平成展

「平成」という時間は、文明や人類史の中では一瞬の出来事だ。

だが改めて振り返ろうとすると、その30年には人間が認知するにはあまりに膨大な、様々な出来事や事件が広がっている。

それは覚悟のある生き様だったり、切実な感情だったり、もしくは冷静に社会や他者を投影させたものだったりする。

その膨大な中から語り続けられたものだけが
物語や歴史となって参照され、
後世へと繋がっていく。

「平成展」でみせるのは、平成と呼ばれた30年、特殊な島国の中だけで流れた、30年という時間に発生した物語だ。

平成30年の中間は、
20世紀/21世紀の終わりとはじまり

第二回となる「平成展」は、2000年-2009年の10年間を振り返る展示になる。

平成の30年の中でちょうど中間に当たるこの10年は、多くの識者たちや文化/社会評論において「00(ゼロ)年代」と呼ばれ、平成だけでなく20世紀/21世紀という大きな時代の区切りでもあり、21世紀への橋渡しとなった年代だとも言える。

情報技術が飛躍的に向上し、世の中のほとんどの人が携帯電話/スマートフォンを手に持って自由にネットに繋がるようになった。個々人の趣味嗜好がより細分化していき、政治や宗教、マスメディアといった「大きな物語」が後退し、人々は「自分たち」というコミュニティがつくる「小さな物語」を生きるのが当たり前になった。

すべては複雑だが、フラットになっていく。

社会全体が小さな村のようなコミュニティを乱立していく中で、逆にこれまで「オタク」的だったもの、あるいは「不良」的だったものも相対的に普遍化し、かつてサブカルチャーと呼ばれた分野が「ポップカルチャー」として広がっていく。

それは国策としても「クールジャパン」と名付けられ、後押しされ、時には奇異の対象とすら見られていたような漫画やアニメやゲームが「かっこいいもの」「当たり前のもの」として広がっていくきっかけとなった。

そんな状況になるなんて、ほんの十数年前までは考えられなかったことだ。

平成という限られた時間がもしも、1000年後にも参照されるとしたら、それはポップカルチャーの歴史としてだ。

今回は、そんな時代に生まれた膨大な「小さな物語」の数々を、4つの軸から点と線によって結ぶ。

コミュニティとは、それぞれ個別に点在しているように見えて、様々な歴史やコンテキストの上で成り立っている。その連なりをビジュアライズし、新文化勃興の10年を改めて再評価していく。

INFORMATION

平成展2000-2009

こちらの展示は終了しております。

時期
2018年12月17日から2019年1月31日10:00〜22:00

(不定休・展示は不定期更新)

場所
六本木ヒルズ森タワー52階 THE SUN&THE MOON
料金
六本木ヒルズ展望台 東京シティビューのチケットで入場できます

一般1,800円
学生(高校・大学生)1,200円
子供(4歳〜中学生)600円
シニア(65歳以上)1,500円

企画
KAI-YOU & 東京シティビュー
協力
牛嶋みさを、つむら工芸、bpm

企画

KAI-YOU

KAI-YOU inc.

株式会社カイユウは「すべてのメディアをコミュニケーション+コンテンツの場」に編集、構築することを目的とした企業です。

ジャンルを問わずに様々なメディアやプロダクトのプロデュースを行っています。

「東京カルチャーリサーチ」は、絶え間なく変化する東京のカルチャーシーンを発見・研究し、その紹介をする場所です。東京が生み出すカルチャーの中でも、特にマンガ、ゲーム、アニメ、メディアアート等を深く掘り下げ、「東京シティビュー」としての独自リサーチとセレクションに基づき「東京の文化的特異点」を感じる作品を不定期で展示していきます。

展望台から見える東京の都市は、日々少しずつ変化しています。その変化は人の歴史そのものです。六本木ヒルズ展望台 東京シティビューでは、この東京という都市の内部で毎日生み出され消費されていく「何か」を「東京カルチャー」としてすくい取り、不定期の小展示という形で今後紹介していきます。

TALK SESSION

各界を代表する登壇者たちが
平成のポップカルチャーを語る

セカイ系の系譜

竜騎士07

竜騎士07

同人サークル07thExpansionの主催者であり、シナリオライター。

ノベルゲーム「ひぐらしのなく頃に」を始めとし「うみねこのなく頃に」「Rewrite(VisualArt’s)」「蛍火の灯る頃に(双葉社)」などの作品を発表。生み出した作品群は映画、アニメ、漫画、小説など幅広いメディアへと発展している。

ホラーテイストの作品が多いように見えるが、その作品には愛や友情といった熱いテーマがあり、多くの若者にも支持されている。

太田 克史

太田 克史

星海社代表取締役副社長COO兼「最前線」編集長。 1972年岡山県倉敷市生まれ。95年、早稲田大学卒業後、講談社に入社。98年文芸局文芸図書第三出版部(通称「文三」)へ異動し、講談社ノベルスを中心に京極夏彦、清涼院流水、上遠野浩平、舞城王太郎、佐藤友哉、西尾維新、奈須きのこ、竜騎士07等若手小説家を担当。2003年、一人編集部体制で文芸誌『ファウスト』を創刊。06年、新レーベル「講談社BOX」を立ち上げ編集長に就任。2010年、星海社を設立。副社長に就任。

MODERATOR
米村 智水

米村 智水

株式会社カイユウ
代表取締役社長

1986年生まれ。学生時より新見直・武田俊らと雑誌『界遊』を刊行。大学卒業後、株式会社イースト・プレスで書籍編集に従事した後、ピクシブ株式会社でWebサービスのディレクションを担当。2011年にKAI-YOU,LLC.として法人化。2013年3月15日(サイコーの日)にポップポータルメディア「KAI-YOU」をリリース。2014年に株式会社化。KAI-YOU内外の様々なプロジェクトのプロデュースも行う。

DATE

2019年2月8日(金)

19:00~20:30 (受付開始:18:00)

トークセッションへは、下記のボタンより、チケットのお申し込みをしてからお越しください。

組織から個人への変容

もこう

もこう

2009年に活動開始した配信者。主にゲーム実況・配信を行う。ニコニコ動画のポケモン実況でブレイク。 現在はYouTubeへ活動範囲を広げ、歌ってみたや、料理、雑談など、幅広いジャンルで活動中。チャンネル登録者数は58万人を超える。

ぼくのりりっくぼうよみ

ぼくのりりっくぼうよみ

現役大学生、20歳。ビクターエンタテインメント所属。高校2年生の時、日本最大級の10代向けオーディション「閃光ライオット」でファイナリストに選ばれ、2015年12月、17歳でメジャーデビュー。言葉を縦横無尽に操る文学性の高いリリックは多方面から注目を集め、雑誌「文學界」にエッセイを寄稿するなど、音楽フィールド以外でも才能を発揮している。2018年9月、2019年1月をもって3年間のアーティスト活動に終止符を打つことを発表。

MODERATOR
米村 智水

米村 智水

株式会社カイユウ
代表取締役社長

1986年生まれ。学生時より新見直・武田俊らと雑誌『界遊』を刊行。大学卒業後、株式会社イースト・プレスで書籍編集に従事した後、ピクシブ株式会社でWebサービスのディレクションを担当。2011年にKAI-YOU,LLC.として法人化。2013年3月15日(サイコーの日)にポップポータルメディア「KAI-YOU」をリリース。2014年に株式会社化。KAI-YOU内外の様々なプロジェクトのプロデュースも行う。

DATE

2019年1月26日(土)

19:00~20:30 (受付開始:18:00)

こちらのイベントは終了いたしました。

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