突然ですが、みなさんはLARPをご存知でしょうか? 「Live Action Role Playing」の略であり、直訳すれば「ライブRPG」という意味です。
海外が発祥と言われているLARPは、コスプレをしてTRPGをする、わかりやすくいうと、ドラクエを実際に演じてやってみるというお遊び。
基本的にLARPは中世ファンタジーのような架空の世界観を舞台とした、いわばリアルRPGイベントで、日本でも行われています。
『ドラクエ』のような剣と魔法の世界で、その世界の住人として冒険を繰り広げる……
今回は、日本ではまだあまり知られていない奥深い遊び・LARPをちょっとゆる〜くした「ゆるLARP」の世界をお伝えしていきます!
LARPには「財宝を見つける」といったような冒険のシナリオがあり、罠を解除できる人、魔法が使える人、暗闇を照らす人など、実際のRPGのように参加者一人ひとりに役割や能力が与えられ、冒険を攻略するために精一杯、そのキャラクターを演じます。
一方、「ゆるLARP」はそんなLARPの「戦闘」要素だけを抽出して手軽に遊ぼうという趣旨で行われています。 そのため、基本的には「LARP」では比較的凝ったコスプレをする方が多いのですが、「ゆるLARP」では私服でも遊ぶことができます。LARPのようにファンタジーという世界観の設定やシナリオなどもなく、本当にRPGの戦闘だけを自由に楽しめるような、初心者でも参加しやすいようになっており、本当にゆるいです。
サバゲーをRPGっぽくしたようなもので、参加者にもサバゲー経験者が多く、他にはコスプレイヤーさんもちらほらと見かけました。
武器は自作の武器を持ってくる人もいれば、筆者のようにレンタルで借りる方もたくさんいました。 この「ゆるLARP」は、参加者が新しい人たちの参入を期待している面が大きく、「ゆるLARP」のメインである「戦闘」のやり方に関しても、熟練の参加者が丁寧に教えてくれます。武器の種類は、剣や槍、斧の他にも、洋弓、弾弓など様々。
基本はスポンジを使っていたり、自作武器にしても、布テープで巻きすぎて固くしないことなどのルールがあり、運営による安全チェックもあります。 弓にも種類があり、一般的には弓は矢を飛ばすものだと思われがちですが、今回は弾弓と呼ばれる弓も用意されていました。矢ではなく、弾を飛ばす弓もあります。 剣の振り方や、槍を使った攻防一体の武術を身を持って体験するのは楽しいものです。筆者は使いやすいロングソードを選んでみました。
ちなみに戦い方は、武器を使うだけではなく、魔法を使うこともできます。
魔法には「基本魔法」「中級魔法」「上級魔法」の3種類あり、それぞれ、使用時の呪文の難易度が変わります。基本魔法は魔法名を適当に叫ぶだけでいいのですが、中級魔法は30文字以上の呪文を、上級魔法は50文字以上の呪文を唱える必要があります……。
魔法の防ぎ方には細かくルールが定められていて、基本魔法は武器で弾いたり、盾で防ぐことができますが、中級や上級は防ぐことができないので、食らうと即死。
魔法を発動するときは、基本魔法は基本が手のひらに隠れるサイズのゴムボール、中級は片手で持つのは難しいやや大きめのゴムボール、上級は小さなバイオ弾をスナツブテのように相手に投げつけるのです……!
今回は最も盛り上がった「キングキル戦」の様子をご紹介していきます。
キング戦は、その名の通り、相手チームのキングを倒せば勝利というルール。 キングには体力が設定されているので、キングの体力は5。つまり、5回攻撃されると戦闘不能になります。ちなみにLARPでは、このように1人ずつ体力が設定されますが、今回の「ゆるLARP」ではキング以外に体力の設定はなく、1回でも攻撃されると即死というルールのもとで行われました。
攻撃部隊とキングを守る援護部隊に分かれ、サバゲフィールドを縦横無尽に駆けまわり、敵と斬り合う。あちらこちらで闘いが繰り広げられているので、まるで戦国時代のような合戦気分を体験できます。筆者は先発隊の後方を遊撃手として動き回っていました。 目の前の敵だけに気を取られていると後ろから斬られてしまうこともあります……。ですが、こうした奇襲は仕掛けて成功すれば、最高に楽しい! やられたら悔しくってしかたないのですが、視野を広く持ち、柔軟に動きまわることがとても重要になります。 思い思いの戦闘スタイルを磨き、時には普段は使わない武器を使ってみる。
参加者は真剣にその世界の住人になりきって戦いに挑んでいるので、戦いごとに全く違った展開やドラマが待ち受けているのがLARPの魅力です。
ちなみに筆者はこのキングキル戦では、キングを探してウロウロとしていると、運良く護衛している敵すべてが味方と小競り合いをして完全にフリーになっているキングと遭遇し、無事、キング暗殺に成功しました!
━━「ゆるLARP」を始めようと思ったきっかけを教えてください。
槍 もともとは埼玉で活動しているレイムーンLARPという日本中世ファンタジーLARPサークルに参加していたんです。そこでガッツリと本格的なLARPを楽しんでいたのですが、もっと戦闘だけを楽しめるイベントがほしいなと考え、自分でやってみることにしました。
━━今回は第2回目の開催になりますが、第1回と比べて参加者は増えましたか?
槍 前回は14人で、今回は16人ですね。正直、1人で運営する分にはギリギリだと感じています。でも、もっと人数を増やしていきたいなと思っているので、運営を手伝ってくれる人も出てきてくれると正直助かりますね。 ━━実際、ゆるLARPを運営してみて、手応えはいかがですか?
槍 まだまだ、細かいルールを工夫していける部分が多いと思います。本格的なLARPよりも、戦闘に特化しているからこそできる遊び方を模索していきたいですね。それに、ゆるさを大事にしているので、色んな人に興味を持っていただけるように、手ぶらでやってきて楽しめる今の空気は大切にしたいです。
━━今後はどのような展開を考えていますか?
槍 目指すは100人規模ですね。海外のLARPみたいな盛り上がりを日本でも根付かせることを目下の目標にしています。今後の開催頻度としては、今年はもう1回できればいいなと。1人で運営している以上、自分自身の仕事の休日や、サバゲフィールドの予約状況の具合が噛み合わないと運営できないので。
9月10月は忙しくなりそうなので、次の開催は11月以降になりますね。まずは年2回やっていくことを目指していこうと考えています。 まだまだ2回目の開催とはじまったばかりの「ゆるLARP」ですが、初心者であっても、本格LARPで鍛えられたベテラン戦士たちは戦い方のレクチャーをしてくれるので、本当にゆる〜い気持ちで参加することができます。
必要なのは、中二病を存分に発揮して楽しめるかどうか!
この遊びがどんどん広まって、いつでも好きなときに参加できる戦場がある状況になってほしいものです。
取材/文:モトタキ
海外が発祥と言われているLARPは、コスプレをしてTRPGをする、わかりやすくいうと、ドラクエを実際に演じてやってみるというお遊び。
基本的にLARPは中世ファンタジーのような架空の世界観を舞台とした、いわばリアルRPGイベントで、日本でも行われています。
『ドラクエ』のような剣と魔法の世界で、その世界の住人として冒険を繰り広げる……
今回は、日本ではまだあまり知られていない奥深い遊び・LARPをちょっとゆる〜くした「ゆるLARP」の世界をお伝えしていきます!
財宝を探すために協力して攻略!
筆者が参戦したのは、7月10日に、千葉のサバイバルゲームフィールド「METユニオン」にて開催された「第2回ゆるLARP」というイベント。LARPには「財宝を見つける」といったような冒険のシナリオがあり、罠を解除できる人、魔法が使える人、暗闇を照らす人など、実際のRPGのように参加者一人ひとりに役割や能力が与えられ、冒険を攻略するために精一杯、そのキャラクターを演じます。
一方、「ゆるLARP」はそんなLARPの「戦闘」要素だけを抽出して手軽に遊ぼうという趣旨で行われています。 そのため、基本的には「LARP」では比較的凝ったコスプレをする方が多いのですが、「ゆるLARP」では私服でも遊ぶことができます。LARPのようにファンタジーという世界観の設定やシナリオなどもなく、本当にRPGの戦闘だけを自由に楽しめるような、初心者でも参加しやすいようになっており、本当にゆるいです。
サバゲーをRPGっぽくしたようなもので、参加者にもサバゲー経験者が多く、他にはコスプレイヤーさんもちらほらと見かけました。
まずは使用武器を選ぼう!
「ゆるLARP」のルールは以下のとおり。ゆるいとはいえ、剣や槍といった武器を持って戦うことになります。そのため、怪我をしないように細心の注意を払わなければいけません。怪我をしたら、楽しさが台無しになってしまいます。手首から先、足首から先、首から先は無効なので狙わないこと
思い切り、武器を振り抜かないようにすること
とにかくお互い楽しくなるように怪我をしないように気を遣うこと 「ゆるLARP」ルール
武器は自作の武器を持ってくる人もいれば、筆者のようにレンタルで借りる方もたくさんいました。 この「ゆるLARP」は、参加者が新しい人たちの参入を期待している面が大きく、「ゆるLARP」のメインである「戦闘」のやり方に関しても、熟練の参加者が丁寧に教えてくれます。武器の種類は、剣や槍、斧の他にも、洋弓、弾弓など様々。
基本はスポンジを使っていたり、自作武器にしても、布テープで巻きすぎて固くしないことなどのルールがあり、運営による安全チェックもあります。 弓にも種類があり、一般的には弓は矢を飛ばすものだと思われがちですが、今回は弾弓と呼ばれる弓も用意されていました。矢ではなく、弾を飛ばす弓もあります。 剣の振り方や、槍を使った攻防一体の武術を身を持って体験するのは楽しいものです。筆者は使いやすいロングソードを選んでみました。
強い魔法を唱える時は50文字以上の呪文
こうして武器の使い方を教わり、自分の武器を決めたら、まずはウォーミングアップ代わりの「個人戦」がはじまります。個人戦は、参加者同士で使用武器を実際に使って試してみる模擬戦のようなもの。ちなみに戦い方は、武器を使うだけではなく、魔法を使うこともできます。
魔法には「基本魔法」「中級魔法」「上級魔法」の3種類あり、それぞれ、使用時の呪文の難易度が変わります。基本魔法は魔法名を適当に叫ぶだけでいいのですが、中級魔法は30文字以上の呪文を、上級魔法は50文字以上の呪文を唱える必要があります……。
魔法の防ぎ方には細かくルールが定められていて、基本魔法は武器で弾いたり、盾で防ぐことができますが、中級や上級は防ぐことができないので、食らうと即死。
魔法を発動するときは、基本魔法は基本が手のひらに隠れるサイズのゴムボール、中級は片手で持つのは難しいやや大きめのゴムボール、上級は小さなバイオ弾をスナツブテのように相手に投げつけるのです……!
キングをキルすれば勝利
戦いの基本的な説明をしたところで、いよいよチームに分かれて本番開始。フラッグ戦、砦攻略戦、そしてキングキル戦と呼ばれる3つの戦いが、チーム戦によって行われます。今回は最も盛り上がった「キングキル戦」の様子をご紹介していきます。
キング戦は、その名の通り、相手チームのキングを倒せば勝利というルール。 キングには体力が設定されているので、キングの体力は5。つまり、5回攻撃されると戦闘不能になります。ちなみにLARPでは、このように1人ずつ体力が設定されますが、今回の「ゆるLARP」ではキング以外に体力の設定はなく、1回でも攻撃されると即死というルールのもとで行われました。
攻撃部隊とキングを守る援護部隊に分かれ、サバゲフィールドを縦横無尽に駆けまわり、敵と斬り合う。あちらこちらで闘いが繰り広げられているので、まるで戦国時代のような合戦気分を体験できます。筆者は先発隊の後方を遊撃手として動き回っていました。 目の前の敵だけに気を取られていると後ろから斬られてしまうこともあります……。ですが、こうした奇襲は仕掛けて成功すれば、最高に楽しい! やられたら悔しくってしかたないのですが、視野を広く持ち、柔軟に動きまわることがとても重要になります。 思い思いの戦闘スタイルを磨き、時には普段は使わない武器を使ってみる。
参加者は真剣にその世界の住人になりきって戦いに挑んでいるので、戦いごとに全く違った展開やドラマが待ち受けているのがLARPの魅力です。
ちなみに筆者はこのキングキル戦では、キングを探してウロウロとしていると、運良く護衛している敵すべてが味方と小競り合いをして完全にフリーになっているキングと遭遇し、無事、キング暗殺に成功しました!
主催者はなぜゆるLARPを開催するのか?
最後に「ゆるLARP」でファンタジーな世界に浸った後、このイベントをたった1人で主催する槍さんにお話をうかがってみました。━━「ゆるLARP」を始めようと思ったきっかけを教えてください。
槍 もともとは埼玉で活動しているレイムーンLARPという日本中世ファンタジーLARPサークルに参加していたんです。そこでガッツリと本格的なLARPを楽しんでいたのですが、もっと戦闘だけを楽しめるイベントがほしいなと考え、自分でやってみることにしました。
━━今回は第2回目の開催になりますが、第1回と比べて参加者は増えましたか?
槍 前回は14人で、今回は16人ですね。正直、1人で運営する分にはギリギリだと感じています。でも、もっと人数を増やしていきたいなと思っているので、運営を手伝ってくれる人も出てきてくれると正直助かりますね。 ━━実際、ゆるLARPを運営してみて、手応えはいかがですか?
槍 まだまだ、細かいルールを工夫していける部分が多いと思います。本格的なLARPよりも、戦闘に特化しているからこそできる遊び方を模索していきたいですね。それに、ゆるさを大事にしているので、色んな人に興味を持っていただけるように、手ぶらでやってきて楽しめる今の空気は大切にしたいです。
━━今後はどのような展開を考えていますか?
槍 目指すは100人規模ですね。海外のLARPみたいな盛り上がりを日本でも根付かせることを目下の目標にしています。今後の開催頻度としては、今年はもう1回できればいいなと。1人で運営している以上、自分自身の仕事の休日や、サバゲフィールドの予約状況の具合が噛み合わないと運営できないので。
9月10月は忙しくなりそうなので、次の開催は11月以降になりますね。まずは年2回やっていくことを目指していこうと考えています。 まだまだ2回目の開催とはじまったばかりの「ゆるLARP」ですが、初心者であっても、本格LARPで鍛えられたベテラン戦士たちは戦い方のレクチャーをしてくれるので、本当にゆる〜い気持ちで参加することができます。
必要なのは、中二病を存分に発揮して楽しめるかどうか!
この遊びがどんどん広まって、いつでも好きなときに参加できる戦場がある状況になってほしいものです。
取材/文:モトタキ
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