無許可だったんか…公道マリカー会社、任天堂から訴訟 無関係人物から商標出願も

無許可だったんか…公道マリカー会社、任天堂から訴訟 無関係人物から商標出願も
無許可だったんか…公道マリカー会社、任天堂から訴訟 無関係人物から商標出願も

「マリカー」公式サイトより

本日、2月24日(金)付のニュースリリースで、任天堂は、株式会社マリカーに対する訴訟を発表した。

マリカーは公道をゴーカートで走るサービスを提供する会社。公式サイト(外部リンク)によれば品川店のほか、渋谷店、秋葉原店、富士河口湖店、大阪店、沖縄店を展開している。

任天堂のリリース内容をかいつまんで書くと、以下の通り。要は、マリカーが任天堂に無許可で事業を広げてガチで詰められているという話だ。

・任天堂はマリカーに対し、不正競争行為、著作権侵害行為、それらの行為からの損害賠償を求めている。
・マリカーは、公道カートのレンタルサービスにおいて、「マリオカート」の略称である「マリカー」を無断で用い、利用者に「マリオ」などのキャラクターのコスプレ衣装を貸した上、その画像や映像を任天堂の許可なしに宣伝や営業に利用していた。
・マリカーの宣伝や営業行為は、任天堂が有する権利を違反した行為に値すると考えている。

「マリカー」公式サイトより

公道ゴーカートは一般普通免許があれば誰でも利用でき、外国人観光客をはじめ、アクティビティとして人気があった。実際にマリカーのウェブサイト上でも、上記のように観光客を意識した利用者の声を掲載している。

「マリカー」公式サイトより

また、コスプレにあたっても「スーパーマリオのコスプレをして乗れば、まさにリアルマリオカート状態!」と謳っている。

Twitterでは任天堂のニュースリリースを目にした人から「無許可だったのか!」と驚きの声が上がる。特に、KAI-YOU編集部のある渋谷近辺でもよく見る光景だっただけに、社内からも総ツッコミが入った。

【2月24日17:55追記】弁護士ドットコムニュース(外部リンク)、産経ニュース(外部リンク)の報道によれば、任天堂は「数カ月前から」マリカーの業務を把握しており、警告したものの誠意ある回答が得られず、「提訴に踏み切った」とのこと。また、マリカーは「後日、見解を発表する」と回答。両社の取材から次なる展開が見えてきた格好だ。

【2月25日8:55追記】訴訟を受けてマリカーが声明を発表。NHK NEWS WEB(外部リンク)他が一部を引用しているのをはじめ、インサイド(外部リンク)やレスポンス(外部リンク)など、株式会社イード運営のメディアが「報道機関向けの声明文が公開」されたとして、全文を掲載している。

声明によればマリカーは「複数の弁護士・弁理士等の専門家に相談し」任天堂の訴えには該当しないことを確認した上でサービスを提供し、「任天堂様と協力してそのような事業者がなくなるように対応していこうと協議した矢先のことであり、大変困惑しております」と述べている。

「警告していたが誠意ある回答がなかった」という任天堂と、「協議した矢先の訴訟」と困惑するマリカーで意見の食い違いが起きており、争論は長引きそうだ。現状ではマリカー公式サイトはダウン中なのか、接続できないままとなっている。

「マリカー」以外の公道カート業者はどうなるか

ただ、公道カートを提供する事業者は、今回訴訟されたマリカーだけではない。たとえば、秋葉原を中心に事業を手がける「アキバカート」(外部リンク)も同様のサービスを行っている。

こちらは「マリカー」という言葉は使用せず、「コスプレ衣装の貸与も行っていない」と公式サイトにはある。

ただ、サイトに掲載のQ&Aに「コスプレのレンタルは行っていません。お客様から寄贈いただいたものや弊社プロモーションで使用したものは無料でお貸しいたします」(外部リンク)と書かれてあり、サイトには『スーパーマリオ』のキャラクター衣装を来た写真を複数掲載している。

ちなみに、アキバカートを商標検索してみると出願されており、審査中となっていた(外部リンク)。

興味がわいたので出願人の氏名で検索をしてみると、まったくの偶然かもしれないが、同一の氏名で以前に「マリオカート」「リアルマリオカート」といった名称で出願をしていた経歴が見えた。 「MARIO KART\マリオカート」は「任天堂株式会社」により商標が継続していることから、任天堂とは無関係の人物と思われる。

考えることは皆同じ、ということか。これを機会に、公道カートの有り様も変わっていきそうだ。
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