【レビュー】Perfumeが『Future Pop』で示した、前向きな未来

【レビュー】Perfumeが『Future Pop』で示した、前向きな未来
【レビュー】Perfumeが『Future Pop』で示した、前向きな未来

公式サイトより                       

POPなポイントを3行で

  • Perfume『Future Pop』をレビュー
  • 中田ヤスタカが“完成”させた一貫したテーマ
  • 歌モノのポップでまとめたアルバムが見据える未来
前作『COSMIC EXPLORER』から2年4カ月ぶりにリリースされたニューアルバム『Future Pop』のタイトルから紐解く彼女たちのフューチャーポップ。

中田ヤスタカが“完成”させた『Future Pop』

8月15日に発売されたアルバムは、その名も『Future Pop』。

これは彼女達の音楽プロデューサーである中田ヤスタカが、あるいは彼のユニットであるCAPSULEが初期の頃から得意とするテーマでもある。

中田ヤスタカがプロデューサーとして参加して以降のPerfume自体も、「リニアモーターガール」でメジャーデビューした当時から近未来を想像させるコンセプトソングとパフォーマンスをずっと続けてきた。
Perfume「リニアモーターガール」
ダンスミュージックジャンルの一つである「フューチャーベース」(Future Bass)を下敷きにした音楽性を高めた上、ここに来て『Future Pop』というタイトルを満を持して掲げたということは、遂にそれが”完成された”と言えるのではないだろうか。

『Future Pop』でPerfumeが示した未来

気になるその中身は、全体的にポップな歌モノの世界だった。

タイアップも付いた「TOKYO GIRL」や「If you wanna」のシングル曲や初期の「エレクトロ・ワールド」も彷彿とさせる「天空」のようなSFソング。
Perfume 「TOKYO GIRL」
フューチャーポップを歌いながらも”フロッピーディスク”という古い記録物を歌詞に添えた過去と現在と未来を行き来するようなアジア的なメロディーを持つ「超来輪」。

未来へ向かうクライマックス感を溢れさせたシングル曲「無限未来」。知らない近未来ばかりではなく知っている懐しさすら感じさせいつかの世界も見せてくれる表題曲「Future Pop」。
Perfume 「無限未来」
いずれの曲も、すべて歌モノポップの世界だった。

FUSION」というサイバーで重いサウンドも1曲収録されているが、今の中田ヤスタカと彼女たちなら全編をこういう方向性で持って行くことも可能だっただろう。

しかしそれをせず『Future Pop』の名の下で表明したその意志が、リスナーから遠ざかり過ぎないで歌モノで勝負したアルバムに表れている。

デビュー当時のあの頃から想像出来ただろうか。中田ヤスタカに声を加工されることにさえ抵抗がある中で“フューチャーポップ”の世界を必死に表現していた幼い彼女たちが、今ここに真の『Future Pop』を堂々と完成させる姿を。

世界を見据えて活動する、日本を代表するテクノポップグループ・Perfume。

ダンスや様々なテクノロジーを駆使した総合芸術も彼女たちの一部分ではあるけれど、アルバム単体でもポップをしっかり聴かせることのできる彼女たちに任せたい未来は、リスナーと共にしっかり前向きにある。

それを示してくれているのがこの『Future Pop』だ。

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