人×中出し 引退させたいvs引退させたくない』(以下、100人×中出し)で公募されていた、素人100人募集オーディションの志望者から選ばれた、本作の主人公・ケイくん。

『100人×中出し 引退させたいvs引退させたくない』

本作の制作と配給元であるAVメーカー・本中のプロデューサーから、「何か光るものがある」と見出されたケイくんは、急遽、『100人×中出し』とは別の企画として、ある特別なミッションが課せられます。

彼に与えられたミッションとは、2015年12月29日と30日の2日間で、100キロを走り切ること

ケイくんは、この真冬の寒さの中、新宿の都庁前から、『100人×中出し』を収録中の上原亜衣さんの待つ山中湖の撮影現場まで走りきることができれば、上原亜衣さんと念願の中出しセックスができるのです。

単純に考えると、1日で50キロ。フルマラソンである42.195キロを男性が完走する平均タイムはだいたい4時間半〜5時間と言われていて、ケイくん自身、ホノルルマラソンでフルマラソンを完走した経験がありました。

とはいえ、マラソンが趣味のケイくんも、フルマラソン以上の距離は未経験です。しかし、愛する上原さんのためなら、と、絶対に2日間で100キロを走り抜ける覚悟で企画を承諾し、ケイくんの挑戦が始まります。

『青春100キロ』より右が平野勝之さん

スタート時、未経験の距離といえども、ケイくんがフルマラソン経験者ということもあり、明るく気楽なムードが漂います。

平野監督からの、

「上原亜衣に、会いたいかー!」

という掛け声に、ケイくんも、

「会いたいですー!」

と元気いっぱい拳を振り上げ、いざ走り始めるのですが……

このまま面白い画が撮れなかったら……

撮影班は、自転車でカメラを構えケイくんと伴走する平野監督と、それを車で追うスタッフの榎本靖さん、小坂井徹さんの3人です。黙々と走るケイくん、それを追う平野監督。そしてそれを車で追う榎本さんと小坂井さんという、男しかいない映像が続きます 淡々と過ぎていく時間に焦りを見せ、「このまま面白い画が撮れなかったらどーする?」と頭を抱えるスタッフとは裏腹に「まーいつかは着くよ!」とあっけらかんとしている平野監督。

その空気をさらにゆるゆるに拡張していくのが、AV監督のゴールドマンさんが手がける音楽です。なんだこの珍道中。そんな大人たちの葛藤を知ってか知らずか、ケイくんは黙々と走り続け、ただまっすぐに上原亜衣さんのもとへ向かっています。

これはこれで面白いけど、果たして時間までに間に合うのか……?

この地味な映像が、このままひたすら続くのか……?

と、観ているこちらがうっすら不安になってきたところで、あるハプニングが起きます。


ケイくんを見失ってしまうのです。

迷子になったケイくん

撮影班がケイくんを見失ったのは、ほんの一瞬の出来事でした。

大きな道路を左に曲がる、どう考えても間違いようのないルートです。監督もスタッフも、自転車と車で手分けをして、何度も何度も道を行ったり来たり、必死の捜索が続きます。 このまま一体どうなるのか……?

ぜひ劇場で見ていただきたいのですが、ケイくんを捜索している時に平野監督がこぼした言葉を置いておきます。


「最終的には、俺がハメ撮りするしかないのか……?」

そこ……!?!?!?

絶対に諦めないケイくんのすごさ

この他にも、これでもかというほど様々なハプニングが彼を襲うのですが、ケイくんは何があっても絶対に諦めないんです。

まともに休息もとれないまま走り続けたせいでケイくんが足を痛めたり、コンビニも何もなく、食料の調達もままならない山道をひたすら走り続けたり、震えるほど寒い峠道を越えて行ったり。疲れに眠気、空腹、そしてどんどん冷え込んでいく外気。

自由気ままに自転車を駆る平野監督に、スタッフの2人が振り回されて、どことなく諦めムードが漂い意気消沈の中、ケイくんだけはブレませんでした。 「上原亜衣さんと中出しセックスがしたい!」


全身クタクタで、脚も痛いだろうに、1ミリの悲壮感もなく、ただ明るくまっすぐ、「中出しセックスがしたい!」と言って笑うのです。メンタル強いな!!

冒頭で登場したときは「メガネをかけた普通の青年」というだけの印象だったケイくんですが、時間が経つにつれ、その目の強さ、折れない心、そしてその前向きさに、観ていて引き込まれました。

あとから聞いた話なのですが、「この子にはなにか光るものがある」とプロデューサーが感じた理由に、応募してきた男性の中でケイくんが唯一、まっすぐに目を見て話してくれる人だった、というのがあるそうです。そのエピソードに納得できるほど、観ていると、不思議なくらい、どんどん彼を応援したくなっていくるんです。

ゴールのモチベーションが「中出しセックスがしたい」だっていいじゃないか。


ケイくんを、ゴールさせてあげたい。

このアホに、なんとかして夢を叶えてさせてあげたい!


そんな期待を膨らませながら、映画はエンディングへと向かっていきます。

果たしてケイくんは、100キロを走りきれるのか!? 上原亜衣さんと、念願の中出しセックスができるのか!? 結果を含めた以降の過程は、ぜひ劇場でご覧になっていただければと思います。

どこまでも明るくまっすぐ、ちょっとトホホな青春映画

なんだよ、これ青春映画じゃん

とは平野監督のコメントですが、観終えたとき、わたしもまったく同じことを思いました。

そして、「青春は、10代の特権じゃないぞ!」とも。

青春って、青臭くてまっすぐで明るくて、でもちょっとカッコ悪くてトホホなことが、たくさんある。カッコつけてもカッコつけきれないし、動機は不純。でも、そこが最高に魅力的でもある。そんな「青春」がギューッと詰まった作品でした。

だって、「100キロ完走!」ってそれだけ聞くとすごくカッコイイのに、そのためのモチベーションが「大好きなAV女優と会って、中出しセックスができる!」なんですもん。そこかよ! って苦笑いしちゃうのに、てらいなく「中出ししたいっす!」というケイくんは、なんだかとてもカッコよかった。 伴走する平野監督に「ちょっと勃起してきました!」って言うケイくんもクレイジーだし、それに「マジで! ちょっと見せて!」って返す平野監督もクレイジー。というか、「中学男子かよ!」と突っ込みたくなるほど、まっすぐ明るく、バカバカしい。それって、まさに青春じゃないか! と思いました。

そして何より、平野監督の素晴らしい編集の手腕が発揮され、別ラインで走っていた上原亜衣さん引退作撮影現場の裏側も、ケイくんのストーリーと絡み合い、なかなか見ることのない違う一面を垣間見ることができます。

明るい笑顔が魅力の上原亜衣さんが、撮影現場の進行についてスタッフと口論になり、自分の思いを訴えながら涙を見せる 彼女もまた、自分の青春と向き合っていた1人でした。


愛されたくてこの仕事を始めたの

私のこと、忘れないで


彼女にとってAV女優を引退するということは、1つの青春の終わりだったのかもしれない

そのまなざしにグッときつつ、一方で、それに向かう男性陣は、ただまっすぐに「上原亜衣とやりたい!」だけを見て、とんでもない距離を走ってきている。そのすれ違いもまた、非常に青春っぽかった!

涙を見せながら、スタッフとぶつかってでもファンと向き合い、喜ばせたいと思う上原亜衣さんと、ただヤリたいをモチベーションに駆けてくるケイくん。それを追う、マイペースな平野監督。ヨレヨレになってさらに後ろから追うスタッフ。

全員のバラバラな思いは大きなうねりとなり、エンディングに向かっていきます。

観終えたあと、本当に清々しい気持ちになりました。「ああもう、なんでもいいんだ! 必死こいて生きて、必死こいて何かを求めれば、それだけでもうじゅうぶん青春だ!」と笑えてくる感じ。うだうだ悩んだり考えていたことがバカバカしくなり、全身からエネルギーがみなぎってくるような、最高の青春映画でした。

アンコール上映決定

『青春100キロ』は、4月30日(土)から5月13日(金)の期間限定で、東京・渋谷アップリンクでのアンコール上映が決定しています。通常の上映に加えて、特別企画や物販も予定されているということなので、ぜひこの機会をお見逃しなく。

また、5月19日(木)には、関西初上映として大阪・ロフトプラスワンでの上映も決定しております。

わたしももう1度観に行く予定です! それでは劇場でお会いしましょう。

今日はそんな感じです。

チャオ!

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作品情報

青春100キロ

出演
上原亜衣、ケイ、タイガー小堺、智子(本中)
スタッフ
榎本靖、小坂井徹
プロデューサー
智子(本中)、野田(本中)
協力
HMJM、カンパニー松尾、岩淵弘樹、桑原広延(UPLINK)
音楽
ゴールドマン
監督
平野勝之
制作・配給
本中
配給協力
HMJM(ハマジム)

(2016年/115分)※18歳未満の方はご覧いただけません

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青春100キロ

映画

2011年にデビューして以来、常にトップを走り続けてきたAV女優・上原亜衣。そんな彼女が惜しくも引退を発表し、その引退作として一挙6本のAVを製作するという壮大なプロジェクトが始動。その内の1本が急遽映画監督の平野勝之に託された。
企画の内容は、「上原ファンの一般男性が、新宿から彼女の引退撮影現場である山中湖までの100キロをマラソンで走り、それを自転車で並走しながら撮影する」というもの。平野がプロデューサーから求められたことは「ヌケなくていい」「上原亜衣の引退にまつわるドキュメントを映画にしてほしい」ということだけだった。
しかし、その発注は撮影4日前。慌てた平野は旧知のスタッフを集め、突貫的にマラソン撮影に挑む。その慌ただしさと唐突さは『監督失格』からの長いブランクには逆に丁度よかった。
かくして引退作品の撮影の為に集められた100人に及ぶ素人ファンと、女優、監督、スタッフらが巻き起こした熱狂の3日間、それと平行して行われた100キロマラソンを追った異色のドキュメンタリー映画が完成。監督平野勝之はそれを青春と名付けた。
※R-18*18歳未満の方はご入場出来ません
Twitter id : @ueharaai1
アップリンクチケット販売URL:https://ticket.tickebo.jp/ja/event/show/9009001/?tcktvwid=724CM3KN63J&cal=1&cnv=1#scheduleDate_30

hase0831

会社員 兼 ブロガー

好きなものはお酒と読書とインターネット。
ブログ『インターネットの備忘録(http://hase0831.hatenablog.jp/)を中心に活動。
「サイボウズ式(http://cybozushiki.cybozu.co.jp/bloggers/)」にてブロガーズコラム連載中です。
Twitter id : @hase0831

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