BGMや登場人物とその配役、そしてストーリーやテーマまで、ポケモンのエッセンスが随所に詰め込まれており、25年の歴史を持つポケモンへの愛を感じることのできる内容になっている。
平野綾さんといえば、俳優として、声優として、タレントとして、多くの実績とキャリアを持つ実力派。そして実は、子役時代の重要な仕事にポケモンがあったという。
「ポケットモンスター」がこの世に誕生して25年──ポケモンは、平野綾さんとも密接に関わるものだった。
ポケモン黎明期からの、平野綾とポケモンの意外な繋がり
──平野綾さんとポケモンの出会いは、子どもの頃に出演されていた『ポケットモンスター 金・銀』のCMがはじめてだとお聞きしました。というより、平野さんがCM出演されていたことを知ってとても驚きました! 平野綾 (笑)。当時は中学1年生になりたてか、小学6年生の終わりくらいの時期だったんですよ。子役として10歳でデビューしてから、初めてのテレビCMのお仕事で。やっとの思いでオーディションで掴み取ったということもあって、よく覚えています。
同級生の間でも、ポケモンはめちゃくちゃ流行っていて。『金・銀』のCMが流れ出した途端に、学校で「平野が出てんぞ~!」って話題になったり。
『金・銀』といえば、トゲピーが新ポケモンとしてフィーチャーされていたんです。私はCMの中では「トゲピー見つけた!」という感じの芝居ををしていて──そのせいで、あだ名がしばらく「トゲピー」になりました(笑)。
──クラスメイトから「どこでトゲピー捕まえるの?」とか聞かれそうですね。
平野綾 はい、聞かれました(笑)。CMに出ているから、いち早く『金・銀』を遊ばせてもらえると思っているんですよね。
──当時からポケモンは人気でしたが、黎明期ともいえる『金・銀』の時代とはまた大きく変化していますね。
平野綾 『金・銀』CMに出たあとも、実は任天堂さんの番組に出させてもらって、ポケモンの大会の取材などもしていたんです。
私も大会に出場したりもしたんですけど、実はあんまりゲームが得意ではなかったから(笑)、レポーターをメインにやらせてもらっていました。
当時から、その熱狂はすごくて。それどころかどんどん盛り上がって。子どもたちの間で人気のキャラクターという枠を越えて、「世界のポケモン」になったというか、そんな変遷を感じています。
私もゲームが得意ではないながらも『ポケモン GO』を中心に楽しませてもらっています。
目黒洋子という配役──自分に似ていると思うポケモンは?
──ちなみに、ご自身をポケモンにたとえるなら、どのポケモンだなあと考えたりすることはありますか?平野綾 ええ! どれだろう!? でも今回、私が演じさせてもらう役が目黒洋子という登場人物なんですけど、モチーフはキュウコンとロコンなんですよ。それが私的には、すごい良いところを突いてきて下さったなと思っていて。 平野綾 本編の中でも「今はキュウコンなのか、ロコンなのか?」みたいな多面的だったり、少し怪しい部分を楽しんでもらえると思います。そういうところも、ちょっと自分っぽいかもと感じますね。
でもポケモンのタイプでいうと、たぶん自分はエスパーかノーマルかなと(笑)。
──キュウコンはエスパー技も覚えるので合ってそうですね! 今日の衣装も素敵ですが、『ポケットに冒険をつめこんで』の中では登場人物たちの衣装やアクセサリーからもポケモンを連想させるようになっていると感じました。
平野綾 そうなんです。監督も、それこそキュウコン感を出してほしいと。だから髪型はキュウコンの尻尾のようになびかせて、色も金髪になりました。
目黒洋子の職業はデザイナーで、オシャレに意識的な立場。小道具さんもがんばってくれましたし、ネイルなどもこだわっています。
──マッチングアプリにハマっている役、というのも面白いです。
平野綾 (笑)。それこそ、ちょっと大人で、妖艶さみたいな点も目黒には重要だと思っていて。
目黒洋子の“洋子”という名前も、“妖狐”から取ってるんです。まさにキュウコンがモチーフたる由縁になっています。
放送回を重ねると「目黒回」もあるので、そこでは普段見せることのない目黒の表情とか、違う髪型や衣装も登場するので、より楽しんでもらえると思います!
演じるキャラクターも、ふつうの人間的な存在というよりポケモンを擬人化したというコンセプトのキャラクターなんです。そういう点ですごくチャレンジングなドラマだと思いますし、どう演じよう? キュウコンらしさとは? とすごく考えました。
目黒回で、「これはキュウコンじゃないと言えない台詞だ!」とハッとする台詞があったんです。その台詞を言いたくて、この仕事を受けさせていただのもあるんですよ!
これはゲーム原案だからできることだと思っていて、漫画やアニメのような原作通りの台詞や構成が決まりきって いないことから生まれる、可能性や想像力の広がりを感じています。
──ドラマがすごく楽しみになりました!
ポケモンは、世界を広げてくれる存在
──記者会見中に、ドラマの現場で『ポケモン GO』を遊んでいるというお話がありましたが、遊ばれる中で、捕まえにくかったポケモンや、印象に残っているエピソードはありますか? 平野綾 先ほど「世界のポケモン」という話もしましたけど、私はニューヨークに留学していたことがあって、そこでアメリカ限定のポケモンとして、ケンタロスがいたんです。どうやらテキサス州のみで捕まえることができたようで、丁度NASAに行く用事があったから、そこで捕まえたのが思い出ですね。
NASAのミッションコントロールセンターがジムになっていて、そこでジムを攻略しました。
それこそNASAに勤務している宇宙飛行士の人とかもプレイしていたみたいで、強い人がかなりたくさんいて倒すのが大変でした(笑)。
平野綾 私、本当に凝り性で。ゲームを一回はじめるとずーーっと1日中、永遠に遊んでしまうんですよ!
それこそ、子どもの頃にポケモンをやっている時は、親に怒られたりとか。ただ大人になってもそれは変わらなくて、何時間でも続けてしまうから、注意しながら遊んでいます。
『ポケモン GO』でも、図鑑を埋めたりバトルしたり、これ!って決めたら夜までずっとやっていて家に帰らなくなっちゃうんです。このドラマの現場でスタッフさんたちと『ポケモン GO』も遊んでるんですけど、その中では一番強かったです! すぐ抜かされるかもしれないけど(笑)。
──留学されている時代からやられているのはかなり古参だと思います! ちょうどその時期に『ポケモン GO』と出会われたのも、ポケモンの世界的な広がりを感じるきっかけになったのではないかと思うんです。
平野綾 本当に、ポケモンにとって国って関係ないんだ!と実感しましたよ。ポケモンの話なら、世界中の人と喋ることができるし、年齢も性別も関係ない。純粋にすごいと感動しました。
ラスベガスに新しく建設された、球体のコンサートホール「Sphere」がとても話題ですよね。あそこで世界大会だったり、いろんなポケモンが飛び交う演出とかやったら、めちゃくちゃ楽しそう!
──世界大会は本当にすごい盛り上がりでした!
世界中のポケモンファンたちが、どうポケモンを応援しているのか、楽しんでいるのか見てみたいですね。ポケモンは世界を広げてくれるゲームだと思っています。
あと、今回のドラマは初代『ポケットモンスター 赤・緑』がモチーフだけど、できればゲームと同じように『金・銀』バージョンもつくられたり、シリーズとして続くといいなと思っています。『金・銀』バージョンもドラマになって(笑)!
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