第3回目、最後の「平成展」は今まさに現在進行形で終わりを迎えようとしている2010年〜2019年の10年に関する展示を行う。
ポップカルチャーが「文化」として認められるようになった90年代と00年代。しかし最後の10年はそんなポップカルチャーがこれまで積み上げてきた歴史や文脈に断絶が起こるほどに状況が一変した。
日本は戦後以来、経験したことがないような大きな災害とそれに伴う悲劇を経て、過去の20年で肯定されつつあった個人がバラバラに生きること、自分の思想で考えることから転向し、一致団結することの快感を覚えた。
同時に、これまでのポップカルチャーが持っていた虚構的な想像力よりも、YouTuberやブロガーをはじめとする”インフルエンサー”たちが発信する、実益的で即効性の高い言説や価値観が強く求められるようになった。
また、震災以後この10年において「復興」が私たちの精神的かつ、国家事業を巻き込んだ大きなテーマとして設定された。多くのプロジェクトや物語が「復興」を名目に立ち上がった。東京五輪という"ゴール"も2020年に控えている。
そんな精神的な変容が起きた一方、老若男女を問わずスマートフォンが完全に普及。2017年には13歳〜59歳の年齢においてインターネット利用率は90%以上となる(総務省「個人のインターネット利用者の割合の推移」よる)。
「民意」「人気」「優劣」がインターネットによって、瞬く間に可視化される時代。
情報に対する個人の瞬間的な感情はすぐに数値として映し出され、検証する間もなく「正しいこと」として認識される。
今、事実や真実が感情によって無効化される「ポスト・トゥルース」が世界中で喧伝されている。
例えば、嘘か本当かもわからない1ツイートや1つの写真に自分の感情や価値観が逆なでされたり、それをマーケティング的に利用した「炎上商法」なども横行。そんな風景がもう日常となっている。
これら2010年代を形容する言葉とともに、平成最後の10年を示す最後の「平成展 2010-2019」を締めくくる。
(不定休・展示は不定期更新)
一般1,800円
学生(高校・大学生)1,200円
子供(4歳〜中学生)600円
シニア(65歳以上)1,500円
株式会社カイユウは「すべてのメディアをコミュニケーション+コンテンツの場」に編集、構築することを目的とした企業です。
ジャンルを問わずに様々なメディアやプロダクトのプロデュースを行っています。
「東京カルチャーリサーチ」は、絶え間なく変化する東京のカルチャーシーンを発見・研究し、その紹介をする場所です。東京が生み出すカルチャーの中でも、特にマンガ、ゲーム、アニメ、メディアアート等を深く掘り下げ、「東京シティビュー」としての独自リサーチとセレクションに基づき「東京の文化的特異点」を感じる作品を不定期で展示していきます。
展望台から見える東京の都市は、日々少しずつ変化しています。その変化は人の歴史そのものです。六本木ヒルズ展望台 東京シティビューでは、この東京という都市の内部で毎日生み出され消費されていく「何か」を「東京カルチャー」としてすくい取り、不定期の小展示という形で今後紹介していきます。