優勝はTENGAを宇宙船に見立てた怪作 ロンブー淳のTENGA CMコンテスト

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優勝はTENGAを宇宙船に見立てた怪作 ロンブー淳のTENGA CMコンテスト
優勝はTENGAを宇宙船に見立てた怪作 ロンブー淳のTENGA CMコンテスト
アダルトグッズなどを手掛けるTENGAと、お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さんによる個人企画「淳の休日」がコラボレーションした「TENGA CMコンテスト」。

男性用のアダルトグッズ「TENGA」と女性用の「iroha」を題材に、賞品が総額300万円分のTENGAということでも話題に(作品募集が始まった際には、要項を田村淳さんの独占コメントと共にKAI-YOU.netでも記事化しました)。

2016年3月5日(土)、新宿・ロフトプラスワンにて、最終ノミネートの20作品からグランプリを決めるイベントが行われました。会場は後方席まで満員で、女性の姿も多く見られました。田村淳さん、お笑いコンビ・ニブンノゴ!の森本英樹さん、TENGA代表の松本光一さんが、審査作品をひとつずつレビューした後、来場者による投票が行われます。 田村淳さんは冒頭に「東京のとある地下酒場で、性の話を健全に語って明日に向かう若者がたくさんいるというのを、今日はネットを使って知らしめてやりましょう」と観客に呼びかけ。イベントはインターネットでも同時配信され、視聴者からのコメントを拾いながら展開しました。

今回は受賞作品の紹介はもちろん、「TENGAはIT革命の次に来た『性革命』」といった名言も飛び出した田村淳さんへの独占ショートインタビューも掲載。イベントはまさに映画『モテキ』でも一斉に注目を浴びた名フレーズ「LOVE ME TENGA」にあふれた時間となりました。

TENGAが切り開く僕らの未来とは!?

文:松本塩梅

ロンブー淳の夢は「自分のテレビ局をつくる」こと

テレビを中心に、お笑い、バラエティ、最近では政治などにも関心領域を広げて活動する田村淳さん。また、テレビの現場にいながらも、Twitterでの歯に衣着せぬコメントや、インターネット個人番組「淳の休日」でも“テレビにできない企画”に挑戦し、今やテレビとネットを横断する存在として注目が集まっています。

コンテスト開始直前、田村淳さんにショートインタビューする機会を得て、企画の経緯、今後の展望についてうかがいました。

──今回のTENGAとのコンテストがはじまった経緯を教えてください。

 社長の松本さんにテレビ番組のゲストで来てもらったのがきっかけですね。そこではじめてお会いして。僕もTENGAを使っていたので「あの社長さんですか!」と連絡先を交換して、そこから交流が始まりました。TENGAは一企業として大きくなったのに、今のところ地上波のテレビでCMをなかなか打ちづらいという話があるそうなんです。そこで、インターネットを使って、テレビで流せるレベルのCMを募集しようと企画が持ち上がりました。

松本さんは松本さんで、僕は僕で「面白い作品」の基準があり、それを「みんなで決める」というのが面白い企画になりそうだなと。今回ノミネートされた20作品はそれぞれがTENGAのことをきちんと理解して、CMという「枠」で求められるラインもせめぎあった上で応募してくれているので、面白い企画になりました。

「みんながクリエイター」の時代に入ってきているし、こういう企画がもっと広まると、一般の人からCMを公募する時代が来るんじゃないかと思います。特にネットでのCMはローコストでもきちんと伝わるもの、実際の消費者目線でつくるCMが、よりグッとくるなと感じています。こういう企画を試しにでもやってみたいと言って、動いてくれたTENGAさんには感謝ですね。

──淳さんにとって「TENGA」とはどんな存在ですか?

TENGA&irohaについて熱弁する淳さん

 農業革命、産業革命、IT革命の次にある「性革命」を起こしている。人間の性である性的欲求を、クリエイティブな作業とエンターテイメント性をもった商品に変えているんです。この「性革命」にみんながもっと気づけばいいなと思います。IT革命も最初はよくわからない感じだったじゃないですか。やっぱり「知らない」というのは、誰でも怖い。だからTENGAのこともまずは知ってもらえれば。

──革命という点では「淳の休日」でもインターネットを中心に新しい取り組みをなさっていますが、今後、テレビではどんな展開があるとお考えですか?

 僕はテレビ局を持つことが夢なんです。本当に大きな夢なんだけど、実現できないことじゃないと思っていて。いろんな映像クリエイターの方とつながっていくと、自分がテレビ局をつくった時に「こんなお仕事をお願いしてもいいですか」と話を振れる。今回のコンテストでもつながりを持っておきたいなと思ったんです。

テレビがコンプライアンスで苦しめば苦しむほど、僕としては嬉しい。テレビで表現できなくなってきたら、表現できる場所さえ探してしまえばいいと思うから。それが自分のテレビ局を持ちたいという夢だったり、ネット配信やBS放送など、規制のゆるやかなところで自分のやりたいことをやるのもそう。たとえば、今度BS放送で「しゃぶしゃぶを食べながら、経験者とシャブ(覚せい剤)のトークをする」って番組をやるんです。

──ギリギリですね(笑)

 はい。でも、地上波で流しても問題ないくらい僕は有意義な情報が得られて、しかも楽しめた。テレビが苦しんで、できない表現を自分なりに休みの日とかを使ってやりたいなと。

──インターネット発で、マスメディアの価値観が変わるようなことはいまだ起きていませんね。それが追いつく、変わるようにするために、何かできることはないでしょうか?

 やっぱり「じいちゃん、ばあちゃん」たちが手にとって、今までの生活との違いを実感しないといけないんだと思うんです。若い人はもう生まれた時にネットがあって、実感している人は実感している。けれど、結局は高齢者や団塊の世代がネットにのめり込むと、もっとイノベーションが起きやすくなって、お金もまわってくる。「昔、テレビってあったよね」という時代が来る……ような気がしますよね。

──その頃には淳さんがテレビ局をつくり、そこではTENGAのCMが流れていると。

 そう、僕はそこを目標にしているんで。TENGAのCMを流すことと、極楽とんぼの山本圭一を出演させること(笑)。それを、いつの日か。

では、その狙いと展望を胸に開かれた今回の「TENGA CMコンテスト」はどのような盛り上がりを見せたのか。あらためて受賞作品の紹介からお届けしましょう。

圧倒的支持! グランプリは「TENGAを宇宙船に見立てた」

今回のコンテストで「圧倒的な支持を得て」グランプリを獲得した作品を早速紹介しましょう。跡地淳太朗+RYO SAITOHによる『我が輩のポコチンの夜明け』です。

『我が輩のポコチンの夜明け』動画

スクリーンに作品が流れた瞬間、会場から感嘆の声があがった本作品。田村淳さんは「シャンプー」、森本英樹さんは「雨の中を走る高級自動車」のようなイメージを抱いたそう。優雅な音楽と共に水面からつややかに現れるTENGAの姿に、講評した松本代表は「真面目につくればつくるほど面白くなっていくというつくり込みが良かった。全体のシズル感、編集、タイトルの出し方、全てにおいて高い次元の作品をつくってくれたと思います」と絶賛。

受賞した29歳の男性は嬉しさを爆発させ、「僕はちょうどTENGAドストライク世代。プロダクト自体の美しさ、そして感謝と愛を込めました。(映像は)宇宙船が発射していくイメージでした。『アルマゲドン』や『インターステラー』といったSF作品を見ながら、童貞の思想で、セックスを超えた自慰のロマンを重ねたかった」と熱弁。

これには田村淳さんも「松本社長がこのTENGAのフォルムに行き着くまで、かなりの美意識で考えてつくられていますし、それが若い世代まで伝わっているのはすごいことですね」とコメント。文句なしの受賞作に総額100万円分のTENGAが贈られました。

なお、賞品の具体的な個数は明かされなかったものの、TENGAの代表格ともいえる赤いラベルの「DEEP THROAT CUP」が1個750円(税別)と考えると、1200個以上のTENGAが届くことに。もっとも、よりコンパクトで手軽に楽しめる「EGG」シリーズや、繰り返し使えてハイエンドな「HOLE」シリーズなどは価格も異なりますから、ざっくり見積もっても1000個近くにはなるのでしょう。

会場は満員!

準グランプリは「斜め上の融合」と「プロの仕業」が光る

グランプリに続き、総額50万円分のTENGAが贈られた準グランプリ。今回4本の作品を提出し、そのうち3本がノミネートされた市原賢治さんは、『MCバトル』『てんが昔話』の2本をもって準グランプリに選ばれました。

『MCバトル』

部屋のベッドに座り、机の上のTENGAを眺める男性。「彼女ができた、君から卒業、おつかれさま」とラップで告げると、TENGAがアンサーソングでラップバトルを仕掛けてくるという設定です。「かっこいい! 最後はTENGAが『いつでも帰ってくるのを待ってる』って優しく包みこむのもいい」と田村淳さん。

てんが昔話

紙芝居風のアニメーション、桃太郎、浦島太郎、かぐや姫などのあらすじを追いながら、オチに必ずTENGAが登場し、「HAPPYを頑張ろう」のキャッチコピーと共に「めでたしめでたし」となります。

誰もが知っている昔話をTENGAと融合させた点が高く評価され、森本英樹さんは「ポップでしたね!」と笑顔。田村淳さんは「クリエイターとTENGAを融合させたらどうなるかという実験を今回はしているわけですが、クリエイターは切り取り方が気持ちいい。自分にこういう発想はなかったし、いま脳みそが喜んでますね」とこちらも笑顔でコメント。

TENGA 「びしょびしょ美女」篇

もうひとつの準グランプリは近藤匠さんの『びしょびしょ美女』。大雨の中に佇み、白い息を吐く女性。家に入れてもらえないのか、ふるえる指先でドアチャイムを鳴らし、ドアをノックします。「いれて…」とつぶやく女性。しかし、ドアは開かない。「いれて…」と口にする女性に「女、need?」のキャッチコピーと共にTENGAが登場。

制作したのはCMディレクターとして働く31歳の男性。「放送コードも踏まえつつ、YouTubeで流した時にユーザーにひっかかるようにガチで考えた」とプロの仕事ぶりを発揮。松本代表も「本格的な撮影技法で、何よりテレビCMとして流せるという前提にちゃんと取り組んだところに感銘しました。丁寧な仕事です」と評価しました。

田村淳賞作品や、この日最も観客の心に残った怪作も

その他、各コメンテーターからの特別賞も贈られました。田村淳賞を受賞した『「愛やエッチよりまえに」篇』は、コピーライターの長谷川哲士さんによる「ABCDEF G H I 愛やエッチより前に、自慰がある。」のコピーをベースに、CMクリエイターの森江康太さんたちと協力して制作。LINEでやり取りする男女の一幕を描きました。

TENGA(テンガ) CM|「愛やエッチよりまえに」篇

また、受賞こそなりませんでしたが、コメンテーターと観客の記憶に焼き付いたのが藤井克樹さん作の『天狗の苦労』。

天狗の苦労

天狗のお面を付けた男性が竹を切ったり土を掘り返したりするとTENGAを見つけるというシンプルなストーリーですが、バックグラウンドに流れている「ある日TENGA見つけました〜、天狗さんが見つけ〜ました〜」の絶妙にゆるい歌声が耳に残る一本。田村淳さんも「思わず今日シャワーを浴びながら歌ってしまいそう」と大笑い。映像の低予算感も相まって見れば見るほどクセになり、今回のコンテスト最多の4回も再生されたのでした。

受賞こそなりませんでしたが、森本英樹さんのリクエストで、結果発表の際に制作者が生歌を披露するまでに。予算や人員がなくとも爪痕を残すCMはつくれるという好例だったと言えそうです。

その他、シンプルながら力強い表現が際立つ受賞作品たちは、TENGA公式サイトまたは「淳の休日」のそれぞれで観られます。
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