先の記事でご紹介した通り、大盛況を記録した二輪車向けの『ばくおん!!』コラボ交通安全キャンペーン。
「ばくおん!!」コラボの交通安全キャンペーンに行ってきた!
そこで当日は、『ばくおん!!』コラボを企画した『奥多摩周遊道路安全施設設置検討委員会(以下委員会)』のメンバーである東京都建設局・奥多摩出張所所長の増田聡さんにお話をうかがうことが出来ました。
増田 約850人以上の方々がいらっしゃったようです。奥多摩では青梅警察署が定期的に交通安全のイベントを開催していますが、今回は特に多くの方に足を運んでいただいたようです。
──『ばくおん!!』を起用しての企画になった経緯はどのようなものだったのでしょうか。
増田 現在、奥多摩周遊道路ではオートバイの事故が多発しており、所轄の警察署と地元自治体、そして道路管理者である東京都が委員会を設置し、新たな視点での交通対策を検討しています。その対策は大きく3つに分けられまして、1つ目が事故多発地点、いわゆる魔のカーブ対策、2つ目が近年急増する自転車の転落防止対策、3つ目が効果的な安全施設の設置となっています。この3つ目の方針に基づき、道路のカーブを詳細な線形で表示した警告板や、見る人を落ち着かせる効果を狙った青色で優しい文面の警告版を作ったのですが、それと合わせてメディアコンテンツの利用によって掲示の効果を高める事を考えました。
そして委員会において、道路の警告板にタレントやイラスト、オリジナルキャラなど何を使うと効果的なのかを検討し、ライダーへの訴求力が高く、内容的にも交通違反を助長しない『ばくおん!!」を採用することとしました。
役割分担として、奥多摩周遊道路の所轄警察署である青梅警察署、五日市警察署がポスターの作成と交通安全イベントを企画し、当出張所において警告板の設置やパンフレット等の作成を行うことになりました。。
イラスト入りの警告板も、今回のイベントのためだけに設置したというものではなく、社会実験の一環としてしばらくの間(約1年半)実際に利用する事になっています。
増田 最近は漫画・アニメの力が社会的に認められてきており、企画段階でも上層部には好評でしたね。ただ、ライダーの安全に関わることなので、できる限り早く実施したいという想いがあり、『ばくおん!!』×警視庁×東京都の連携コラボを実質3ヶ月で企画から実施までやりました。正直、タイムスケジュールに1日の余裕もない日々が続き、こうして本日イベントが開催できたことが、奇跡に近い状況です。関係者のご尽力のおかげで、今日を迎えることができました。おりもと先生をはじめ、関係者の方々には、この場を借りて深く感謝申し上げます。
『ばくおん!!」の起用ということでは、こちらから秋田書店さんにお話を持ち寄りました。秋田書店さん側としても、交通安全に対する啓発に役立てられるならと、非常に前向きにご協力いただけました。おりもと先生には無理を言って、警視庁ポスターや警告板、パンフレット、マグネットなど今回のイラストは全て描き下ろしていただきました。今回のケースは、交通安全という公共目的の利用であるため、掲示期間の版権使用料は無償としていただけました。
──増田さんは、警視庁のポスター製作にも関わられたとか?
増田 警視庁ポスターのデザインについては、当初、私と都の担当者で考えました。第1案は白バイのカタナと凜ちゃん、第2案は羽音、凜、恩紗がプロテクターを着けて並んでいるのですが、どうもインパクトに欠けるのです。『ばくおん!!』らしさがないというか(笑)。そこで、今度は5案くらい考えたんですね。個人的には早川さんが「そんな装備で大丈夫ですかな?」って聞いて、聖が「大丈夫、問題ないわ」とか「一番いいのを頼みます」って答えるのがイチオシでしたが、さすがに問題がありすぎて途中でボツになっちゃいました(爆)。
最終的には、おりもと先生が考案してくれた音紗Ver.と、白バイ隊員の凜が「プロテクターしているかな?」と羽音や恩紗を指導しているVer.が残って、警視庁関係者の判断で恩紗Ver.の採用となりました。このポスターは、今後、都心にも掲示される予定だそうです。 ──キャンペーン告知後の反応としては、作中で一般道を300km/hオーバーで走るシーンがあり、「そんなマンガと都や警察がコラボしても大丈夫なのか」と心配する声もちらほらと見かけましたが……
増田 1巻での来夢先輩の事ですね。あれについては、後ろに主人公の羽音を乗せてタンデムしながらそれだけのスピードを出せる訳ないだろうというのも含めて、ネタ描写のシーンだと解釈しています。今後のストーリーでも違法行為を美化するような表現をするつもりはないとうかがっているので、安心していいのではと考えています。
「今バイクに乗っている人には、変わらず楽しんでバイクに乗ることを勧め、認めてくれた家族や友人の為にも事故で死んだり怪我することことなく家まで帰っていただきたいと思います」とも語っていた所長の想いも、単なる漫画とのコラボ企画では収まらない、今回のキャンペーンの成功の理由でもあったようです。
ちなみに、10月中下旬にもイベントが開催されるとの情報もあり、警視庁や秋田書店のHPは要チェック!
「ばくおん!!」コラボの交通安全キャンペーンに行ってきた!
そこで当日は、『ばくおん!!』コラボを企画した『奥多摩周遊道路安全施設設置検討委員会(以下委員会)』のメンバーである東京都建設局・奥多摩出張所所長の増田聡さんにお話をうかがうことが出来ました。
■『ばくおん!!』を起用して交通安全キャンペーンを行った背景
──今回のイベントには多くの方に来ていただけたようですね。増田 約850人以上の方々がいらっしゃったようです。奥多摩では青梅警察署が定期的に交通安全のイベントを開催していますが、今回は特に多くの方に足を運んでいただいたようです。
──『ばくおん!!』を起用しての企画になった経緯はどのようなものだったのでしょうか。
増田 現在、奥多摩周遊道路ではオートバイの事故が多発しており、所轄の警察署と地元自治体、そして道路管理者である東京都が委員会を設置し、新たな視点での交通対策を検討しています。その対策は大きく3つに分けられまして、1つ目が事故多発地点、いわゆる魔のカーブ対策、2つ目が近年急増する自転車の転落防止対策、3つ目が効果的な安全施設の設置となっています。この3つ目の方針に基づき、道路のカーブを詳細な線形で表示した警告板や、見る人を落ち着かせる効果を狙った青色で優しい文面の警告版を作ったのですが、それと合わせてメディアコンテンツの利用によって掲示の効果を高める事を考えました。
そして委員会において、道路の警告板にタレントやイラスト、オリジナルキャラなど何を使うと効果的なのかを検討し、ライダーへの訴求力が高く、内容的にも交通違反を助長しない『ばくおん!!」を採用することとしました。
役割分担として、奥多摩周遊道路の所轄警察署である青梅警察署、五日市警察署がポスターの作成と交通安全イベントを企画し、当出張所において警告板の設置やパンフレット等の作成を行うことになりました。。
イラスト入りの警告板も、今回のイベントのためだけに設置したというものではなく、社会実験の一環としてしばらくの間(約1年半)実際に利用する事になっています。
■『ばくおん!!』コラボの舞台裏
──今回の企画を進める上で大変な事はありましたか。増田 最近は漫画・アニメの力が社会的に認められてきており、企画段階でも上層部には好評でしたね。ただ、ライダーの安全に関わることなので、できる限り早く実施したいという想いがあり、『ばくおん!!』×警視庁×東京都の連携コラボを実質3ヶ月で企画から実施までやりました。正直、タイムスケジュールに1日の余裕もない日々が続き、こうして本日イベントが開催できたことが、奇跡に近い状況です。関係者のご尽力のおかげで、今日を迎えることができました。おりもと先生をはじめ、関係者の方々には、この場を借りて深く感謝申し上げます。
『ばくおん!!」の起用ということでは、こちらから秋田書店さんにお話を持ち寄りました。秋田書店さん側としても、交通安全に対する啓発に役立てられるならと、非常に前向きにご協力いただけました。おりもと先生には無理を言って、警視庁ポスターや警告板、パンフレット、マグネットなど今回のイラストは全て描き下ろしていただきました。今回のケースは、交通安全という公共目的の利用であるため、掲示期間の版権使用料は無償としていただけました。
──増田さんは、警視庁のポスター製作にも関わられたとか?
増田 警視庁ポスターのデザインについては、当初、私と都の担当者で考えました。第1案は白バイのカタナと凜ちゃん、第2案は羽音、凜、恩紗がプロテクターを着けて並んでいるのですが、どうもインパクトに欠けるのです。『ばくおん!!』らしさがないというか(笑)。そこで、今度は5案くらい考えたんですね。個人的には早川さんが「そんな装備で大丈夫ですかな?」って聞いて、聖が「大丈夫、問題ないわ」とか「一番いいのを頼みます」って答えるのがイチオシでしたが、さすがに問題がありすぎて途中でボツになっちゃいました(爆)。
最終的には、おりもと先生が考案してくれた音紗Ver.と、白バイ隊員の凜が「プロテクターしているかな?」と羽音や恩紗を指導しているVer.が残って、警視庁関係者の判断で恩紗Ver.の採用となりました。このポスターは、今後、都心にも掲示される予定だそうです。 ──キャンペーン告知後の反応としては、作中で一般道を300km/hオーバーで走るシーンがあり、「そんなマンガと都や警察がコラボしても大丈夫なのか」と心配する声もちらほらと見かけましたが……
増田 1巻での来夢先輩の事ですね。あれについては、後ろに主人公の羽音を乗せてタンデムしながらそれだけのスピードを出せる訳ないだろうというのも含めて、ネタ描写のシーンだと解釈しています。今後のストーリーでも違法行為を美化するような表現をするつもりはないとうかがっているので、安心していいのではと考えています。
「今バイクに乗っている人には、変わらず楽しんでバイクに乗ることを勧め、認めてくれた家族や友人の為にも事故で死んだり怪我することことなく家まで帰っていただきたいと思います」とも語っていた所長の想いも、単なる漫画とのコラボ企画では収まらない、今回のキャンペーンの成功の理由でもあったようです。
ちなみに、10月中下旬にもイベントが開催されるとの情報もあり、警視庁や秋田書店のHPは要チェック!
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